★★ 「がんばって!大口玲子さん」 ★★
歌集『トリサンナイタ』を刊行した大口玲子さんは若山牧水賞を受賞。3・11の被災地を離れ宮崎で暮らしながら原発事故を詠み続ける。夫を残し仙台を出て2歳の息子との暮らしは後ろめたかったらしい。彼女はまだ三十なかばの「心の花」の歌人、以前から骨太の歌人だと暴走老女A子が注目し、私もたしかにいい歌人だなあと思っていた。『短歌研究4月』に彼女の30首「声」が掲載されている。大口玲子さんの声に耳を傾けてみよう。
❤ ママチャリを漕ぐわれが映る 宮崎で健気に生きる被災者として
❤ 「報道してもらはなければ福島は忘れられる」と声は呻きぬ
❤ カットさるると知りつつ話す仙台の土壌汚染と給食のこと
❤ 福島より来たりて宮崎の土を指し「これさはってもいいの」と訊けり
❤ 土を掘りひたすら土を掘るだけの遊びする子を母は見守る
❤ 「福島から来たお母さん」「宮崎のお母さん」どちらでもなくわれは立つ
❤ 福島で生きる母親に強さありその強さに国は凭れかかるな
※大口玲子さん 時には福島のお母さんになり、時には宮崎のお母さんになりながら、坊やと共に強く生きてください。坊やはもう四歳になったのですね。 松井多絵子
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