まさおレポート

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機銃掃射を経験する世代が消えていく

2010-11-15 | 心の旅路・my life・詫間回想
小沢昭一氏と帯津医師との対談を読んで、彼が戦時中に機銃掃射が身体の側を駆け抜ける体験をかたっている。これで色々な記憶が刺激された。

中学の職業科の先生に梶山さんという方がいた。数学や英語と違い気楽な授業と考えていたのだが、この先生が時々戦時中の話をしてくれた。梶山少年が機銃掃射の標的になって後ろから前に掃射が通り抜けたことをクラスで語った。この話だけが未だに記憶に残っている。これは人間が味わう恐怖の中でも最大クラスのものだということは中学生の私にも強く印象づけられたに違いない。この先生は今思うともっといろんな話を聞きたかったと思う。清潔な人格と風貌をもった方であった。

石原都知事も少年時代に米軍の飛行機から機銃掃射を浴びた経験と恐怖をどこかに書いていた。この体験があるから米国を100%信じることが出来ないとういう趣旨だったと思う。最近の日本核武装論もこの体験が根になったいるのだろう。

開高健も「輝ける闇」だったかで、自分が標的になったときの恐怖を描いていた。他人を狙っているのと自分を狙っているのは同じ至近距離に弾が飛び交っても恐怖の度合いが異なると書いていた。当たり前の話なのだが、体験者から語られる文の凄さというものがあることを改めて教えられた。

あと10年もすればこうした恐怖の体験者は日本からはいなくなる。こうなると国を守るという意識も観念の上だけの議論になる。これを埋めるものが文学や映画の役割になるが実体験に迫れるものかどうかに疑問は残る。




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