植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

不慮の死 自殺 冤罪 どうしたら無くせるのか?

2023年07月20日 | 時事
人の命が、最近ますます軽く儚いものになってきたと思います。

ご近所でも天命を全うせず、ご自身であの世に旅立つ人が出ました。これは、最終的には自分の判断でやむに已まれぬ事情があったと納得するしかないのでしょう。

しかし、死ぬつもりもなく心の準備もないまま突然命を絶たれる、というのは本人も周りの親族もさぞや心残りで気の毒な事であろうと思います。

一つには天災・災害。先日の九州の豪雨で車に乗って逃げられなくなったり、川のそばの濁流で家を流されたりして命を落とした方が数人いらっしゃいました。
海水浴で流された子供二人を助けようとした父親が溺れ、その体にしがみついていた子供たちが助かりました。お父さんは自分の命と引き換えに、子供たちを救ったのです。

例えば熱中症。毎年平均で千人以上が亡くなっています。先のお祭りで古老が言うには、「おれらが子供の頃、こんなに暑いことはなかったよなぁ」。昭和のころまで気温が30度を超えることなど少なかったのです。それなのに、町内会でもお祭りの主催団体でも、数十年も前からのやり方を見直そうとしません。

また、イベントで高圧のホースが直撃して死亡。富士山登山で滑落死。博多祇園山笠にひかれて死亡
川に流され海にはまり山で遭難。誰もが死ぬつもりもなかったのに、ちょっとした運命のいたずらで生涯を突然終えることになります。リスクを考えたら「君子危うきに近寄らず」で危ないことや危ない場所を避けるのが賢明というものでしょう。

ワタシは思うのです。いずれ誰でも一度だけ死ぬ。その長さも死に方も人それぞれ。親族に看取られて老衰で大往生もいれば、生後間もなく病気になるみどりこもいます。しかし、やはり、それまでの自分の生涯に満足し、死ぬ覚悟が出来たうえで安らかに最期を迎えたいというのが理想でありましょう。

ホテルで首を切られて死んだ人など、殺人事件に巻き込まれて命を落とす人もいます。7/18は4年前、京都アニメーション放火殺人事件があり、36名の全く無辜の命が焼かれて亡くなりました 。犯人の父親は、タクシー運転手で業務中に死亡事故を起こし自殺と不幸な子供だった犯人の裁判の判決は来年だそうです。精神鑑定次第では死刑にならずに済むかもしれません。だとしたら紅蓮の灼熱地獄に焼かれて亡くなった、罪なき人たちは浮かばれません。

殺人といえば、もっとも有名な「冤罪事件 袴田事件」であります。醤油の工場を経営する専務一家4人が殺害された強盗殺人事件で逮捕された袴田さんは、死刑判決を受けた後、無罪・冤罪を主張し幾度も再審請求をして何度も棄却・抗告・再審取り消しを繰り返しました。その間、死刑の執行は停止され、はや57年が経過したのです。そして今年、東京高裁は静岡地裁の再審開始決定を支持する決定を出し、東京高検がそれに対する特別抗告を断念した。という流れになりました。争点である唯一の証拠「ずいぶん後で見つかった味噌タンク内の着衣」が、警察側がでっち上げた他人の衣服であった、ということを裁判所が推認したのです。当時の袴田さんには穿けない細いズボンで、袴田さんのDNAも検出されませんでした。

従業員だった袴田さんが元々プロボクサーで、体格が良く柔道の有段者だった被害者に立ち向かえる人物と目をつけられたと聞きます。犯行の4日後には拘束されています。頑強に犯行を否認したようですが、物証もないままに逮捕され自供を強制された(警察が自供したと公表した)のでしょう。この時点で、警察は、袴田さんがやったかどうかをきちんと調べ、また本当の犯人を捜査する機会も意図も失ったのです。

