「バリ島物語」にはヒンドゥの教えらしき文章が点在する。しかし著者は出典を記述しないのでどこから持ってきた言葉かわからない。口述で伝えられてきたものかも知れないし、著者の創作かも知れないが、古代以来のバリ人の根っこにありそうに思えてくる。「ある男が言う、我は一人の男を殺せりと。他の男が言う、我は殺されたりと。されど両者は何ものをも知らざるなり。生命は殺すことを得ず、生命は殺されることを得ず。」「終わ . . . 本文を読む
バリ島は年に何回もお祭りがあり、そのたびに村を離れて観光地のクタなどに働きに出ている多くの人々が帰郷する。経営者も従業員の申し出を拒むことはできない。その優先度は大変なもので彼らの人生の最も大切な一つだろう。仕事がたとえ忙しかろうとお祭りには帰る。そのために備える供物代や衣装交通費など相当なもの入りだと聞いている。バリ滞在中は地元の友人夫妻の誘いでお祭りには何回か参加している。お祭りには村人全員が . . . 本文を読む
毎夕刻になると足がビーチに向かう。
昼間は暑くてとても散歩する気にならない。ビラからビーチまでは10分くらいかけて、がたがた道で幅が1.5メートルあるかないかの細い横道を通り抜けねばならず、そこをひっきりなしにバイクが通り過ぎるので、愉快ではない。むしろ不快な散歩コースだ。でも、そこを我慢してビーチにたどり着くと白い雲と青空がいきなり広がり、白波の押し寄せる風景が心を一気に開放する。 . . . 本文を読む