11日、仕事の下見で八ヶ岳/西岳(にしだけ・2398m)を訪れました。長野県諏訪郡富士見町。
八ヶ岳南部、権現岳(ごんげんだけ)西方に位置するこの独立峰は「平安時代からはじまる修験道の山として多くの人たちに登られた…(中略)…いまでも山岳信仰の行者の住んでいた岩穴などもあり、修行の場所が何箇所か地名として記されている」(「新日本山岳誌/日本山岳会編著」)。
貴重な晴れ間に恵まれて、今年も「梅雨の八ヶ岳の魅力」(本ブログ2011/6/17、22号)に出逢うことができました。
今回のパートナーは、5月前半の雲取ガイドに参加して頂いたSさん、所属ガイド団体の先輩であるK氏、そして私の3名。
・天候/晴れのち曇り
・行程/富士見高原ゴルフ場P8:45-不動清水9:20/9:25-1800m地点10:25/10:30-2138標高点11:10/11:15-西岳11:37/12:30-不動清水14:06-ゴルフ場P14:45
富士見高原ゴルフ場(標高1340m=国土地理院地形図より)から登り始めると、林道に5回出会います。ここが一本目。
いきなりレンゲツツジ(蓮華躑躅/ツツジ科)が鮮やか。目が覚めました。(笑)
不動清水(1500m)。
その名の通り、清水がこんこんと湧き出ており、ベンチ・トイレもあり、休憩にうってつけの場所。
この地を見守る石仏。かつて修験者たちも、この場所で喉を潤したのでしょうか。
歩道脇に…
花の形が船の碇(いかり)に似たイカリソウ(メギ科)。奥多摩のものに比べると、花色が濃く感じます。
シロバナエンレイソウ(白花延齢草/ユリ科)と…
ツマトリソウ(褄取草/サクラソウ科)は、白色が清楚。
いずれも今年初めて。
高度を上げるにつれて、亜高山帯針葉樹林とコケが美しい「八ヶ岳の森林(もり)」へ。
キバナノコマノツメ(黄花の駒の爪/スミレ科)と…
樹洞には、ヒカリゴケ(光苔/ヒカリゴケ科=写真真ん中奥)も。
このヒカリゴケ、自力で光っている訳ではなく、原糸体のレンズ状細胞が僅かな光を反射しているのだそうです。
頭上には…
コヨウラクツツジ(小瓔珞躑躅/ツツジ科)がユニーク。
仏像の胸などにかける数珠状の飾り「瓔珞(ようらく)」に似たこの花、前日の瑞牆山でも確認することができました。
山頂直下、2250m付近で樹林が途切れると…
東に編笠山(あみがさやま・2523.7m)が優しい。
森林限界を示すハイマツ(這松/マツ科=写真左)帯を抜け…
西岳山頂へ。
西にギボシ(左から2番目の尖ったピーク)と権現岳(2715m)が見えます。
さらに北へ目を転じると…
最高峰・赤岳(あかだけ・2899.2m=右)と阿弥陀岳(あみだだけ・2805m)が高い。
ミツバオウレン(三葉黄蓮/キンポウゲ科)や…
イワカガミ(岩鏡/イワウメ科)が、頂上を控えめに飾っていました。
往路下山中…
エゾハルゼミ(蝦夷春蝉/カメムシ目セミ科)と対面。
といっても、この個体は弱って?地面に落ちていたもの。写真だけ撮らせてもらって、再び近くの木に戻しておきました。そういえば朝から、「ミョーキン、ジジジジジ…」と聞こえる特徴のある鳴き声が賑やかな一日でした。
カラマツなどの新緑が気持ち良い1400m付近。
ウマノアシガタ(馬の脚形/キンポウゲ科)
別名のキンポウゲ(金鳳花)こそ、黄金色に輝くこの花にはふさわしい。
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