ところが、検察側は、その証拠が本物であると立証すると言い出しました。裁判所が証拠として不十分というなら、十分な証拠だと屁理屈をつけようというわけです。昔から「理屈と膏薬はどこへでもつく」と言いますな。 これは捏造して作り上げた犯行直後からの捜査機関を擁護し、あくまで検察も裁判も正当であったということにしたいのです。もし、冤罪が確定したら、その先には、国家を相手に巨額の賠償請求訴訟が待っていますからね。

裁判用に提出された、検察の資料は絶対有罪という結果から逆算して作成する「調書」が、担当者の、あたかもそうだったように見せ掛ける作文によるものだ、という事が発覚したことがありました。それは、かつて冤罪事件で有罪を受けた「村木厚子元局長」の件でも明らかで、この時は検察側が全面敗訴し、関係者が処分されました。

懲りていないのです。日本で最も頭がいいエリートを自認する人種です。自分たちが間違えるはずがない、だからかつての判決に関わった検察側の人たちも間違っていない、というプライドだけで人の人生をたやすく蹂躙するのであります。ワタシ達が知らないだけで、捏造されている事件は実はいっぱいあるのではないか、と思いますね。実際、戦後の有名な「冤罪事件」だけで20件位あるのです。これは構造的な問題と言って差し支えないのです。

死刑執行の恐怖の中で57年間拘禁されていた袴田さんは、87歳になったそうです。もう日本男性の平均寿命を上回っています。検察や司法機関がこれまで、袴田さんの死刑を執行できずに、ここまで永らえさせた、それこそがこの事件が冤罪・捏造で、彼が無罪であったという最も確実な状況「証拠」に思いますね。
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偽物にご用心 田黄石は半分本物カナ?

2023年07月19日 | 篆刻
世の中は偽物と本物のどちらかで出来ております。

昨日ワタシが留守をして仕事場で篆刻をしたり、印材の整理(というより、混ぜて散らかしている)をしている時間に、母屋の家電に「平塚市役所」から電話があったそうです。
電話に出た家内によると
・保健課の「高橋」と名乗る若い男の声
・以前送付した書類の返信が無いので、どうなっているのでしょう?との問い合わせ
・緊急連絡先(携帯電話番号)を教えて
などと言い、向こうの指定する電話番号に連絡するよう依頼したそうです。

不審に思って、市役所の代表電話に電話して確認を取ると、保険課には高橋という人物はおらず、「還付金詐欺」で同様の事例が起きているということでした。真っ赤な偽物で、個人の電話番号や名前を聞き出すという典型的な詐欺電話でありました。警察には家内からこれこれの偽電話がありました、と連絡したそうですが、警察ではこの手の話が毎日でうんざりの様子であったとか。

昨日の朝は、実は警察官2名お隣を訪問していて、こちらは本物でした。どうやらお隣で、不審死かなにかがあって調書を作成のために来ていたようですが、個人情報ゆえ詳しいことはっきりしたことは教えてくれなかったのです。

さて、ワタシは印材など篆刻用品を中心にヤフオクでいろんなものを落札しております。だいたい1週間で2、3件というところでしょうか。ヤフオクは経験的に偽物と本物が交錯し混在し、悪意と善意のはざまでリスクを承知で入札するのです。先日届いた印材まとめて12本は、印箱付きで8千円で落札しました。布製の印箱はだいたい一個4~500円です。これにそれなりの未刻印が付いているのでまぁ相場というところでしょう。一個だけ箱に入ってない鶏血石ぽい印が混じっていたのです。写真を見る限り明らかな作り物でしたが、これを数のうちに入れなくても損はしない、と思いました。

で、届いたものはやっぱり偽物(笑)、普通の寿山石に赤い塗料を塗りつけたもので、鶏血などと言える代物ではありません。ネット上でも鶏血は偽物・類似品が多いことで知られています。赤い角のところを削ると中は地の色になっています。


