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持たない暮らし

2014-04-06 14:19:48 | 歌う

             「持たない暮らし」

❤ブラウスをバッグを手にとり買わぬまま地下街を出る四月一日  松井多絵子

 今月から消費税が上がり景気が悪くなるだろうという不安なとき『持たない暮らし』という本の広告。日曜の朝刊にデカデカと、26万部も売れているとは。阿部首相はこの広告を見ながら、「やれやれ」と溜め息、だったであろう。著者は下重暁子、元NHKのアナウンサー。和服の似合う楚々とした美女だったがもう77歳。いつの間にかエッセイのオバアチャンに。

 敗戦後の日本は、物がなく心は荒れて、人々は物を欲しがり、追いつき追いこせとつくっては捨てた。その結果どうなったか。物は増え、組織はできあがったが、わたしたちは物や、社会のしくみに管理され、不自由さと無力感にさいなまれている。~この文から『持たない暮らし』ははじまっているらしい。そして著者は「本当に好きなもの」だけで生きていくこと」を提案してる。

 しかし、わたしたちの生きがいは持つことではないか。まず家、そして車、食べ物、衣服、それらはできるだけよいものが欲しい。更によき伴侶、よき師、よき友、友はできるだけたくさん欲しい。下重暁子は~友人は一人でいい。深く理解し合うことができれば、孤独から救ってくれる~と。

 でもねえ、下重さん。加齢と共に友はあの世に行ってしまいますよ。しかも孤独から救ってくれるような友が世を去ってしまう。長生きするほど友がいなくなりますよ。

 「ちょっといいもの」は買わない。少しでいい。「ほんとうにいいものを」と著者の言葉。

 でもねえ、下重さん。ほんとうにいいものがナカナカわかりませんよ。よくないモノ、不用なモノを買いながら、買い物が上手になるのでは。いいモノが分かるときはお金を失ってる。
ですから、ガラクタに囲まれながら私たちは世を去ることになりかねませんね。

 消費税が上がらなかったら私はあのひらひらのブラウスを買ったでしょう。2160円節約しましたが、春なのにチョウチョウの気分になり損なっています。 松井多絵子

                        


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