10日、所属する山岳会の雪上訓練で富士山を訪れた際、不注意から右足首をひどく捻ってしまいました。「グキッ」という音と冷や汗の出る痛み…。
先輩のT氏がすぐにテーピングで固定してくれたことで何とか歩けたため、ショートロープで確保してもらい、吉田口一合目の馬返しまで何とか自力下山することができました。通常であれば2時間ほどのところを所要5時間…患部が足だけに、単独もしくはメンバー構成、その処置いかんによっては無事に下りることができていたかどうかわかりません。雪上訓練をあきらめて、サポートしてくれた先輩のT氏とS氏(上写真)に心から感謝します。
右足首周辺は大きく腫れ上がり、病院で診察を受けた結果、腓骨(ひこつ)の下部にヒビが入っていました。捻った瞬間に「もしや…」と思ってはいたのですが、医者から一週間はシーネと松葉杖で安静に、その後はギブスで固定し、完治まではひと月近くかかるだろうと言われました。色々な意味で痛いアクシデントになりました。が、「完全に折れていれば手術が必要」とのことだったので、この程度で済んでよかったと今は思うことにしています。
私は、富士山の経験は積雪期しかなく、冬山シーズンに入る12月は二年前にも訪れています。この山特有の低温強風によるアイスバーンにはいつも緊張させられるのですが、今回は7合目(2700m付近)まで登っても雪がほとんどありませんでした。これは全くの予想外で、登山道を外れると火山岩とスコリア(小さな火山砕屑物)が積み重なる不安定な斜面に。積雪のある場所を探しながらザレた斜面を歩いている時に大きくバランスを崩したのです。これは明らかに、(積雪がないことからくる)緊張感の欠如で歩き方が雑になっていたことが原因。
いつも顧客の皆さまには「事故は何でもないところで起こります。最後まで気を抜かないで」と注意を促しているにも関わらず…恥ずかしい限りです。
現在はとても山を歩ける状態ではないため、翌日以降の仕事をすべてキャンセルさせていただきました。多くのお客さまや関係者の皆さまに大変なご迷惑をおかけしてしまい、大切な仕事に穴を空けてしまったことを深く反省するとともに、心からお詫びいたします。お電話で状況をお知らせした皆さまからは、「何よりも身体が資本。気にしないでしっかり治してください」「(同じ企画を)ぜひ改めて組んでください」「完治されるまで待っています」…などの温かいお言葉をたくさんいただき、本当にありがとうございました。
本年中は厳しいと思いますが、来年は一日も早くフィールド復帰できるよう最大限の努力をして参ります。催行決定になっていたすべての企画については、2017新年以降に改めて組み入れていきたいと考えています。お申し込みいただいた方には個別にご連絡を差し上げますので、改めて日程調整をさせてください。同時に、復帰までの時間を有効に使い、来夏に向けて、皆さまに喜んでいただける企画作りにも前倒しで取り組んでいきます。完成次第、「岳と森ホームページ」にアップしていきますので楽しみにお待ちください。目標の山、訪れたい森、学びたいトレッキングの知識や技術がありましたら遠慮なくご相談ください。
この度の苦い経験も活かして、これまで以上に「山と森の魅力とリスクの両方をお伝えできる」「トレッキング力がアップする」「山と森の自然を見つめる」ガイディングや講習を心がけていきます。今後も引き続きよろしくお願いいたします。
2016年12月10日、富士山・七合目付近。
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