それはともかく、数日前に、珍しく一晩で3件の落札が実現しました。例によって9時過ぎには布団に入ります。ヤフオクがヒートアップして入札期限を過ぎて分刻みで高値更新する「勝負」の時間帯にはスマホを観ないのです。寝る前にそれなりの金額を入れて、そこを上回る入札があったらジエンド、という風に考えて無駄な競争に巻き込まれないようにしているのです。実際、吊り上げ行為と思われる入札も散見し、むきになって入札していると思いもよらぬ高値でつかまされる心配もあります。

なのでほとんどの出品には落札に至らず、朝を迎えるのですが、その日だけはワタシの入札額を上回る金額が入らなかったのです。
その落札品は以下の通りです。
①大観印泥(未使用)「珍品」2両装(60g) 10,000円
②田黄石彫刻印材2点            10,750円
③石印材纏め売り(約50本)         4,400円

①は国内で唯一と言っていい国産印泥の高級品「大観印泥」で、珍品というのは、高級なものから「貢品」「珍品」「精品」以下箭鏃(せんぞく)、 美麗、 光明の順で2番目に高い高品質のもので、定価が27,500円なのです。印泥コレクターでもあるワタシは、この大観印泥だけは持っていなかったので、定価の1/3に近い1万円は安い投資でありました。

②の「田黄」は、正直なところ「嘘っぽい」大きな石と、小さな小さな石の二つセットで、前者は大きさから言って、もし田黄ならば、最低でも5~6万円でもおかしくないサイズでした。田黄石にしてはやや色が暗いのと、印面に「福寿」という飾り文字(逆さ文字ではない)があるのが気になりましたが、人造石では無かろうと感じたのです。

小さな方は10gに満たない石ですが、こちらは小さいなりに色つやが良く、薄意(表面の浮彫)も田黄石に共通する特徴がありました。まぁ、これは誰かが落とすだろう、と気にも留めず、12千円位の札を入れて就寝したのです。ところが、起きたら「おめでとうございます!」とメッセージがありました。
小さな欠片の石が本物の田黄としても、せいぜい3~5千円でしょうか。すると大きいほうが(今までも再三騙された)偽物・人工石ならば8千円ほどの損になりますね。

最高級の田黄ならば、金と同じ価格で取引されたと言います。現在の金は1gで約9500円。10gの最高レベルの田黄は10万円という計算になりますね。

そして、昨日現物が届きました。プチプチにざっとくるまれた様子や、手に取った瞬間の印象からは「うわ、またやられたか」と思ったのです。しかし、よく手に取ってみるとずっしりと重いのです。ありゃ、これは本物の石ぽい、と思って迷わず印の底に篆刻刀で削りました。樹脂製ならば、削りカスはつながって薄く丸まります。火をつけると燃えます。ところがこれは、普通のさらさらの石粉が出てくるのです。さらに、かるく1000番の細かいサンドペーパーでこすって、セーム皮で磨いてみました。独特の艶がでて間違いなく自然石でありました。重さをはかると200g、小さな田黄は6gでした。


恐らく、正統な田黄石ではなく、その母岩の一つと言われる杜陵坑の凍石の一種「黄杜陵」ではなかろうかと思います。専門家でも田黄と誤認するものも多く、近年の輸入印材では「田黄」という名目で売られていたといいます。つまり田黄石かは判然としないが、本物の自然石の佳品でありました。杜陵坑は別に「都霊坑」ともいわれる山坑で、「高山」「坑頭」と並んで優材・良石を産出するので有名であります。
小林徳太郎先生著の「石印材」には「だいたいは褐黄色微透明で罅裂(せきれ=ひびわれ)多く白点・砂店を含む堅めの石」という記述があります。しかし、中には田黄を凌ぐほどの通霊純浄のものもあり、上質なものは亜半透明でしっとりとうるおい、いかなる細刻にも適する絶妙の石とされています。
白点とひび割れがありますね。間違いありません。しかも少し刃を入れた感触はいかにも彫りやすく砂など入っていません。
ではこれはいかほどの価値になるか?・・それは大した問題ではありません。人に売りつけるでなし。自分の石印材の鑑定のスキルが上がり、自分のコレクションが増え、たまに手に取って愛玩掌玩する楽しみが増えただけで満足でありましょう。
小さいほうの石はこれ。二つの石のうち下のものです。上の石はちょっと前に5千円ほどで入手した「田黄」であります。

