まさおレポート

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シルクスクリーン工房を探して

2012-10-04 | バリ島 絵画・紋様・アート・クリス・美術館・ワルター シュピース

5年ほど前にシルクスクリーンの技法に魅かれてバリの中を探し回ったことがある。つまりシルクスクリーン版下を作成してくれるガルマンとその版を使って印刷してくれるガルマンをバイクの尻に乗って探し回った。それから5年たち、またまたシルクスクリーンを思い立ってその当時のガルマンの名刺をもとにその場所をようやく探し当てる。たびたびシルクスクリーンの事を思い出すのは、その必然性が趣味の範囲で生じるからなのだが。

車の入れない狭い道を10分ほど歩き幅が20メートルほどの川に出る。ゴミが川面に浮いて小汚い川ベリにスラムのような家が立ち並ぶ。写真をとるのもはばかられるほどだ。そんな場所に名刺のガルマン跡があった。既にそのガルマンは無くなっており主はすでにジャワ島に帰ったという。

近くにいた住民にシルクスクリーンのガルマンの事を説明していると、すぐそこにガルマンがあるという。見渡してもそれらしきガルマンは見当たらないが、とにかくついてこいというので歩いていくと洞窟の入り口のような玄関があり、そこをくぐるように入っていくと台所があり、さらに奥に行くとシルクスクリーンの印刷工場があった。若い男が上半身裸でスキージーで版下の上からTシャツにバロンの顔を黒色で刷っているが印刷の質は悪い。

すぐそばの6平米程度のタンクでは中年の男がその染料タンクに腰までつかって絞り染めの生地を染めている。染色や印刷工房からの廃液は工房の前にある川にそのまま流されることになる。

観光では見えてこないディープなバリの一角だが、しかしこのようなスラムに近い場所でも人々は親切で笑顔で道を教えてくれる。これが他の国ではそうはいかないだろう。


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