乳がんで、左の乳房を全摘したのは33歳の時。
今からすると「若い身そらで可愛そうに」と、我ながら思う。
しかし、その時私はすでに結婚して3人の子持ち。私がOLとして勤めていた当時はまだ25歳過ぎると会社に居ずらい…というくらい、世間は、女の子は年頃になったら結婚してお母さんになるものだ…というのが当たり前みたいな世の中だった。「お局」なんて陰口も生まれたのはこの頃だろう。そんな中で適齢期といわれる年頃に結婚退社した。そんなだから、まだ33歳なのにもうおばさんなんだと思っていた。
今、33歳くらいの子がまだ学生みたいな顔をして遊びまわっているのを見ると、自分の33歳とは今の45歳位だなーと思う。
ガンの診断を受けて、今から20年以上前の治療法としては、全摘が最善で、温存はよほど初期の癌でしかかなわなかった。
だから33歳で、子供も3人もいる私は、オッパイなんて、もう用済みだし、無くてもいっか…と、さほど未練もなく手術をうけた。幼い子供達のためにも命の方が余程大切であった。
もともとたいして自慢のバストでもなかった。Cカップではあったが、それは体型が逆三角形の筋肉質で、アンダーとトップの差があった、というだけで、美乳ということもない、むしろ平らに近い形だった。
その時の入院中に同室だったスレンダーなご婦人が、「私も乳がんやって取っちゃったけど、大丈夫よブラジャーのカップの中にハンカチてでも詰めとけば。」と仰った。ふーん、そうかぁ、と思い、当時は私もガーゼのハンカチなんかを丸めて突っ込んでいた。
子供が小さいので、水着も着ざるおえなかったが、平気で着たし、どうということはなかった。もともとバストに存在感がなかった。
それが、どうにも悩みの種となったのは、中年になってからである。
有る方の胸に文句をつけるのはばちあたりかもしれないが、中年になって、なんかやたらオッパイがデカくなって垂れるのである。
よく思い出すと、私のおばあちゃんのオッパイは昔デカくて垂れていた。あれがもし垂れてなかったら叶姉妹かというくらいデカく感じたが、今なんとなくわかる。
垂れてない年頃には大してデカくはなかったんだ。
そういう歳になって、皮下脂肪なんだか中年の肥り方なんだか、無駄にデカくなるのである。
それで、細胞にハリがないから垂れる。
両方あればバランス的には問題ないが、私の場合、ダミーの片方は垂れて来ない。無いから。だから、おまんじゅうの様なパット(なんと手作り!)を入れているのだが、重さがないので垂れて来ない。
正面から見ると明らかに左右が段違いになっているのだ。
重さのあるシリコン製のパットを入れていたこともある。これは、セーターなどのピッタリしている服の時はリアル感があって良いのだが、ブラジャーの肩ひもが直ぐに伸びてしまうし、重いのだ。そう、身体にくっついてない乳房分の重みというのは「重い」。
そういうパットを肌に着ける両面テープの様なものもあるが、痒くなる。
いずれにしても苦労が多い。
最近は、同年代に乳がんの経験者が増えて、バストの悩みを語り合う事がよくある。
でも、最近は温存とか、全摘後再建の人など多い。やっぱり私とは時代が違うんだなぁ。でも、「乳房再建」の場合、歳をとったらやはり私の様なの悩みが生まれるのではないか?再建されたバストは歳をとったらどうなるの?デカくなって垂れてくる?それとも原型のままツンととがって綺麗なラインを保ち続けるの?
