アメリカのロックバンド、ザ・ビーチ・ボーイズの1966年のオリジナルアルバム。
本作はバンドの中心人物ブライアン・ウィルソンがバンドとのツアーを取りやめ、腕利きのスタジオ・ミュージシャンたちと共に一人、スタジオでの録音に集中した結果生まれた作品となっています。
サウンドの特徴としてブライアンの心情を吐露したような内省的な歌詞に加え、テルミンなどを活用した挑戦心に溢れた作風になっています。
独特の展開や間の取り方、 心地よい不思議なサウンド、抜群のコーラスワークなどが本作の魅力です。
最初は普通のポップミュージックと思うかもしれませんが、聴けば聴くほど不思議な魅力にハマって行きます。
名盤と勧められて聴く方も多いと思うのですが、最初はイマイチパッとしない印象を受けるでしょう。
しかし、様々な音楽を聴けば分かるこの作品の異質性と芸術性は唯一無二となっています。
ペット・サウンズは過大評価という意見もあるのですが、わたしはそうは思いません。
なぜなら、このアルバムを聴くことでしか得られない"感情の揺らめき"や"言葉では説明できない切なさ"は本作最大の魅力となっており他に似たようなアルバムが無いからです。
総じてこれを聴かずに音楽を語ることは出来ないレベルの大名盤となっています。
ペット・サウンズを聴くことは音楽を聴くことの最大の醍醐味であり、一大イベントであると言えます。
【トラックリスト】
1. Wouldn't It Be Nice
2. You Still Believe in Me
3. That's Not Me
4. Don't Talk (Put Your Head on My Shoulder)
5. I'm Waiting for the Day
6. Let's Go Away for Awhile
7. Sloop John B
8. God Only Knows
9. I Know There's an Answer
10. Here Today
11. I Just Wasn't Made for These Times
12. Pet Sounds
13. Caroline, No
曲順が完璧なので、ぜひこの順番で聴いて下さい。
トラック7の「Sloop John B」だけ"海と船"について歌っており、本作内では異質な感じがあります。これはシングルカットするためにレコード会社が入れた為です。
ちなみにステレオバージョンの方が音像がハッキリしているのでそちらをオススメします。
特にインスト曲の「Pet Sounds」でそれが顕著に現れています。
Wouldn't It Be Nice
オープニングを飾るアップテンポの名曲
I Just Wasn't Made for These Times
テルミンを使用した名曲
【歌詞】
僕は居場所を探しているんだ
自分の本音を話せる場所を
僕は必死に探しているんだ
僕を置き去りにしない人たちを
彼らは言うんだ、僕は頭が良いってこと
でも彼らは僕に何の役にも立たない
彼らがそうであったらいいのに
毎回、物事がまた始まると
僕に良い事が起きるかなと思うけど
何が間違っているのだろう
時々とても悲しい気持ちになるんだ
時々とても悲しい気持ちになるんだ
(心と魂を注げる正しい事を見つけられない)
時々とても悲しい気持ちになるんだ
(心と魂を注げる正しい事を見つけられない)
僕はこの時代に向いていないと思うんだ
インスピレーションを受けるたびに
周囲の状況を変えたいと思う
誰も僕が場所を探す事を手伝ってくれない
新しいものが見つかるかもしれない場所を
僕はどこに頼ればいいのだろう
当てにできない友人からも逃げられたら
いったいどういう事なんだろう
毎回、物事がまた始まると
僕に良い事が起きるかなと思うけど
何が間違っているのだろう
時々とても悲しい気持ちになるんだ
時々とても悲しい気持ちになるんだ
(心と魂を注げる正しい事を見つけられない)
時々とても悲しい気持ちになるんだ
(心と魂を注げる正しい事を見つけられない)
僕はこの時代に向いていないと思うんだ
必ず入るだろうと思います。
ビーチボーイズは殆ど持ってないですが、
流石にこれは購入しました。
山下達郎さんが気合を入れたライナーを書いているCDですね。
ペット・サウンズは本当に素晴らしい作品だと思います。アルバム全体で一つの流れがあり、「Caroline, No」の最後の踏切音を聴いたときの感情は言葉では形容できません。
1965〜1967年のアルバムにビートルズの「Rubber Soul」と「 Revolver」、ボブ・ディランの「Highway 61 Revisited」と「Blonde on Blonde」、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの1st、ドアーズの1st、ジミ・ヘンドリックスの「Are You Experienced」、ジョン・コルトレーンの「A Love Supreme」、ハービー・ハンコックの「Maiden Voyage」などがあるのですが、時代を超えて語り継がれる作品が多く本当に凄い時代だったんだなぁと思います。
「You Still Believe in Me」も記事にアップしたことが
https://blog.goo.ne.jp/sayusayu_008/e/a4061986662ed535a782d92357ba9451