多摩、ときどき山

多摩の暮らしと山のブログ

第2回プロが教える安全登山講座~遭難のリスク③寒さ・暑さ

2017-02-25 22:05:52 | ガイドのこと
23日、所属するガイド団体による表題の講座がカモシカスポーツ横浜店であり、司会として参加。

最終回でもある今回のテーマは「遭難のリスク③寒さ・暑さ」。ガイドであり気象予報士でもある当会の上村博道氏が「暑さ寒さは遭難のもと・気象遭難の防ぎ方」について話をされました。




寒さ(低体温症)は、2009(平成21)年7月16日に発生したトムラウシ山大量遭難の事例から。事故当時たまたま山麓に居合わせ救助活動にも関わった上村氏が感じた麓と山の天候の違い、当日の地上天気図と850Hpa(標高約1500m)の高層天気図をベースに、現場付近の気温と風向・風速を再確認。「トムラウシ周辺では気温9℃、西北西の(冷たい)風18m/sが予想されていた」事実を紹介し、山行前のこうした客観情報の収集が気象遭難を防ぐ大きな力になり得ると指摘されました。

(標高や地形の影響で状況が変わりやすい)山の現場では「体が冷える前に面倒くさがらずに重ね着や保温をすることが大切」とアドバイス。最後に「風向は地上天気図からある程度読み取れるが、風速と気温は高層天気図からしか読み取れない」として、高層天気図の意義と読み取り方の基本を解説。二日後の実技講習で訪れる矢倉岳(870m、神奈川県)の気象条件を全員で予測して終了しました。

実技は①平野部と山の天候の違いを知る②予想と実況が合っていたか③選んだ装備と天候はあっていたか-をポイントに進めるそう。「私も実技に参加したい!(が仕事のためできない…)」と思える机上講座でした。
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