いずれの石もはっきりとした「薄意」が施されていて「貴重・希少」な石として扱われていたことは明白なのです。田黄でなくても十分な美石で、納得の落札品でありました。

因みに田黄石の偽物・人造石はこれです。持った時やや軽く、古いものに似せている分汚らしいものであります。1円の価値もありませんが、これをネットに再流出させてはならない、がワタシの信念であります。

③はまだ届いておりません。50個も印材があれば、一つ一つ紙やプチプチで梱包するだけで手間と時間かかるでしょう。1個90円程度の落札価格なので、どんな石が来てもなんてことはありませんが、どれも実際に落款用に彫られ使用されていた印材達なので、「本物」の石印材であることは間違いないのです。
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日展出品はやはり泥縄式か(笑)

2023年07月18日 | 篆刻
日展に(無謀で身の程知らずで)出品することにして2週間経過しました。個人出品の搬入日が10月10日なので、まだ3か月ほどあるのです。これをまだ3か月もある、と考えるかあと三月しかない、と思うかでありますが、初めてのチャレンジになるワタシにとっては、間違いなく後者であります。「ともかく出品に値する程度」の作品をなんとか間に合わせようと、焦る気持ちは抑えきれません。そもそもが何かに出品しようという気になって半月であります。それで納期に間に合わせようというのだから泥縄式もいいところです。

そこでとる作戦は、確率問題として「数打てば当たる」であります。まず、とにかく、たくさん彫って腕を磨くうちにたまたまでもいい作品が出来るはずだ、と楽観的に考えております。20本ほど彫って、その中から師匠などに見てもらって、一番評価が良かったのを選ぼうと思います。
これは試作品No6です(勿論仕上げもできていない粗彫りですが)


また、お金さえ出せば何点でも出品できるのですが、12千円の出品料に加えて、作品を額装するための額(パネル)が出品の数だけかかります。ワタシの場合は、どうせかすりもしない(入選など烏滸がましい)ものですから、1点だけ出品すれば当初の目的、つまり「日展に出品した(挑戦した)」という事実は達成できます。しかし、確率的には、仮に5%の入選率としたら、2点出せば10%になるという計算になります(笑)。くじ引きではないので、実際は幾つ出しても大差ありませんがね。

ヤフオクでも印を蒐集する時に、目利きである・お金に余裕があることがままならない場合、やはり確率に頼るしかないのです。「印材まとめて」とあるもので、割合良さそうな石が混じっている・篆刻家さんが制作したものがあるといった出品物なら、10個や20個内外の石には、値打ちものの良材が占める確率が高いのです。

そして、今一番悩ましいのが印材調達である、という問題にぶつかりました。ワタシはヤフオクで全く際限もなく印材を集めてまいりましたが、篆刻印としてニーズがある一辺2㎝角前後の印がほとんどであります。展覧会の事務局に確認したところ、印の大きさや形には制約がなく、ただ29×39㎝の額装・アクリル板(ガラス不可)に限定、一点当たり最大4顆まで押印出来るとの回答でした。しかし現実的には、最低でも4㎝、大きいものでは7~8㎝が主体のようです。篆刻の技術や芸術性を競うものなので、拡大してみなければ字が読めないような1~2㎝程度の印は相手にされないのですね。
なので下の写真のように6cm内外の大型印に彫っております。

数を多く彫って、その中から良さそうなものを1点か2点出品しようと考えたのですが、手持ちで大型印はそうそうは無いのです。正確には数はそこそこある(20個位)が、すでに彫られているので、①印面を潰して平らに磨く必要がある ②高さのある石ならば「糸鋸」で2㎝くらいにスライスする ③彫られている石の上部や側面を利用する、といった対処が必要になります。

