「嘘か本当かわからない」
今日は4月1日、1年でこの1日だけは嘘を言える。貴重な1日である。さて誰に嘘をつこうか。どんな嘘を言おうか。思いつかない。私にスゴイ嘘のメールが来るはずもない。『岩波現代短歌辞典』には「嘘」について次のようなことが書かれている。
世界中で一番の嘘つきは誰か?それは「私は今までに一度も嘘を言ったことがないと云う人だ」とよくいわれる。また「クレタ人は嘘つきである」と言った人はクレタ人であるという嘘。人間として言葉や心をもった以上、社会生活をしてゆくうえで、「嘘も方便」として欠かせない必要不可欠な言動が「嘘」なのである。♠。やさしさゆえにやるせない嘘、♠誰もが嘘だと承知しているのに、だからこそ誰もが判を押してしまうように言ってしまう嘘。
❤ 嘘をうたう六首 松井多絵子
はつ夏の苺のレプリカですかこの冬の苺の嘘くさい紅
大嘘の見え隠れする君のその成功談は夕日のようだ
言いだすまでどこに隠せばいいのやら真っ赤な嘘はそわそわしている
猫は耳をとがらせ我の嘘を聞き夫はタバコのけむりを放つ
苦しまず逝きしという嘘あたたかく我はうなずき供花にふれる
ほほ笑みの絶えることなきモナリザよ貴女はたぶん嘘がお上手
4月1日 予報では雨なのに晴天。こういう嘘はうれしいです。 松井多絵子
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