植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

新婚夫婦用の姓名印が出来た

2024年12月20日 | 篆刻
一昨日、驚異の閲覧者増加で、UUが千人超えになりましたが、やはり予想通り、元に戻ってしまいました。昨日のUUは383名でブログの順位も328→2925位と下がっています。そうするとハッシュタグやキーワードが世の中のニーズに偶然合致したと言うのは間違いですね。もし、そうなら一日限定では無くて何日かは続くはずですもの。

まぁ、何かのはずみと言うか、想像できない何かが起きたという事で、これ以上追及するのはよそうと思います。

さて本日のお題は篆刻であります。病気やら忙しさにかまけてこの1年ほとんど篆刻刀を持つことがありませんでした。一度獲得した技術やノウハウが1年のブランクで失われたり後退することは少なかろうと思いますが、腕が錆びつくのは想像に難くありません。

今回高校生時代の同級生で、以前姓名印を彫って上げた友人から、後輩の結婚にあたってペアの印をプレゼントしたいという理由でワタシに依頼が来ました。その後輩と言うのはなかなかすごい経歴で、将来は政治家になるのだそうです。
 さすがに1年のブランクがあるので「受けられない」とは言えません。来年の2月が結婚式と言うので、二月ほど作成期間の余裕を貰って彫り始めたのです。案の定腕がなまっていることや予想以上に石が硬かったことから思うように彫れませんでした。石の種類は青田石の一種か。


やはり、原則として文字の太さを統一し滑らかさが基調にならなければなりません。数日かけてほったものの、これは人には見せられない。それで一から別の石を使って彫りなおしました。

それで仕上がったものがこれです。
これならなんとか人に渡せるレベルになりました。石の種類は杜陵坑か馬肉紅と思われます。
これに印譜を添え、専用の布箱に収納して渡します。さて、そこで問題なのです。全く赤の他人から「有償で印を彫って欲しい」と言われたものの、幾らにするかなどという下世話な話はしておりません。

実費で言うなら、石代はおそらく専門店で買えば最低でも3~5千円位にはなるでしょう。持ち手側の飾り彫=紐がある石印材は、それだけの手間と時間がかかるものですから、質の悪い安物の石は彫りません。手が加わっていない直方体の石がすでに千円以上はするのです。

石選びができたらこれを印として彫るには、①字典から文字を拾い、篆書体の下絵を描く。②石に逆字で下書きする ③文字を彫る ④仕上げて銘を入れるという手順になります。これで順調にいけば丸一日、気持ちが乗らないとかミスする、彫りなおすなどの時間がかかるとヘタをすると1週間くらいかかります。内職と違って時給はナンボ?の世界ではありませんからどれだけ日時を要したかは値段に比例しないのです。

因みに7年前、ワタシが書道に取り組んでいた頃、印章店で24ミリ角「姓名印」を注文しました。箱入り紐つきで、3万円でありました。

さて、そのワタシの彫った印を、明日依頼主が取りに来ます。あぁ一本幾らにしたものか、悩ましいのです。

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