いずれもなかなかの作業になります。大型の石に深く彫られたところが消えるまでまっ平にするのは「サンドペーパー」で力いっぱいやっても、時間と手間がかかります。電動のグラインダーを併用していますがこれは飛散する粉塵が体に悪い。

ではネットで篆刻用印材を買うか、と考えますね。実用品としての印材は基本的には大きさ(重量)に比例いたします。例えば普及品の青田石、2㎝角だと300円位ですが、高さを同じとしても6cm角ならば9倍の大きさになりますから、お値段も2,700円という計算になりますね。なかなかお高いのです。実際ネット検索したら、6,7cmの青田石だと3㎝ほどに薄くスライスされたものが最低でも3千円くらいであります。もし、やみくもに20個彫ったら、6万円!!!、これは無理ですね。
こうなると困った時のヤフオク頼みであります。ヤフオクにはたくさんの大型印が出回っています。ピンは「中島藍川」先生などの各種展覧会への出品印で、これは数万円で落札されていますが、それを潰して下手な印を彫るなどは問題外、愚挙ですね。なので「キリ」の、他の名もない人たちがワタシと同じように何かの展覧会・作品展用に彫ったものをまとめてか、未刻未使用品を落札する、というのが現実的です。実際はそうした石も上下彫られているのも多いのです。考えることは一緒ですね。

まだ、3か月(笑)時間はあるのです。いささか泥縄式ではありますが、定期的にヤフオクをチェックし、大型印をまとめて出品されているのを見つけて落札できれば、と思います。目安は1本千円かそこらですね。それまでは、今ある石の側面を利用して彫る、背の高い石を薄切りできないかやってみよう、と思います。電動のこぎりを買うか、いやいや、だったらヤフオクで中古品の電気鋸が安く買えるか?などと、本来の篆刻とはどんどん離れていきます。日展に出品するのは、印材を揃えるだけでも一苦労、大変な出費となります。そういう意味でもえらく大変なことなのであります。

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祭りが終わって日が暮れて

2023年07月17日 | 雑感
今日でお片付けが済めば、今年のお祭りが終わりになります。平塚の南地区では例大祭「須賀のまつり」 と呼ばれて、フィナーレは海岸まで繰り出して海に入る「浜降り」であります。

全国でもこの時期はあちこちで例大祭などが行われます。京都の祇園祭や博多のどんたく、ふるさと大分のお祭り「若宮さま」(など知り合いの方からいくつか写真が遅れれてきました。

開催まで何度も近所の祠のある集会所に集まって、お酒を飲むのが目的のように飲みながら準備をし、先週から本格的にお祭りの支度を始めました。
金曜日に紙垂張りと紅白の縄をない、神酒所にテントを張って寄付金の紙を張り出すボードを設けました。そして土曜日から本番でした。神社から子供神輿を持ってきて、町内の子供たちに担がせますがf、なにせ少子化で子供が減る一方なのです。結局はお祭りの町内の主催である評議員達が加勢しないと持ち上がりません。

土曜日は時折小雨がぱらつき、過ごしやすかったのです。お祭りの参加者は大きくは二通りで、子供の頃から神輿が大好き、担ぎたくてうずうずしているグループと、まちぐるみのお祭りなので「これも付き合い」と手伝いに入る人たちであります。ワタシはもはや地元の「体の自由が利く」年寄りとして、知らん顔は出来ない一通りは参加しようか、という立場です。なので、裏方仕事やら動画を取ったりで、本神輿にも子供神輿にも沿って行くことはありません。まして担ぐ(肩を入れるといいますね)などご勘弁なのです。重くて角がある
担ぎ棒は痛くて無理であります。最近は一部軽量化の動きや、担ぎ棒を丸木に変えているとも聞きます。

