Ring-A-Ding 日々ロック,R&B,そしてゴスペル〜💋

おばちゃんがココロに浮かぶ由無し事を、気ままにつぶやく。ロックな時間。

夏の着物 其の3

2023-08-29 10:44:00 | その他
夏の着物と言えば浴衣。或いは綿や麻などの単物。紗とか絽など透けた素材、化繊の洗える着物なんていうのもある。
夏着物と言えば7、8月と、決まっているそうだが、昨今の陽気では、7、8月に着物を着る気になるなんて、あっぱれ!としか言いようがない。
お盆休みの猛暑日、炎天下、日傘をさして歩く涼しげな着物姿の二人連れを見たが、見た目は確かに涼しげ…素敵だけど…「暑っついだろうなぁ」とは思う。さすがに、30°を超えるとどんな着物でも暑い!

UNIQLOのカットソーのワンピの私は思わず振り向いて見送った。



こう温暖化が進んだ日本では、7、8月だけなんていってたら夏着物を着る機会なんて無い。私は冬場だって着物を着付ける時は冷房かけてるくらいだから。
前回紹介した山崎陽子さんの著書でも、「もう、5月、9月の真夏日も珍しくなく…もう(まだ)浴衣で良いのでは?」と記されている。決まり事にうるさくいう人が居るから着物が着られなくなっていくんだよね。


むかーし(70年代あたりの)のドラマ(「肝っ玉母さん」とか「ありがとう」とか)なんかには、日常を着物で過ごす…近所のお姉さんとかお母さんとかが出てくる。実際、ウチのおばあちゃんも日常生活は着物だった。洋服なんて無かったね。夏は「アッパッパ」というムームー(コレも死語?!要するにストンとしたノースリーブのワンピみたいなものよ)みたいなのを着ていた。

要するに「男はつらいよ」のとらやのおばちゃんみたいなものだ。昔はそんな人がいっぱい居た。
そういえば、今もやってるアニメの「サザエさん」では、お母さんのフネさんは何時も着物だね。波平さんも会社から帰ると着物に着替えてる。あれ、子供達なんかどういう感覚でみんな見てるのだろう?不思議〜?



だいたい着物を着てどこ行くの?という問題がある。ほんとに普段着の着物でも「着物」というだけで周りから「どーしたの?」という目で見られる。
たまには着物だっていいじゃん?と思うのだけど「特別な衣装」と思うのかな?
若い子は「えっ?美容院できつけてきたんですか?」なんて聞く。

なかなか着物を着るチャンスが無いので、ちょっとした食事会や飲み会、観劇、コンサートなど外せない。何を着ていくか?帯揚げの色、帯締めはどれ?襟は?…考えるだけで楽しみだ(自己満足)。
洋服ではこうはいかないね。だいたい60過ぎて、スタイルがもう洋服向きでは無くなってる。萌えない。

しかし、日本の温暖化がこう進んでくると1年のほとんどは単物か浴衣で良いのではないかとすら思う。家で洗えてコストもかからない。気取らず、みんなから浮かずにとけ込める。
私は思う。例えば歌舞伎座なんかも「夏は浴衣で!」なんていうイベントやったらいいんじゃないかと思う。歌舞伎観に行くのは着物を着る絶好の機会なのだが、歌舞伎座は着物だったら「正装」で観にいかなきゃいけない…と思い込んでる人も居るみたいで、「恥ずかし〜私、普段着で観に行っちゃって」なんて言う人が居た。
いいんじゃない〜?だって庶民の遊び・楽しみだし、洋服の人なんてみんなテキトーな恰好で来てるじゃないの!なんで着物だと「正装」なのよ?!
そうは思えども…歌舞伎座に浴衣で行くのはちょっと気が引ける。もちろん綿麻混のの変わり織りの浴衣とか、綿絽とか、絹紅梅で洒落た柄の物…などなどを着物風に着付けたりしたら夏着物と変わらないだろう。でもちょっと敷居が高いな〜。
だからいっそ歌舞伎座が「イベント」として「浴衣でOK!」としてくれたら…と思う。
客席も江戸情緒溢れていいんじゃない?
ついでに役者さんの柄の入った浴衣地も売ったりしちゃったり。
これからの日本の着物は「綿」がキーワード!家で洗えて、1年のほとんどを着られる。私は学校で浴衣の着付けを教えるべきだと思う。そして茶道部みたいに和装部なんかもできたりしてwww。
だって日本人なのに着物着られないって、学校教育の手薄なこと〜!

