ASIAの独り言

   

ノスタルジック '07

2007年04月23日 06時19分00秒 | 




サンドイッチにカラシは要らない。
おでんにも要らない。
お寿司にわさびも要らない。
ざるそばにも要らない。
冷やし中華に紅しょうがも要らない。
牛丼にも要らない。

子供か? 私。
あ、ホントに戻りたい。子供に。

甘酸っぱい恋は『さくらんぼの詩』
帰る夕暮れ『野いちごの小道』
(二つとも、味覚糖のキャンディね)

時々公園に来る、紙芝居のおっちゃん。
もう、紙芝居はやらなくなってたから、道具があるだけ。
薄っぺらいせんべいと水あめとカタヌキを売ってた。
駄菓子屋はないけど、そういうおっちゃんがいた。
せんべいにソースや梅ジャムを塗って、手をベトベトにして食べた。
水あめひとつで帰り道まで長~く楽しめた。

遠足で、クラスメートのM君が、
『きのこの山』を持ってきていた。
春、5月。山を歩きゃ汗ばみ、川のそばが涼しい季節。
お弁当のあと、M君が歌い始めた。
「♪きのこの、やまあは、たべざかり!」
よほど嬉しいんだろう、とても楽しみにしてたんだろう。
彼はハイテンションでリュックサックから取り出した。
みんな一つもらおうと群がった。モチノロン、私も。
彼は箱を開けた。ぺりぺり。
「あ!」
みんな覗き込んだ。モチノロン、私も。
「溶けてる……」
正確に言うと、気温の上昇で溶けたチョコが、
きのこのかさの形を失い、M君も自分を見失い、
茶色い溶岩と化して、箱中に広がってたということ。
さらに、昼食の場所が涼しかったので、
その状態のまま、チョコが固まり始めていた。
いや、ほぼ、固まっていた。
M君がつまんだクラッカーは、箱ごとチョコを持ち上げた。
「うわ、何や、これ……」
その、彼の姿がおかしかった。
みんな、大爆笑した。
箸が転んでも、立っても歩き出してもおかしい年頃だ。
遠足のテンションも足されて、笑いの導火線は短い。
でも、M君のテンションは少し下がってた。かわいそうに……

ああ、子供に戻りたい。