で、昨日は、一転して朝からピーカン、晴天で猛烈な「災害級」の暑さでありました。神酒所で日陰に居ても暑い、子供神輿の立ち寄り先にホースで水播きしても暑い、お神輿の写真を撮りにチャリで移動しても暑い・・・・
勿論子供たちや連れ添う評議員・保護者達には十分水分補給と休息を入れるように伝えていますが、こちらも滝の汗💦なので水分をとらなければなりません。クーラーボックスには「ビール・サイダー・ジュース・天然水」がありますが、甘いものは控えているし、ただ水を飲むだけではつまりません。缶ビールは最初の一口は美味しいけれど、すぐにぬるまってしまうので、もったいないから全部飲めば、アルコールでさらに体が熱くなり喉も乾きます。

しかし、今回は特別にご近所の酒屋さんが本格的な「生ビールサーバー」をサービスしてくれたのです。神酒所に居るので、これを喉が渇くたんびに紙コップで「つまみ飲み」しておりました。冷え冷えで美味しいこと!!


お昼は当家の庭先が、毎年休憩所になります。昔先代が建設関係の会社をやっていたせいで倉庫があって、軒先が日陰になるのでもってこいなのです。ここに三回も散水しました。うちはもともと田舎の家で古民家に近い築60年過ぎ、庭の水は「井戸水」ですから、なかなか冷たいのです。

ここで頂いた「缶酎ハイ」じゃなくて「サントリープレミアムハイボール〈白州〉」が効きました。350ml缶 で600円もするのだそうです。
ご近所さんが苦労して入手したらしいです。転売ヤーがいるくらい人気で品薄なのだとか。普段微アルコールのビールで満足しているワタシが、炎天下にこれを全部飲んだら目が回るくらい熱くなりました(笑)
軽くお昼を食べたら、もう動けなくなって1時間くらい冷房を利かした部屋で仮眠いたしました。恐らく「軽い日射病」になっていたのでしょう。朝5時からほとんど外にいて動き回って、しかも水分補給にビールとハイボールですからまともに水分補給できていませんね。

夕方4時から浜に出て「浜降り」でしたが、すでにワタシはシャワーして自宅で休養するしかありませんでした。風が強く波が高くて危なかったそうです。日が暮れてもちっとも暑さが収まりませんでしたね。

さて、これでこれから半日片づけ仕事が待っています。早く終わってくれないと身が持ちません。これがすまないと、自分の生活が戻って来ません。
畑の雑草も伸び放題、メダカプールも水替えも待っているし、篆刻も三日間休んでしまいました。

吉田拓郎さんの歌を思い出しました。
「祭りの後の淋しさは、いやでもやってくるのなら・・・
・・・人を恨むも恥ずかしく 人を褒めるも恥ずかしく」
祭りの後は、寂しくはありません、ほっとしてむしろうれしいくらいであります。


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青田刈りならぬ 青田石漁り

2023年07月16日 | 篆刻
印材のお話です。

篆刻に用いる石印材の99%以上が中国で採石されておりました。ある方の表現を借りれば、これだけ大きな地球上で、中国のわずか4か所の山(や地域)でしか採れないというのはある意味奇跡的なのだそうです。

その産地で大きく分類すると「寿山石(福建省)」「昌化石(浙江省)」「青田石(浙江省)」「パリン石(内蒙古)」となります。

ここまでワタシのブログは主に「田黄」「芙蓉石」「鶏血石」の印材三宝を紹介してきました。しかし、実は圧倒的に実用として用いられた石は「青田石」であります。日本の印人の多くが、古い時代の「古青田」が一番彫りやすいという評価をしています。あの高級印材で非常に高価な田黄の彫り心地と遜色ないと述べておられるのです。

そこで、本日は地味ながら、篆刻には最も一般的で大量に使われている青田石のご紹介であります。
その定義・特徴から説明いたしましょう
・産地 浙江省麗水市青田県にある丘陵地帯にあり、図書洞という山坑から採石される。
・ほとんどの石の色は、単調で薄茶や乳白色を混ぜたような薄緑色。これを総称して青い石と表現する。見た目は抹茶羊羹といったところでしょうか
・透明性は低いものが多く微透明が大半である。
・時代は古く、篆刻を石に刻むようになった1500年頃に、青田の鉱脈から発見された「燈光凍」・「魚脳凍」 という希少石が有名になり乱掘されたが、その材質の良悪の差が激しい。

