政府は、中東海域での日本関係船舶の安全確保に向けた情報収集態勢強化を目的として、海上自衛隊の独自派遣を閣議決定した。
防衛省設置法の「調査・研究」を法的根拠に、P3C哨戒機や護衛艦「たかなみ」を2月に派遣する。
第一の問題点
我が国のエネルギーの主要な部分を占める原油がこの地域を通過するわけだから、この海域の安全をいかに守るかということは大切なことだ。
そのために必要なことは、我が国としてどのようなスタンスでこの海域の安全を守るのかを国会でしっかり議論することだ。
ところが国会の閉会中にこそこそと閣議決定して中東に自衛隊を派遣するという。
明らかに国民無視の独善的スタイルだ。
第2の問題点
この海域を通過する日本関係船舶の安全確保が本来の目的である。
しかるに「調査・研究」とはどういうことか?
安倍政権得意の「やっているふり作戦」だ。
この場合武器使用は「正当防衛」「緊急避難」に限られる。これではわが身を守るので精一杯であろう。
第3の問題点
武器による実力行使が必要な場合になったら、自衛隊法の「海上警備行動」に切り替えるという。
しかしこの判断は誰がするのか?現場の隊員しかリアルな判断は出来ないし,しかも緊急を要するはずだ。
ということは事態発生して何か問題が起きれば現場の自衛隊員が責任をとれということだ。
上層部が責任を取らないというこの国の宿痾(しゅくあ)は70年以上たっても治らないのか!
第4の問題点
そもそもこの中東海域が緊張を高めたのは、トランプ大統領が一方的にイラン核合意離脱を表明したことに始まる。
安倍首相がトランプとまともに話せる?唯一のリーダーというのであれば説得すべきはトランプだ。
しかしそれは無理だろう。
トランプは腹の底では安倍晋三を馬鹿にしているはずだ。
それが証拠にアメリカの日本大使は現在空席だ。こんな馬鹿気た話があるだろうか。
使いやすい持ち駒のつもりだ。さだめし「桂馬」ぐらいか。
第5の問題点
今回自衛隊が派遣されても頻繁に日本の船舶が通過するホルムズ海峡は含まれず、一体何のために派遣するのだという声が自衛隊幹部から上がっているという。
しかも今後1年間で40億円とも50億円とも言われる費用が発生する。バカな話である。社会保障に回せるだろう。
国民に誠実な説明もせずに、火事場泥棒のようにこそこそと暗闇に紛れて、自衛隊を派遣するような手法は取るべきではあるまい。