写真はウチの箪笥に長いこと仕舞われていた名歌舞伎女形 坂東玉三郎様の「玉三郎格子」の浴衣地。それについてはまた今度。

夏の着物 其の2

2023-08-26 10:03:00 | その他
今年突然浴衣に目覚めた私は、既にバイセルで中古の浴衣を購入していた。古着の有松・鳴海絞りの浴衣である。どこの誰が着ていたものか気になるような人にはオススメ出来ないが、寸法が私にピッタリで、柄も好みなら、私は全然こだわらない。なんせ新品で仕立てるとしたらとてもじゃないけど手が出ない代物だ。

しかし、送られてきた物は、目立つ汚れや染みはほとんど気にならないものの…臭いが凄かった。長〜いこと箪笥の中に仕舞われたきりの着物にありがちな独特の臭いである。不思議なんだけど、うちの姑の着物も長い事着られなかった物は同じ臭いがしていた。個人差って無いのかな?着物って基本「洗わない」から、体臭とか汗とかそういうものが関係するんだからそれぞれ違う臭いになりそうなものだけど…。何故か同じ臭いなんだよね。
しばらく部屋に吊るしていても消えない。
消臭剤と一緒にビニール袋に包んで置いても消えない。
浴衣なんだから洗って見ようかな?と思い検索してみると絞りの浴衣は自宅で洗わなきゃダメなんだって。クリーニングに下手に出すと、きっちりプレスされてしまって絞りが台無しになることもあるそうだ。
そういうわけで洗ってみる。すると
全く臭いはなくなった‼️
少し生乾きの時にパンパン伸ばして、形を整えると、スッキリ、新品同様の仕上がりとなった。
「長い事しまわれていたんだね。これからは私と色んなところに出かけようね💕︎」
思わず浴衣に語りかけた。
どこのどなたか存じませんが、背格好が私と同じ女性がいたことに感謝。有難く引き継いで着てゆきますね。
古着をザクザク切ってリメイクする人が多い昨今だけど、本来の着物としてまずは着てあげて欲しい。
着付けなんて今はYouTubeでいくらでも教えてくれるし。着れると楽しいと思うんだけど。
続く。

夏の着物 其の1

2023-08-26 09:16:00 | その他
若い頃からずっと着物は好きだった。

家には祖母が居たので
小さい頃は祖母が浴衣や単衣ものの着物を縫ってくれたりして
肩上げがしてあり、おはしょりも縫ってあり腰紐もついているような「子供の着物」は、1人で着られて、自分で兵児帯を結んでいた。近所に踊り(日本舞踊)のお師匠さんが住んでいて、芸事好きの祖母の計らいでほんの小さい頃習っていた。風呂敷に着物を包んで、1人でお稽古に通っていた。
昭和30年代の話である。



姑が着物好きな人で、たくさん遺してくれたので、もったいないからどんどん着よう!と思っているが、なにせ着物を着るような機会はなかなか無い。
私の周辺で着物を着る人は「お茶」をやっている人くらい。そんな彼女は「普段着なんて持ってない、色無地に袋帯だけ」と言う。そうかー、私は逆に袋帯なんて持ってない。
この春、甥が結婚する…という「留袖」を着る千載一遇のチャンスがあった。
姑の遺品に見事な「留袖」があるのだが、これは親い親族の祝い事にしか着られない。息子達は結婚なんぞする予定も予感も微塵も無いし、着るのは諦めていた。

しかし、なぜか袋帯が無い。正装には、名古屋帯ではダメで、「袋帯」というもっと長い二重太鼓が結べる帯でないとダメなのだ。
姑がこの留袖を最後に着たのは私達の結婚式だろうから(すると40年近く前…着物って凄い!40年経ってもまだ普通に着られる!)とアルバムを繰ると、いつものたんすの引き出しにある帯だ。長さは十分。これ、袋帯だったのだ…と、着付けを頼んだ美容院(さすがに留袖は自分では無理)に見せにいくと、
決まり事には厳しく、着付けに自信のある美容師さんは、「コレは夏帯だからダメ」
と言う💦確かに、私達の式は6月だった。

それで、私はじゃあいかにも結婚式用というような袋帯を「バイセル」で買おうかなー?とも思ったが、もしかしたらもう二度と締めることも無いかもしれない帯にお金を出すくらいなら欲しい帯がいくらでもあるのに〜!なんでおばあちゃん普通の袋帯無いの?!
ということで、今回は美容院で借りる事になった。息子が結婚するとなったら改めて買おうと思う。無いかもね。後はなんか授賞式とかに呼ばれるとか…無いね。



今年、なんか浴衣に萌えて、反物を買って浴衣を仕立てた。刺激になったのは山崎陽子さんの「大人の浴衣はじめます」という本だ。
着物は、20代の勤めていた頃、アンサンブルのカジュアルな物を1度仕立てた事があったきり。結婚してからは今回が初めてである。仕事、住宅ローン、子育て、老人介護…と、様々乗り越えて、ついにやっとここまで来れたか😂と感慨深く「まずは浴衣」と、踏み切ってみた。ヘソクリで。

浴衣の反物はバイセルで購入。近辺に呉服屋さんも無くなった今、デパートでは敷居が高いし、こんなふうにネットで購入できるのは浴衣くらいなら十分だと思った。それに店頭ではとても手にできないようなお値段の物も、中古なら半値以下。お仕立ても引き受けてくれて全手縫いでも格安。いい時代になったなぁ…と今回ばかりは感動。そんなふうに私、1歩踏み出したのです。
続く。