少し間が抜けてしまいましたが…(苦笑)
GW5/3~5/5日の剱岳報告、最終回です。
【5日/晴れのち曇り】
三ノ窓5:05-池ノ谷乗越5:40/5:50-剱岳7:10/7:20-早月小屋10:05/10:50-馬場島13:20-(タクシー)-伊折13:50
3:30起床。
北アルプスの夜明け。
東正面に、後立山連峰の盟主・鹿島槍ヶ岳(かしまやりがたけ・2889m)の双耳峰(=写真右)と、その左に五竜岳(ごりゅうだけ・2814m)が並んでいます。
5:05出発。
気温-9℃。昨日とは一転、かなりの冷え込みです。
問題の池ノ谷ガリー。表面がクラスト(硬くなること)して上々のコンディション。アイゼンの爪がよく効く一方で、上部は氷化しているところもあり、スリップだけはしないよう神経を使いました。ただ、思っていたほどの傾斜はなくホッ…。
抜けたところが池ノ谷乗越。雪をどっぷりかぶった八ツ峰が圧巻。
ここからうねるような雪稜を慎重に進むと…
前方に、剱岳本峰(写真左奥)が姿を現しました。
この2ピッチほどの雪壁が、山頂への最終関門。大窓から来たパーティが先行しています。
ここはスタカット(一人が確保して交互に行動すること)で確実に。一部かぶり気味の箇所があり、見た目よりも急に感じました。
そしてこれを登り切ると…
標高2999m、剱岳山頂です。T氏、浪漫飛行のポーズで喜びを表現?(笑)
積雪期のこの頂は、やはり特別です。「やったね!」
すぐ南側は、真っ白な剱沢と立山。
室堂平は4/27日現在で、870cm(昨年は700cm)の積雪があったとのこと。(「富山県警察山岳情報2011春山2号」より)
拍子抜けだったのが…
「何mくらい埋まっているかな?」とT氏と話していた山頂の祠が、すぐ足元にあったこと。昨年の同時期は、5mほど下方に見えました。
今年の剱周辺は、雪の付き方が多いところとさほどでもない(例年並み)ところの差が、顕著だったような気がします。白萩川や三ノ窓はあれほど残っていたのに…。
山行は、まだ終わってはいません。
昨年往復した、早月尾根の長い下りがあります。下山口である馬場島までの標高差は約2200m。
クライムダウンや懸垂下降を交えながら、慎重に高度を下げました。
振り返ると、昨年よりも黒々とした剱岳。
そして北には…
辿って来た小窓尾根。写真左端の突起がニードルです。
標高2224mの早月小屋まで下るとひと安心。
ここで飲んだコーラの旨かったこと!(冷えてはいませんが…)。独特の風味の融雪水に飽き飽きしていた身体に、沁み入りました。
小屋前の雪だるまと一緒に、今回の山行中初めての大休止。(笑)
その後も、好天で腐り始めた雪に手を焼きながらの下降。「(長い)早月尾根はもうたくさんだね…」T氏と頷き合いました。
馬場島のすぐ上標高800m付近まで下りると…
満開のトクワカソウ(徳若草/イワウメ科)が、今年も出迎えてくれました!
ひと際色鮮やか。
カタクリ(片栗/ユリ科)との競演。
13:20馬場島着。
幸運にもゲートを越えて入って来ていたタクシーで、出発地の伊折へ。
こちらでは、キクザキイチゲ(菊咲一華/キンポウゲ科)が花盛り。
関東太平洋側は白色が普通ですが、日本海側では萼片(がくへん)が青みがかっています。地域による花色の変化も興味深い。
岩と雪-モノトーンの世界から降り立って目にした「生命の色」の美しさに、感動しました。厳しさと優しさを併せ持つ剱岳は、やはり素晴らしい山です。
最後に、小窓尾根~剱岳登頂のチャンスを与えてくれ、的確なリードで山行を引っ張ってくれたT氏に、心から感謝します。
おわり
※昨年GWの剱岳山行は、2010/5/4の本ブログ「試練と憧れ-剱岳」参照
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何か一日で雪の量が半減した感じです。
今回は行き違いになりましたが、次回はぜひ、どこか行きたいね。
1日は、源次郎周辺でも遭難者(低体温症による死者)が出ていましたね。厳しい状況の中での剱登頂、大変お疲れ様でした。この季節は特に、天候の判断が難しい…私たちGW後半組は恵まれていました。
今度こそ、山でお会いしたいですね!(笑)