苗場山(なえばさん・2145.3m)は信越国境、長野県下水内(しもみのち)郡栄村と新潟県南魚沼郡湯沢町、同中魚沼郡津南町にまたがる。南にゆるやかに傾く成層火山で、山頂周辺に高層湿原が発達。南北約5km、東西2kmの台地上に大小600もの池塘が存在する。その山名は、池塘とそこに生えるミヤマホタルイなどの湿性植物を、苗を植えたばかりの田んぼに見立てたことに由来する、という。
『自然を読み解く山歩き』(小泉武栄著)によると、この湿原ができ始めたのは4000年ほど前。「このころに始まった気候の寒冷化とそれに伴う積雪の増加により、雪解けが遅くなって地面がジメジメし始め、次第に湿原に移行した」もののよう。同著では「青い空と白い雲が池塘に映っている様」「霧の中にオオシラビソがときどき姿を見せ、池塘と湿原植物が霞んで見える様子」はそれぞれに美しく、「天上の楽園-この言葉がこれほどふさわしい山は珍しい」と絶賛している。
先日訪れた、晩秋の苗場山をご紹介。
標高1500m付近、ブナ(橅/ブナ科)黄葉。
ベニサラサドウダン(紅更紗灯台/ツツジ科)
紅みが強い花に負けず、紅葉も鮮やか。
シラタマノキ(白玉の木/同)の果実。
消炎剤のサルチル酸メチルに似た香りと味は、好みが分かれる?(笑)
ミヤマナナカマド(深山七竈/バラ科)?の果実。
山の秋を演出する代表選手。
ホソバコゴメグサ(細葉小米草/ゴマノハグサ科)の残り花。
上信越地方の日本海側など限られたエリアに分布。こんなに可憐でも、他の植物の根に寄生する半寄生植物。
イワショウブ(岩菖蒲/ユリ科)の種子。
ミヤマホタルイ、ヌマガヤ…これら湿性植物群落の紅葉はすでに終了。山頂ヒュッテによると、今年の苗場山の色づきは、例年よりも一週間ほど早かったとか。
ご注意!
ツタウルシ(蔦漆/ウルシ科)
低山など身近な場所にも分布。特に葉がばらけて一枚になったものは、知らないとわかりにくい。鮮やかな赤色につられて触れないように。野生ウルシの中ではかぶれる毒性分が最も強い-といわれる種類。
優しく女性的な印象の強い苗場山ですが、一方で…
頂上台地を取り囲む地形はどこも急峻。(東側の雲尾坂取り付きより)
稜線のスカイライン(左上)が、 富士山などと同じ成層火山の特徴をよく表していました。
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