まさおレポート

当ブログへようこそ。広範囲を記事にしていますので右欄のカテゴリー分類から入ると関連記事へのアクセスに便利です。 

量子力学の「非局所実在性」が確定

2018-05-29 | AIの先にあるもの

10万人のゲーマーが量子力学の「非局所実在性」をベルの不等式不成立で確定 2018.05.28

アインシュタインは量子論の不可解な事例を「不気味な遠隔作用」とし、量子力学のコペンハーゲン解釈は間違っているとし、物体は観測の影響を受けることはないという局所実在性を提唱した。物理学者ベルは「ベルの不等式」でベルの不等式が成り立たたなければ量子論が正しいとした。粒子の運動量と位置を同時に正確には測ることができないとする不確定性原理は1927年にハイゼンベルクによって提唱され量子力学の基礎原理の一つとして定着した。この不思議な原理を巡ってボーアとアインシュタインとの間に大きな見解の相違があった。

ボーアは粒子の運動量と位置を同時に正確には測ることができないという観測問題は“元々決まっていないからだ”としてコペンハーゲン解釈と呼ばれる解釈を示した。一、アルベルト・アインシュタインは「隠れた変数理論」で“、粒子の運動量と位置は実際は決まってはいるが人間にはわからないだけ”との解釈をした。アインシュタインの手紙の文章である「神はサイコロを振らない」がよく知られている。ここでアインシュタインの神とはキリスト教の神を意味するのだろうが、ユダヤ人であることからユダヤの神あるいはもっと素朴に人間の神概念、自然に対する通念をさしているとも思える。それほどまでに大きな変革がこのミクロの世界の観察を通じて得られたということだろう。

ベルはニールスボーアの提唱をおかしなものと思い、ベルの不等式と呼ばれるものを提案したが、1982 年アスペはベルの不等式は成立しないことを実験で示しベルの不等式が実験的に否定された。このことで「神はサイコロを振らない」の通念こそ否定される考えとなり、粒子の運動量と位置を同時に正確には測ることができないことを説明しようと試みたアインシュタインの「隠れた変数理論」は支持されなくなった。

ベルの不等式とは、隠れた変数理論などの局所実在論が満たすべき相関の上限を与える式であるが、量子力学の世界ではこの上限を破ることが判明した。同様の意図をもった不等式にCHSH不等式があり、これもまた1982年にアラン・アスペからCHSH不等式の破れを報告された。アインシュタインの局所的隠れた変数理論は実験的に否定されたことになり、量子論は局所実在論を包含する理論であることが明らかになった。コッヘンとシュペッカー(1967)は隠れた変数理論が極めて困難となることを数学的に証明し、個々の系について、すべての物理量に同時に確定した値を付与することはできないとした。

アインシュタインはこれ以降、ボーアらの新しい物理学をフォローすることがなくなったと伝えられている。特殊相対理論、一般相対理論で革命的な仕事を成し遂げた彼ほどの天才でも新旧交代の波に押し流されるという事実は世代交代の観点からある種感動的だ。

上述のように1960年代以降、このベルの不等式を実験的に検証する試みがなされベルテストでベルの不等式は成り立たないことが明らかになってきたが完全に不成立が納得されたわけではなかった。ベルテストは実験に際して実行者がランダムさを証明できないという点に問題が有り「選択の自由のループホール」と呼ばれてきた。つまり真の意味での“乱数”がなければベルテストにも疑惑が残されていたのだ。


2016年11月30日、10カ国で計10万人以上の参加者がオンラインゲーム「Big Bell Quest」を同時に9700万回プレイした。3Dマップの中をパソコンで1と0のキーを連打して進みゴールを目指すというもので、プレイヤーが連打した記録は研究チームのもとへ届けられ、大量のまったくランダムなバイナリデータを収集することに成功した。

 この完全な乱数を使い研究チームがベルテストを行い局所実在性の検証を行った結果が5月9日に「Nature」オンライン版に掲載されベルの不等式は一部で“破れ”が示される結果となりアインシュタインが間違っていたことが証明された。観測者の状態が量子の状態に影響を及ぼしているのかもしれない。もし我々が完全に自由だった場合、量子もまた完全に自由だ、つまり意識が量子に影響を与える。

これは情報と物体の相互作用であり、エネルギーと物体の関係性にさらに意識(情報)が加わったということではないか。

量子力学と唯識 メタファとイメージによる理解は可能か

人生で経験した偶然 量子力学 薔薇の名前

 


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。