現在は、その乱掘により良石は姿を消し、ほとんど良材の青田石の脈が尽きた、と言われております。今「図書石」と呼ばれる密度が荒く雑味のある安い石がほとんどになりました。ホームセンターなどに100円単位で売られる練習用の青田石はこの手で、磨いても艶が出ない、引っ掛かりがある・もろいといった質の悪い安物です。見た目も美しくありません。一説によると、中国一帯一路戦略の一つが、アフリカに青田に似た石の鉱脈を見つけ、これを確保するためと言われています。実際、すでに中国の印材屋さんで「青田石」はアフリカ産と公表している店もあるそうです。

安い印材(新青田)は、見た目でわかりますね。ツヤ感がなく透明度が低く白っぽいものです。下のはほとんどが「図書石」であります。

そして、良材では古青田・彫りやすい程度のいいのがこちらであります
どこで判断・区別するかは①印材として小さめのものが多い ②片側(頭頂部)が丸く成形され磨かれている ③印面が正方形の印材より長方形が多い ④透明度があって見た目が美しい、といったところです。

青田石は、その外観と採れた場所で高級石には名前がついております。数百年前に青田石の鉱脈が発見されたころ、極め付きの美しい青田石が見つかって往時の中国人書家などが蒐集したのが「燈光凍」であり「魚脳凍」であります。このレベルはそんじょそころには見つからない博物館級なので、写真からしか紹介できません。

こういう石があったらしいのです。青田石の中でも最上とされ石質は細密で、彫りやすいそうです。
下のも専門誌に掲された醤油青田で、もともと赤みのあった石をさらに時間をかけて植物の汁で煮詰め手脂で磨いたとか言います。


そしてわたしがまんまとだまされた「燈光凍」がこれ。真っ赤な偽物樹脂製でありました。その顛末は一生の不覚なのでここでは伏せておきます

さて、世の中で出回る高級・希少石の青田石として分類されるのは以下のものです
・醤油青田 赤みを帯びて古色豊かな半透明のもの手磨によって醤油で煮しめたような色 
・封門青(石) 青田県の封門で産出された非常に得難い石。藍釘のない単色の青い石がいいとされています。 
・藍花青田 藍色が混じった石で、ほぼ全部が藍色のものは高価。色は青で、「蘭花点」がある。蘭花点には、藍色と紫色がある。 蘭花青田というのもあって紛らわしい。
・菜花青田 黄色味が強い透明度の高い石
・魚脳凍  青白色と淡灰青色。 薄い半透明の中に乳白色の線や文様が流れる
・艾葉青田 寿山石に幻と呼ばれる「艾葉緑」があって、これに似ているとされているが、艾葉緑さえほとんど専門家も見たことがないため、どんな石かは諸説ある。青みを帯びた透明度・純度が高い石だと想像される
 
これ以外に10通り以上の種別があるようですがいずれも現物・写真もないのでわかりません(´;ω;`)

そこでワタシのコレクションであります。
下の写真は「藍花青田」で、右の石には「藍色」の点(藍釘)が入っております。

左は大変美しい半透明の青田で、色合いから「菜花青田」と見ていますが、もしかしたら封門石かも、とちょっと期待しております。
右の石は「青田凍」という名前でヤフオクに出ていましたが、透明度が高い「凍石」は青田石では大変少ないのです。燈光凍や艾葉青田の流れをくむようなとても美しく、貴重なものであろうと思います。

これは、微透明で淡い斑紋の入る赤みを帯びた石です。一見寿山石の桃花凍にも見えるのですが。緻密にして温潤な風合いは青田石であろう、と考えております。

下のは藍花青田などですが、一番右のがお気に入り藍釘が真っ青でとても見事なのです。

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