22~23日、八ヶ岳/赤岳(あかだけ・2899.2m)-横岳(よこだけ・2829m)-硫黄岳(いおうだけ・2760m)のガイドを行いました。Tさん、Eさんが参加。
22日10:40、美濃戸口(1490m、長野県茅野市)より入山。気温15℃。
南沢ルートを行く。
これぞ八ヶ岳の森林(もり)。コメツガ、シラビソなどの亜高山帯針葉樹林と林床を覆うコケの緑に癒される。梅雨期は、ひときわ鮮やか。
行者小屋(2340m)の幕営地。テントの花が満開!
「夏山シーズン前の静かな八ヶ岳を楽しむ」と、あえてこの季節を選んだ本企画。最近の登山ブームと、まずまずの天候に恵まれたことなどから、小屋も登山道上も大賑わい。地元ガイドの話では「今シーズン一番の人出」とか…期待、見事に外れる?(苦笑)
地蔵尾根から稜線を目指す。後方は、ガスの中から姿を現し始めた阿弥陀岳(あみだだけ・2805m)。
15:55 赤岳展望荘(2720m=真ん中)着。7℃。5m/s前後の西風が冷たい。
本日はここまで。
23日 4:15 まずは主峰・赤岳を目指し、赤岳展望荘発。気温2℃。
4:30 ご来光。北に…
モルゲンロートに染まる北アルプス(中央が槍・穂高連峰)と…
足元には、キバナシャクナゲ(黄花石楠花/ツツジ科)。
日本では、標高が最も高い場所に咲くシャクナゲ。本企画もう一つの狙いは、これら「梅雨期にしか見られない花たちとの出逢い」。
4:55 赤岳山頂。2℃。
南に、富士。前日に「世界文化遺産」への登録が決まったばかり。おめでとうございます!
赤岳展望荘へ戻り、朝食後…
6:50 横岳へ向け縦走開始。
石尊峰(せきそんほう)を行く。一番奥が赤岳。
ハクサンチドリ(白山千鳥/ラン科)
チョウノスケソウ(長之助草/バラ科)
…梅雨のころに顔を見せる開花植物たちが続々と。
さらに…
ツクモグサ(九十九草/キンポウゲ科)
ウルップソウ(得撫草/ウルップソウ科)登場!
両種とも、日本では北海道、本州は北アルプス白馬岳周辺とこの八ヶ岳に隔離分布するのみ。環境省のレッドデータブック「改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物」で、それぞれ絶滅危惧ⅠB類と準絶滅危惧種に指定。これら希少種の存在は、森林限界を超えた高度、冬の「少雪、低温、強風」という、八ヶ岳特有の自然環境がもたらす奇跡。大切に残していきたいものです。
こちらは?
岩に遊ぶイワヒバリ(岩雲雀/スズメ目イワヒバリ科)の親子。さあ、この写真の中に何羽いるでしょうか?(笑)
奥ノ院(おくのいん)北側の鎖場。練習の成果あり、岩場での身のこなしに安定感があるTさんとEさん。
予想以上に多かったツアー登山の行列や一般登山者とのすれ違いに時間をとられたものの、まずまず順調に岩稜の横岳を通過。
9:30 硫黄岳着。10℃。
来し方、赤岳(右上)~横岳(真ん中上)の稜線を振り返る。
最近の降雨で水量多い北沢ルートを経て…
13:35 美濃戸口へ再び下山。Tさん、Eさん、お疲れさまでした。
おまけ。
台座の頭(だいざのあたま・2795m)付近で開花の準備を始めたコマクサ(駒草/ケシ科)。
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横岳の岩場通過、岩場講習の成果か、下山するとき次の足の置き場が分かってきたし、とても楽しかったです。
横岳また行きたいと思いました。
いつか、完全縦走できたらいいなぁと思います。
阿弥陀岳にもいつか行ってみたいと思います。
下山時、林道に出る手前辺りで、名前がわからないって言ってた白い花ってなんだったんですか?
写真撮って調べてみようって言ってたので…。
お疲れさまでした。
つづら岩での練習の成果が出て良かったですね。赤岳~阿弥陀岳縦走は、10/12?-13?の紅葉シーズンに組んでいます。秋の八ヶ岳も素敵なので、ぜひご検討ください。
白い綿毛のような種子は、調べてみるとイヌコリヤナギ(犬行季柳)のようです。
赤岳鉱泉から降り始めた時だったか、赤岩の頭から降り始めた時だったか、どっちかあまり記憶にないんですがm(__)mギンリョウソウじゃないけど、小さな白い花をつけた草花の名前です。
確か、「昨日?もあったけど調べてみないとこの花分からないから写真撮らせて」って言ってた気がするので…。
蘭じゃないけど、細いスラッとした草花でした。
あの白い花は、おそらくアブラナ科のヤマハタザオ(山旗竿)だと思います。