日毎の糧

聖書全巻を朝ごとに1章づつ通読し、学び、黙想しそこから与えられた霊想録である。

互いにいたわり合い、憐れみ深くあり

2015-04-29 | Weblog
  ゼカリヤ7章 

  9節「万軍の主はこう言われる。正義と真理に基づいて裁き 互いにいたわり合い、憐れみ深くあり」(新共同訳)

  1節「ダレイオス王の第四年になって、主の言葉がゼカリヤに臨んだ。それは九月、キスレウの月の四日のことであった」。小見出し『断食と回復の約束』。紀元前518年、1章7節から二年近く経過している。ベテル(人物?)は、サル・エツェルとレゲム・メレクおよび、その従者たちを神殿に遣わして、主の恵みを求めさせた(2節)。
  3節「また万軍の主の神殿の祭司たち、および預言者たちに次のような質問をさせた。『わたしは、長年実行してきたように、五月には節制して悲しみのときを持つべきでしょうか』」。神殿の再建中、毎年5月にエルサレムが破壊された(列王記下25章8節see)悲しみの断食をしてきたがなお続けるのかと質問したのである。
  5節「国の民すべてに言いなさい。また祭司たちにも言いなさい。五月にも、七月にもあなたたちは断食し、嘆き悲しんできた。こうして七十年にもなるが果たして、真にわたしのために断食してきたか」。主はゼカリヤを通して答えられた。それは真に断食といえるのか。7月の断食は、ユダの最後の統治をしたゲダルヤが暗殺された月である(列王記下25章25節see)。これについての主の御心が示される(7節)。
  9節「万軍の主はこう言われる。正義と真理に基づいて裁き 互いにいたわり合い、憐れみ深くあり」。やもめ、みなしご、寄留者、貧しい者らを虐げず 互いに災いを心にたくらんではならないと(10節)。
  11節「ところが民は耳を傾けることを拒み、頑なに背を向け、心を鈍くして聞こうとせず」。心を石のように硬くし、預言者を通して与えられ、律法と言葉を聞かなかった(12節)。
  13節「『わたしが呼びかけても彼らが聞かなかったように、彼らが呼びかけても、わたしは聞かない』と万軍の主は言われる」。だから民をあらゆる国に散らしたのだと主は言われる(14節)。
  断食についての記事は新約聖書に多く出てくる(マタイ福音書4章2節、6章16~18節、使徒言行録13章3節、14章23節)。
  現代では「医食同源」という言葉があり、健康維持のために断食をする人もある。問題は飽食時代といわれる生活を送る一方で、貧困で餓死する人々が絶えないという現実である。預言者ゼカリヤが見ている現実と似ているのではないか。