昨日77歳になった自画像をさらっと書いてみようとしたがそれよりも今年93歳で亡くなった谷川俊太郎の詩への感想を書くことで自画像に代えることができそうだ。(彼もわたしと同じ誕生日だし。)
二十億光年の孤独 谷川俊太郎
人類は小さな球の上で
眠り起きそして働き
ときどき火星に仲間を欲しがったりする
火星人は小さな球の上で
何をしてるか 僕は知らない
(或いは ネリリし キルルし ハララしているか)
しかしときどき地球に仲間を欲しがったりする
それはまったくたしかなことだ
万有引力とは
ひき合う孤独の力である
宇宙はひずんでいる
それ故みんなはもとめ合う
宇宙はどんどん膨らんでゆく
それ故みんなは不安である
二十億光年の孤独に
僕は思わずくしゃみをした
この詩は沁みるね。偉人たちの説教くさいのは面白くない。この詩はさらっと自己を客観しているのがいい。
宇宙からヒトを眺めている様な視点がいい。イーロンマスクやホリエモンなど宇宙に焦がれる人を想起させるところが現代につながっている。
火星人が寝て ネリリ 殺し合って キリリ 未来を心配してハラハラ ハララ してるって、確かにそうだろうな。つまり宇宙のありようや自己のありようの自己認識だ。大したものであり、そうでもない。
エントロピー拡大が人の不安の根源だとみる視点で不安を超えている。このエントロピー概念はわたしの最近気にいっている宇宙の大原理だ。
万有引力は宇宙の真理であるエントロピーの拡大のフィードバックだ、ひずみが愛の原理だとの発見はアインシュタインと並ぶ。
今わかってる地球の年齢は約40億年だが二十億光年としたのは?単なる記憶違い?それもありかもしれないが、あるいは生物の進化が始まるのが20億年前か?いずれにしても人の孤独はその頃始まる。
孤独に慟哭するのではなくくしゃみする この軽みが素敵だ。
諸行無常の中で生きているわたしという77歳の自己認識。
人類は小さな球の上で
眠り起きそして働き
ときどき火星に仲間を欲しがったりする
火星人は小さな球の上で
何をしてるか 僕は知らない
(或いは ネリリし キルルし ハララしているか)
しかしときどき地球に仲間を欲しがったりする
それはまったくたしかなことだ
万有引力とは
ひき合う孤独の力である
宇宙はひずんでいる
それ故みんなはもとめ合う
宇宙はどんどん膨らんでゆく
それ故みんなは不安である
二十億光年の孤独に
僕は思わずくしゃみをした