GW5/3~5日の剱岳報告、その2です。
【4日/曇り】
小窓尾根1800m幕営地4:55-2121m標高点6:00-ニードル7:45-小窓頭11:25-小窓王基部12:40-三ノ窓14:00 <幕営>
3:00前に起床。
5:00少し前、登攀具を付けて出発しました。気温0℃は暖かい。
朝っぱらから突然ですが、これ何かおわかりですか?
俵のような色と形。実はこれ、ライチョウ(雷鳥/キジ目ライチョウ科)のフンです。
今回の山行では残念ながら出逢うこと叶いませんでしたが、このフンと「グエーグエー」と山中に響く(お世辞にも愛らしいとは思われない(笑))声が、その存在を感じさせてくれました。
標高約2200m、1ピッチ(50m)ほどの雪壁。ここからロープを出しました。写真は、リードするT氏です。
小窓尾根核心部の始まりを知らせるニードル。南の池ノ谷(いけのたん)側を巻くように通過します。
ニードル通過後、7~8mの懸垂下降。
草付きの壁を登り返します。スッキリとした岩稜と思っていた小窓尾根ですが、藪っぽい箇所が結構多く、イメージが変わりました。
ニードル通過、ドーム(2400m)頂上へ。
前方左手に馬の背~マッチ箱の岩場が迫ります。右側手前のリッジは剱尾根。
馬の背。アイゼンの爪を引っかけないよう慎重に通過。
本日は、終始ガスの中での行動。気温が高いため雪が腐り気味だったこと、また(スゴイはずの)高度感もかき消されたことなどから、かえって助けられました。
小窓頭付近まで来ると…
これぞ剱という絶景。左の岩峰が小窓尾根の終点・小窓王。すぐ右下の切れ込みが、今日の幕営予定地・三ノ窓(標高2660m)です。その奥、ガスの中にはチンネも見え隠れしています。
もう少し!と喜んだのもつかの間…
小窓王基部から三ノ窓への下降が、本日の核心になりました。
通常、50mのロープ2本で1ピッチいっぱい懸垂する箇所。私たちは、軽量化のためロープを1本しか持参していなかったため、当然半分の25mしか降りられません。慎重にピッチを切りながら、クライムダウン(雪壁の方を向いて後ろ向きに降りること)を織り交ぜました。
この時期の剱をよく知るT氏によると、「こんなに雪の多い三ノ窓は初めて」とのことで、例年なら地面が出ているはずの場所にも雪がべったりと付き、また締まりも悪いため、緊張の下降を強いられました。
さすが剱、あっさりと終わらせてはくれません…(苦笑)
下降中、三ノ窓を挟んで反対側には…
チンネ(写真左の岩峰)と、その右側に真っ白な滑り台と化した池ノ谷(いけのたん)ガリー。
明日はまず、この斜面を登らなければなりません。ミスしたら終わりです。今年2/28日、富山県警山岳警備隊が訓練中に雪崩に巻き込まれたのも、この場所だったとのこと。背筋が寒くなるような感覚を覚えました。
下降に1時間以上かかりましたが、予定通りの14:00三ノ窓へ。
今宵の安眠の地を得ることができました。
三ノ窓には、剱方面から来たパーティのテントが一張りだけ。17:00過ぎ、大窓を登って来たパーティが加わり、全部で3パーティになりました。
持参した檜原村のふき味噌やT氏特製の生肉・生野菜入り焼きそばでまずは一杯。刺激的な一日で高ぶった気持ちを、リラックス?させました。(笑)
就寝前、テントの外に出ると…
ガスが晴れ、神秘的な夕暮れ。西側眼下に富山湾と富山市内が輝いていました。
昨日と同じ18:00過ぎに就寝。明日はいよいよ、剱岳の頂上を目指します。
3/3に続く-
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