東京工大教授中島岳志によれば、岸田文雄の人物像を探った時に大いに困ったという。
それは言動にしっかりした軸が無く何を実現したいのかわからない。
「ブレることだけはブレない」というのが中島が下した岸田評だ。
安部・菅のアクの強い路線に辟易していた国民は、最初は好意的に受け止めた。
しかしここにきて余りの「ブレように」にすっかり見放してしまったようだ。
27日の参院予算委員会で、看板政策の「防衛力強化」、「少子化対策」の財源のあいまいさが浮き彫りになった。
防衛力整備計画で言えば、このところの円安で装備品が軒並み2~3倍になっている。
立憲の辻元議員が鋭く突っ込む。
「(43兆円の範囲内で)装備品を減らすか、全部買うんだったら増税するか。どっちかしかない」
首相は「防衛力整備の効率化、合理化を徹底する」と答えたが、形容詞の多い国語表現では無理だ。どこかで破綻する。
「異次元の少子化対策3.5兆円」の財源を問われて、「年末までに財源規模を確定しお示しする」とまたも先送り。
若し無理やり財源をひねり出すとしたら、子育て世帯以外の税金や社会保険料を上げざるを得ない。
本来このような予算規模の大きな政策を両方追い求めるのは無理がある。
一兎もまともに追えないのに二兎も追おうとしている。
政権維持のために防衛費増加をネタで「タカ派」に接近した。
しかし、アメリカの顔色を窺って「LGBT法案」を通したので、「タカ派」をすっかり敵に回してしまった。
そして「瓢箪から駒」の様にタカ派の支持を集める「百田新党」が出現した。
与党議員が恐れているのは、野党の分裂状態が与党にも生じることだという。