首の皮一枚
……と言うには、あまりに薄い可能性。
その薄さに絶望しちゃったら、
あとは深刻にうつむくしかない。
でも、私は、こういうときだからこそ、
応援する側にも、落ち着いた気持ちが必要だと思う。
可能性が1パーセントだろうが、80パーセントだろうが、
過剰に反応して感情的になることだけは避けたほうがいい。
もちろん、実際戦う側は、
可能性を表す数字によって、
やることや戦い方が変わるだろう。
でも、
高いからって、余裕を持ち過ぎれば油断につながるし、
低いからって、必死になり過ぎればヤケクソにつながる。
特に後者は、
「大切なのは気持ち」という言葉の乱発につながる。
この言葉の出る背景を考えると、
なるほどと思えなくもないけど、
手垢が付いて安っぽく聞こえてしまう感は否めない。
「気持ちが大切」なことは百も承知で、あえて書く。
私は、
「大切なのは、勝利に直結するプレー」だと思う。
(もちろん、現実的に考えれば、「勝利に直結するプレー」の多くは、
気持ちのこもったプレーの中から生まれるだろうとは思う)
でも極端に言えば、
たとえ偶然でも、誤審でもオウン・ゴールでもいい。
もっと極端に言えば、
調子の悪い選手のやる気の無いプレーでもいい。
それがゴールにつながるのならば。
気持ちの有る無しなんか、全く問わない。
変に「気持ち気持ち」って、意識し過ぎて、
不必要にプレッシャーかけ続けて固くなるくらいなら、
リラックスして、ちょうどいいくらいの興奮状態で戦ってほしい。
間違っても、
戦う姿勢や態度なんかだけで感動させないでほしい。
(こうは書いてても、絶対感動してしまうから……)
「勝って、決勝トーナメントに出場する」
という結果(本来なら途中経過)でこそ、喜ばせてほしい。
要は、勝負事である限り、
勝つことだけに価値がある、くらいの覚悟で、
大量得点で勝ち点3をもぎとってほしい。
発明王エジソンが、こんな言葉を残している。
「ほとんどすべての人は、
もうこれ以上アイデアを考えるのは不可能だというところまで行きつき、
そこでやる気をなくしてしまう。いよいよこれからだというのに・・・」
……他の国じゃありえないゲームでの勝利を発明してくださいな、ジーコ・ジャパン!