・・・ あるきだす俳句たち ・・・
火曜・朝日夕刊の あるきだす言葉たち は自由詩、短歌、俳句の持ち回りで俳句は3週に1回の掲載らしい。俳句担当記者は宇佐美貴子(42)。担当して日が浅い。朝日新聞の場合は文化部があり、そこに小説などをふくめた文芸とうセクションがあり、7人ぐらいの記者がいるそうである。短歌、現代詩、俳句を扱う記者が各1名。
俳句を担当している宇佐美貴子はこの担当になる前は社会部・東京版の記者。いまは読者が投稿している朝日俳壇の担当もしている。毎週入選句の入力をするが季語や用字、送り仮名、旧仮名に戸惑うとか。俳句のリズムがすこしずつ気持ちよくなってきたらしい。投稿句は毎週5000から6000.選者の先生が選びやすいように彼女が整理する。
昨日の あるきだす言葉たち は俳句。 森有子の 「夏の森」 12句である。
◉ 春の宵大きな穴を見つけたり ◉ 葉桜もゆれてあの世もゆれている
◉ 卓球はじいちゃんとする若葉風 ◉ 森のなか天狗と出会い初じゃんけん
◉ この森はダンスの森だ夏館 ◉ 夏の月森の隅っこ木靴鳴る
「夏の森」から私の好きな6句を抄出してみた。平凡なようで平凡ではない。リズムがよく気持ちのよい俳句、なんとなく懐かしくなるような句である。 森有子は1969年京都生まれ。2015年、句集『だんご虫』(青磁社) 俳句の結社には所属していない一匹オオカミだ、のんびりしたオオカミかもしれない。 「夏の森」で出くわしても怖くないオオカミだろう。たぶん。
6月10日 松井多絵子
✿ 第51回短歌研究賞
橋本喜典(よしのり)の31首詠「わが歌」に決定。授賞式は9月18日。東京・如水会館。