植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

今度の目標は日美 長寿の縁起のいい佳石は吉兆かも

2023年10月02日 | 篆刻
ワタシの師匠になっていただいたS先生によると、どんどん出品するなら次の篆刻応募のターゲットが、日本書道美術院の「日書美展」というものだそうです。11月初旬に締め切りで、なんでも出品料が22千円だとか。ネットで調べると、似たようなもので 「全国競書大会」というのも出てくるのですが、子供たちも出品出来て、鑑別料として 1点につき 660円(税込)だそうです。
ワタシが応募予定のものは「日書展」という別物らしく、 審査料は篆刻部は、第一科・第二科ともに、11,000円(税込) となっています。日展が12千円なので、これに次ぐ出品料ですね。S先生によると、これ以外にいろいろ経費などがかかるらしく22千円位かな、と連絡が来ました。

いずれにしても高いので、勿体ないかな、という先生のお話ではありましたが、これも勉強料、向こう1年は、出せる公募展には片端から出して、果たしてワタシの実力・現在地がどこらへんにあるのか、少しは評価されるのかということに向かい合おうと考えているのです。

大東文化大・日展と7月から約3か月気合と緊張感の中で作品作りに没頭し、ようやく一区切りとなったのでここ10日ほど息抜きをしておりました。
少し秋らしくなったので畑仕事などに精を出して、昨日やっと冬野菜を植えました。こうみえても雑事・野暮用・諸々と忙しいのであります。


そして、ひと月の余裕があるので、一つ彫りました。これは作品として、というより小手調べであります。ウオームアップして、気持ちが充実してきたら、渾身の気合をもって印稿を作り、2,3個は試作しようと思います。
この印はくどいようですが、肩慣らしなので、出来栄えは二の次であります。実際、彫っているうち3,4か所は刃が滑って、ミスっております。とうてい1万円以上の出品料には見合いません。

いくつか、印稿を書いて、S先生と連絡しながら、良さそうなものに取り組む、というところで良かろうと思います。

さて、それはそうとして、ここで2個の印材(篆刻済)をヤフオクで落札しました。このところ2,3日に一つ程度しか落札できません。どんどん入札金額がエスカレートするので、付き合っていたらいくらお金を失うかたまったものではありません。
そうなると、さほど素晴らしい魅力的なものが入手できるはずもありません。今回の落札物は、一つが「藍川」先生の側款がある「昌化鶏血」と、石の種類不明の龍紐(持ち手の飾り彫)のある印材であります。
藍川先生の印ならば、小さいもので1万円前後、作品として出品している大型印だと、ヤフオクでは平均6,7万円で落札されています。本物かどうかは判然としませんが「昭和辛酉三月」とあるので昭和56年に制作したものです。本物なら中島先生は2018年に89歳で他界された篆刻界の重鎮でしたが、52歳ころの脂がのった時期の作でしょう。このところ、複数の業者さんから作品用の大型印が多数出回っているのは、恐らく遺族の方が遺品整理に出されているのだと思います。これが、5千円で落札できたのは、とてもラッキーと言えます。たとえ偽物でも「鶏血石」の自然石形、透明感のある乳白色の地石も美しい佳石だと思います。

もう一つは、わずか1,300円で落札したこの石。
手にした感覚がとてもいいのであります。いい石、歴史があって大事に扱われてきた雰囲気があります。持った瞬間「あぁこの石は良いな」と直感しました。
石の種類は、善伯洞か巴林石にも見えますが 、はっきりしているのは時代がとても古いということです。表面の飾り彫は、着色したのではなくて、積年の墨や汚れがこびりついてできたものです。また、彫ってある「長寿印佶」(多分)の文字は印泥(印肉)が溝を埋めて固くびっしり詰まっていました。これだけに朱が石のようにこびりついているのを見たのは初めてでした。
そこを丁寧に剥がして押捺したのが、これであります。↓
商用に使ったか、あるいは書道に用いたかはわかりませんが、100年以上前からずっと使って印を捺し続けて来たのに相違ないのです。長寿を願っていたのでようか。側款もなく無名の人が彫ったか、あるいはこれを彫った方がずっと自用印として使ったかでしょう。どんな人がどんな思いでこの印を彫り、使用し、次世代に継がれてきたのか、そんなことに思いをはせるのです。
石の種類は今はもう見ることも無く、諸先生の専門書にもほとんど記述が無い「凍油石」かもしれません。
これは「中国印石図譜」という図鑑に載っている石であります。もし、そうだとしたら大珍品と言えます。

なにか、いい兆しが見えてきましたよ(笑)。頑張れば入選するかも・・・・


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