日用品の買い出しに行った帰り、サヌールに向かうジャラン・バイパス沿いで10名程度の正装したバリ人が道路上に座り込んでお供え物を置き、祈りをささげている光景を目にした。日曜日といえども道路はかなり混んでいる。こんな場所でセレモニーをやるのかと驚いてつれあいに語りかけると、タクシードライバーが言葉は多分わからないと思うが気配を感じるというものだろう、「これは事故のセレモニーです」と教えてくれた。なるほどここで交通事故で亡くなった方を弔っているのだと理解した。日本で例えると高速道路で坊さんと家族が読経を読んでいるような風景でした。
交通法規よりも死者の弔いを優先する。このことはバリ人の気質を象徴的に現すものなのだろう、きっと。パンジャール(村の自治体のような組織または集会所を指す)の規則が法律よりも優先するということも聞いたことがある。これらは底で通じることのように思える。