まさおレポート

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モロッコ紀行ハイライト2

2025-01-23 | 紀行 モロッコ・チュニジア

この背の高い老人がバンドのリーダーでジャジューカ風の音楽を演奏する。推定70くらいで片目は見えないが一晩中精力的に演奏する。ときどき飛んでみせる。リッサニから砂漠を車でやってきて夜演奏し翌朝帰っていく。この老人は特別背が高く10等身に見える。

サハラ砂漠は三度訪れている。モロッコの南側アトラスを越えた処にリッサニという街がある。そこから車でさらに南に向かうと砂漠にはいる。赤茶けた固い砂地が延々と続く。ときおり刺のある背の低い草がほんの少ししょぼしょぼと生えているがあとは荒涼とした風景だ。

こんななにも道案内のないところをどうやって目的地まで行くのか。どうやら地面にうっすらと残る轍の痕跡を辿っている。慣れた道でも見失うことがあるらしい。ある時は道を見失った。といっても、もともと道はないのだが。車が砂丘をジャンプしたら偶然キャンプ地の明かりが見えてやっとたどり着けたこともある。

5,6時間で砂漠のキャンプ地に到着する。ここは観光客用に作られたテント村で数十人がテントに宿泊できる。満天の星明かりの下で食事をした後はモロッコ人ミュージシャンの民族音楽の演奏が始まる。大型のタンバリンと手打ちの太鼓それに一風変わった音色の笛それにギターとマンドリンの中間の弦楽器これにボーカルが加わっての演奏だ。笛はクラリネットに似ているが澄んだ音ではない。動物の鳴き声のような割れてかすれた音だが砂漠にぴったりの音だ。

時には踊りながら演奏は興に乗れば6、7時間続く。このミュージシャンのリーダが素晴らしい風貌の老人だ。満天の星と、彼に会いたいのでサハラに行く。年齢不詳だが70歳はとうに超えているように見える。80歳に達しているかもしれない。左目が白内障なのか白く濁っている。背が2メートル近い。しかし踊りながら笛を吹き、ジャンプする独特のポーズを決める。

時には砂漠の精悍な戦士を思わせる風貌だが性格はあくまで優しい。何年かぶりであってもよくこちらのことを覚えていてくれる。去年に会った時はさすがにいつものジャンプがなかった。彼も人の子、やはり老いていた。

白い民族衣装にターバンをまき背筋を伸ばして悠然と砂漠を歩く骨格たくましい老ミュージシャンはそのままでアラブの土地と歴史を彷彿とさせる。とにかくかっこいいのだ。

 

サハラ砂漠のど真ん中にテント村があり数十人がテントに宿泊できる。(実は遭難一歩手前でたどり着いたがそのことはここでは触れない)テントの床にはモロッコの絨毯が敷き詰めてある。ハンベルと呼ばれるアトラス山中で織られたごつい絨毯で、砂の上に直に敷かれている。

満天の星明かりの下でモロッコ人ミュージシャンの民族音楽の演奏が始まる。大型のタンバリンと手打ちの太鼓ダフそれに一風変わった音色の笛、弦楽器ウードこれにボーカルの演奏だ。笛はナイと呼ばれる笛で倍音が特徴の、いわば動物の鳴き声のような割れてかすれた音だ。澄んだ音に慣れた耳には当初違和感があるが砂漠の風にぴったり馴染んでいる趣のある音で、これぞモロッコの音だ。モロッコ音楽と砂漠の風景は密接に関係しあう。満点の星と満月の下、時には踊りながらの演奏は興に乗れば6、7時間続く。

ミュージシャン達のリーダは老人だ。実はこの男に会うためにサハラ砂漠に行く。年齢不詳だが70歳はとうに超えているように見える、80歳に達しているかもしれない。左目が白く濁っている。歯はしっかりしている。背が2メートル近い。踊りながら笛を吹き、節目にジャンプして独特のポーズを決める。


砂漠の精悍な戦士あるいは族長を思わせる風貌だがあくまで優しい。何年かぶりであってもよくこちらのことを覚えていてくれる。最後に会った時はさすがにキメのジャンプはなかった。彼も人の子、やはり老いていた。

白い民族衣装にターバンをまき背筋を伸ばして悠然と砂漠を歩く骨格たくましい老ミュージシャンはそのままでアラブの土地と歴史を彷彿とさせる。翌朝我々と一緒に車でリッサニの街に戻った。リッサニの街で降りたミュージシャンはわれわれにお礼の手を降って街に消えた。とにかくかっこいいのだ、この老いたミュージシャン。

 

砂漠の夜は、昼間の灼熱とは打って変わって、涼やかな風が心地よく肌を撫でる。広がる闇の中、天には満天の星空が瞬き、地上では静寂がすべてを包み込む――と思いきや、遠くから太鼓のリズムが響いてきた。キャンプの灯りが揺れる中、ローカルのミュージシャンたちが音楽を奏で始め、旅人たちを誘うようにその音色が広がっていく。

自然と私もその輪に加わった。手渡された楽器を握り、初めは遠慮がちだったが、次第にそのリズムに引き込まれた。目の前で太鼓を叩く男性は微笑みながら拍子を取り、隣の笛吹きの音色はまるで砂漠の風そのもののように自由で奔放だ。言葉が通じなくても、音楽がすべてをつなぐ架け橋となり、互いの気持ちを共有しているのが感じられる。

ふと顔を上げると、夜空に輝く星たちがこの光景を見守っているようだった。砂漠の静寂に溶け込む音楽、それに合わせて笑顔で踊る人々、そして私自身がその中にいる不思議さ。旅を重ねる中でも、こうした瞬間は特別だ。時間を忘れ、砂漠と音楽、そして人々の温かさに包まれる夜。これは、写真や言葉だけでは伝えきれない、旅の贅沢なひとときである。


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