11/20(土)~22日(月)の甲斐駒ケ岳山行《後編》です。
21日、4:30起床。山菜うどんの朝食を流し込んで…
6:00 黎明の七丈小屋を出発しました。気温5℃。(ちなみに小屋内の温度は15℃!)
周囲の積雪は3cmほど。
凍結している箇所もあり、早々とアイゼン(滑り止めの金属製の爪)を装着しました。今シーズン初めて。いよいよ、冬山シーズン到来です。
6時半ころ、東の空から…
ご来光を迎えました。雲海も見事。
今日も好天に恵まれそうです。
振り返ると…
北に八ヶ岳連峰(写真左)。ひと際高いピークが赤岳(あかだけ/2899m)。右後方には、奥秩父の山並みも。
遠く北西方向には…
雪化粧した北アルプスの峰々。写真中央に、槍・穂高連峰が連なります。
足元には…
テンでしょうか…動物たちの足跡が遊んでいました。
自然界に生きる動物にとって、山が雪と氷に閉ざされるこれからの季節は、生死を分けるほどに厳しい環境。雪上に残された痕跡に出会うたびに、「冬を無事に越してほしい」と願わずにはおられません。
1時間あまりで、八合目の御来迎場(ごらいごうば/2670m)へ。
昔はここに立派な石の鳥居があり、日の出を拝む霊場だったとのこと。今は、折れた鳥居の脚だけが残っています。
そしてここからが…
甲斐駒ケ岳への核心部。白く輝く花崗岩の尾根が続きます。
目指す山頂は、写真左奥ピークのさらに裏側辺り。「神々の山」は、姿をそう簡単には見せてくれません。手前右には、先行者の赤いアウターが見え隠れしています。
この周辺は南アルプス国立公園。一山岳会が作った標識ですが、年季が入っていて、なかなか味があります。
九合目直下の登り。バックは八ヶ岳。
ここでようやく…
甲斐駒ケ岳本峰を確認することができました(写真右奥)。山頂の祠も見えています。
頂上手前、駒ケ岳神社の本社(もとやしろ)に到着。扉部分には武田菱が…まさしく「甲斐の国」の神社です。
そこから一投足の8:40…
標高2967m、甲斐駒ケ岳山頂に着きました。七丈小屋から2時間40分、登山口からは延べ約10時間、遠い道のりでした。気温5℃。
一等三角点の頂は、眺望が素晴らしい。
南西真正面に、北沢峠を挟んで仙丈ケ岳(せんじょうがたけ/3032.6m)。その優美な姿は、ピラミダルで雄々しい甲斐駒とは対照的です。
真南には、日本第二の高峰・北岳(きただけ/3193m)が颯爽と聳えます(写真左)。国内有数の岩壁・バットレスが、朝陽に輝いていました。
その奥に連なるのは、間ノ岳(あいのだけ/3189.3m)と塩見岳(しおみだけ/3052m)。
そして南東方向には…
富士山です。手前に鳳凰三山を従え、気品に溢れています。
大展望を満喫したあと、9時過ぎに下山開始。
(勝手に名づけた)ジョーズの親子岩?センスなし…?(苦笑)
下降は、急な岩場でのアイゼンさばきに細心の注意を払いました。
八合目まで下山したところでハプニング!T氏がデジタルカメラを頂上に落としたことが判明、再び登り返すことに。幸いカメラは見つかり、無事に回収することができました。
12:10七丈小屋へ帰着。
連泊予定のため、あとは何をするわけでもありません。さっそく、真昼間からビールで乾杯!
しかも、本日の小屋は私たちだけの貸切。ワインと焼酎を飲みつつ山談義&身の上話?などに花を咲かせながら、宴会に突入したのでした。ちなみに本日のメーンディッシュは、肉と野菜たっぷりの水炊き。こちらも旨かった…。
就寝前には、山の怪談話にも飛び火。小屋から十数メートル離れた場所にあるトイレまで、真夜中に連れ立って行くハメに。ちょっぴり怖い思いをしながらも、盛りだくさんの2日目の夜でした(笑)。
最終日22日。天候は午後から崩れる予想です。
5:50 ヘッドランプを点けて早々と下山を始めました。
美しい朝焼け(観天望気では天気が崩れる兆候)と…
厚くなる雲の中に、島のように浮かぶ八ヶ岳。
9:55 登山口着。予感は的中、ほぼ時を同じくして本降りの雨になりました。濡れずに済んだ幸運に、思わず三人でニンマリ。
期待したよりも雪の少ない山行だっただけに、「頂上は降ってるだろうね…」と少し後ろ髪を引かれながらも、好天に恵まれた三日間に感謝。〆(締め)に釜無温泉「むかわの湯」で汗を流し、帰路に就きました。
Tさん、Hさん、楽しい山行をありがとうございました。
おわり
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