頭を悩ます色即是空 空即是色の色について両氏の違いを覗いてみると興味深い。
佐々木閑氏は初期仏教を中心に研鑽を積んでこられた方であり色の解釈に非常に深く細かく説明をする。
色は二通りの意味があると言う。色かたちが一つ、物質という意味がもう一つあると。色かたちは視覚から見ている。物質との意味は現代の物理学的な説明になる。
瑣末なことを、どうでもいいじゃないか、そんな感想に対して氏は激しく憤るように見える。仏教は細かく細かく見ないと見えて来ないらしい。
紀野一義氏は色についてさらりと説明していた気がするが、空も色も色々な議論があるが深入りはしませんと言っていた。
どちらかが正しいとは比較しない、どちらも面白いなとわたしは思う。
紀野一義氏は救済に重点を置き、佐々木閑氏は一切皆苦の覚悟の上での病院としての立場を取る。このことから色に対する関心の持ち様が違ってくる様だ。