私はこの頃ばちあたりと知りつつ、切に思う。残っている方のオッパイも取ってしまって、両方再建したいと。
だってもう本当に正真正銘おばさんになってしまって、オッパイの役割なんてないんだもん。
残る片方のオッパイも乳がんリスクが高いのだからいっそ取った方がどれほど楽か。
最初から念のために両方取る、という人もいたと聞いたこともある。
体型の崩れ、整体上のバランスのためにもオッパイの重さの均衛をとるのは大切なことなのだ。
癌という病気の恐ろしさとは別の次元だが、実際、日々の悩みの中で気が滅入ることこの上ない。
乳がんの人のための下着ももっとよく考えられたらと思う。
ちょっと変わった椿。幸朴公(コウボクコウ)
今からすると「若い身そらで可愛そうに」と、我ながら思う。
しかし、その時私はすでに結婚して3人の子持ち。私がOLとして勤めていた当時はまだ25歳過ぎると会社に居ずらい…というくらい、世間は、女の子は年頃になったら結婚してお母さんになるものだ…というのが当たり前みたいな世の中だった。「お局」なんて陰口も生まれたのはこの頃だろう。そんな中で適齢期といわれる年頃に結婚退社した。そんなだから、まだ33歳なのにもうおばさんなんだと思っていた。
今、33歳くらいの子がまだ学生みたいな顔をして遊びまわっているのを見ると、自分の33歳とは今の45歳位だなーと思う。
ガンの診断を受けて、今から20年以上前の治療法としては、全摘が最善で、温存はよほど初期の癌でしかかなわなかった。
だから33歳で、子供も3人もいる私は、オッパイなんて、もう用済みだし、無くてもいっか…と、さほど未練もなく手術をうけた。幼い子供達のためにも命の方が余程大切であった。
もともとたいして自慢のバストでもなかった。Cカップではあったが、それは体型が逆三角形の筋肉質で、アンダーとトップの差があった、というだけで、美乳ということもない、むしろ平らに近い形だった。
その時の入院中に同室だったスレンダーなご婦人が、「私も乳がんやって取っちゃったけど、大丈夫よブラジャーのカップの中にハンカチてでも詰めとけば。」と仰った。ふーん、そうかぁ、と思い、当時は私もガーゼのハンカチなんかを丸めて突っ込んでいた。
子供が小さいので、水着も着ざるおえなかったが、平気で着たし、どうということはなかった。もともとバストに存在感がなかった。
それが、どうにも悩みの種となったのは、中年になってからである。
有る方の胸に文句をつけるのはばちあたりかもしれないが、中年になって、なんかやたらオッパイがデカくなって垂れるのである。
よく思い出すと、私のおばあちゃんのオッパイは昔デカくて垂れていた。あれがもし垂れてなかったら叶姉妹かというくらいデカく感じたが、今なんとなくわかる。
垂れてない年頃には大してデカくはなかったんだ。
そういう歳になって、皮下脂肪なんだか中年の肥り方なんだか、無駄にデカくなるのである。
それで、細胞にハリがないから垂れる。
両方あればバランス的には問題ないが、私の場合、ダミーの片方は垂れて来ない。無いから。だから、おまんじゅうの様なパット(なんと手作り!)を入れているのだが、重さがないので垂れて来ない。
正面から見ると明らかに左右が段違いになっているのだ。
重さのあるシリコン製のパットを入れていたこともある。これは、セーターなどのピッタリしている服の時はリアル感があって良いのだが、ブラジャーの肩ひもが直ぐに伸びてしまうし、重いのだ。そう、身体にくっついてない乳房分の重みというのは「重い」。
そういうパットを肌に着ける両面テープの様なものもあるが、痒くなる。
いずれにしても苦労が多い。
最近は、同年代に乳がんの経験者が増えて、バストの悩みを語り合う事がよくある。
でも、最近は温存とか、全摘後再建の人など多い。やっぱり私とは時代が違うんだなぁ。でも、「乳房再建」の場合、歳をとったらやはり私の様なの悩みが生まれるのではないか?再建されたバストは歳をとったらどうなるの?デカくなって垂れてくる?それとも原型のままツンととがって綺麗なラインを保ち続けるの?
私はこの頃ばちあたりと知りつつ、切に思う。残っている方のオッパイも取ってしまって、両方再建したいと。
だってもう本当に正真正銘おばさんになってしまって、オッパイの役割なんてないんだもん。
残る片方のオッパイも乳がんリスクが高いのだからいっそ取った方がどれほど楽か。
最初から念のために両方取る、という人もいたと聞いたこともある。
体型の崩れ、整体上のバランスのためにもオッパイの重さの均衛をとるのは大切なことなのだ。
癌という病気の恐ろしさとは別の次元だが、実際、日々の悩みの中で気が滅入ることこの上ない。
乳がんの人のための下着ももっとよく考えられたらと思う。
ちょっと変わった椿。幸朴公(コウボクコウ)