本日、秋川丘陵(あきる野市・八王子市)を仕事で歩きました。
奥多摩の山々が冷たい冬に向かう季節、標高200m前後の丘陵地はまだ快適に歩くことができ、魅力的な植物との出会いもあります。秋から冬のハイキングにはうってつけの場所。
しかし…森林(もり)の癒しに感謝しながら、静かに自然を楽しみたい-そんな人たちの気持ちが裏切られるような場面に遭遇しました。
秋川丘陵自然公園。東京都に6箇所ある都立自然公園の一つです。
奥多摩の山並み(写真奥)に産声を上げる秋川(手前)と、右岸に連なる丘陵地が織りなす「里山の自然」が魅力。
ボタンヅル(牡丹蔓/キンポウゲ科)
本来は、8~9月に花を咲かせる落葉つる性の半低木。高温傾向が続く今年は、まだ持ちこたえているのでしょうか…今シーズン初めてお目にかかった気がします。白い十字型の萼(がく)と雄しべ・雌しべの造形が、繊細かつ華やか。
ノブドウ(野葡萄/ブドウ科)の果実
青~紫系の複雑な色合いと光沢が美しい。残念ながら食べられないそうです。触ってみましたが、硬くて口にする気にもなりませんでした。(笑)
そして…
木々はわずかに色づき始めたばかり。丘陵地の紅葉は、例年12月に入ってからが旬です。
9月の台風15号で根系からなぎ倒されたコナラの大木。改めて、風の怖さを実感。その他、倒木や掛かり木などを数本確認しましたが、注意して歩けば問題ありません。
本日の憂鬱…
何かおわかりですか?
実はこれ、オートバイ(モトクロスバイク?)が走ったわだち跡です。ハイキングコース、脇道を問わず縦横無尽に駆け抜けていました。
深いところは、10cm以上も地面がえぐられていました。
以前から見受けられたのですが、今回は目に余ります。
・自然公園内に設定されたハイキングコースは「歩道」です。基本的に「車両(二輪車含む)」は通行することができません
・えぐられた場所は、雨が降るとそこを水が流れ、さらに浸食されていきます。ぬかるんで歩きにくくなるばかりでなく、歩道や植生破壊の原因にもなります
ライダーの方に悪気はないのでしょう。楽しいから走る、気持ち良いから走る。自然の中の不整形の道を、テクニックを駆使しながら風を切って走る魅力は、私たちにも何となく理解できます。
しかし、舗装などされていない自然の中では「スピードや騒音が伴う行為ほど、環境(動・植物、歩道などの施設)や人(歩行者)に与えるインパクトは大きくなる」ことを知っておいてほしいものです。
何より、日本の山や森林には所有者がいることも。その方たちの善意によって、私たちは自然を楽しませてもらっています。このように土地を荒らす行為は、所有者の善意を踏みにじることにもつながります。
「立入禁止」措置が取られるようなことは避けたいものです。自然を楽しむ多くの人たちにとって、不幸なことだと思います。
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