♦️140の3『世界の歴史と世界市民』活版印刷術の発明(15世紀、グーテンベルク)

2020-12-07 22:23:13 | Weblog
140の3『世界の歴史と世界市民』活版印刷術の発明(15世紀、グーテンベルク)


 ドイツ生まれのグーテンベルク(1400頃~1468)は、印刷職人であった。
 マインツの生まれ。やがてシュトラスブルクに赴く。マインツ出身の金銀細工師フストと語らって印刷機を発明を志したようだ。
 試行錯誤を繰り返す中でも、活字をだんだんに小さく、そして洗練されたものに改良していく。
 そのうちに、ゴシック活字を用いて最初に36行のラテン語聖書(これを後に「グーテンベルク聖書」と言い慣わす)の印刷に成功する。

 ちなみに、アメリカのユタ州のCrandall Printing Museumには、グーテンベルク活版印刷機が展示されているとのこと。稼働の際には、ガチョウの革で包まれたスタンプに油性インクをつけて、そのスタンプを使って活版にインクをのせ、それを紙にかませ、プレスすることにより印刷を行うのだという。


 この発明たるや、潮のようにヨーロッパ各地に瞬く間に広がっていったようだ。グーテンベルク本人の実在は完璧に証明できないものの、そのような核となる技術者ないしその集団がいたのは確かだろう。そのような技術の開拓者の生存中に、協力者や職人たちも各所で印刷所を設立していくという流れであったようだ。


 活字による印刷工房は、マインツ周辺地域とライン河畔の都市シュトラスブルク、バンベルク、ケルン、バーゼル、アウグスブルクなどに広がっていく。1500年頃までには、ヨーロッパ東部を除いて全域に伝わっていったようだ。その間に、技術面での精密化、量産化を目標に、それなりの工夫が重ねられていったのではないか。


 主な顧客としては、当初は教会と大学都市などが中心であり、前者からは聖書、後者からは教材の印刷の発注が主であったようだ。
 追々には、各地での市民階級の動向とも相まって、王公や貴族、僧侶などの特権階級のみならず、一般人レベルでも著作や回顧録、英雄伝のような歴史書、ラテン語の文法書、暦書、人文書などが出版されていく。

(続く)


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