名盤まとめブログ

ジャンル問わず名盤をまとめていくブログです。私は音楽ゲーム愛好家でもあり、音ゲー曲もまとめるのでぜひ聴いてみて下さい♪

【音楽アルバム紹介】生活(1990) - エレファントカシマシ

2024-01-07 19:43:00 | ・1990年代(邦楽)
宮本浩次率いるロックバンド、エレファントカシマシの4thアルバム。

全7曲ですがフルアルバム相当の40分というエレカシのアルバムの中でも異質な作品。
ブルースロック/フォークロックに宮本浩次の荒々しい歌唱がのる構成。全体的に曲が長く「遁生」と「晩秋の一夜」については10分超えの大作となっています。

同じようなアレンジが続きシンプルな構成の楽曲もあるのですが、言葉の力が強くて引き込まれます。

本作は"男として生きる苦しみ"や"人生の虚しさ"、"人生の意義"などについて歌っています。歌詞中にも引きこもる男や散歩で時間を潰す男などが登場します。
そんな登場人物の虚しさや哀しさが宮本浩次の歌唱と合わさって形容しがたい感情を呼び起こします。

私も男なので正直に言いますと泣けるというか、我々男性は子供を産めないので働いて稼がなければ価値がないのだなぁと実感してしまいます。
たぶん男にとって無生産な生活は耐えられない地獄なんだと思います。

名盤なのは間違いないですがかなり癖が強いので、ある程度人を選ぶアルバム。
しかしながら、グッと来るものはあり特に男性の方にはぜひ聴いて欲しい作品です。

【トラックリスト】
1. 男は行く
2. 凡人 -散歩き-
3. too fine life
4. 偶成
5. 遁生
6. 月の夜
7. 晩秋の一夜

男は行く
【歌詞一部抜粋】
さとりすましたこの身には
肌にしみじみ染みてきた
浮世の風が さみしさが

偶成
【歌詞一部抜粋】
ああ 平和なるこの生活が
なぜに我らを蝕むのか

遁生
【歌詞一部抜粋】
くるしみ無き身のむなしさよ
浮かぶ未来は苦しげで…


偶成(Live)
ライブVer.は柔らかな感じですが、アルバムVer.はかなりぶっきらぼうに歌っています。ライブVer.も叙情的で素晴らしいのですが、アルバムVer.のほうが真剣さが伝わってきます。




【音楽アルバム紹介】Grace(1994) - Jeff Buckley

2024-01-06 21:00:00 | ・1990年代(洋楽)
アメリカのシンガーソングライター、ジェフ・バックリィの唯一のオリジナルアルバム。

父親は60年代に活躍した歌手ティム・バックリィ。
子供の頃からレッド・ツェッペリンを聴くなど音楽好きな人物であり、本作は長い下積み期間の末にリリースされた作品。

力強くも繊細な神がかったヴォーカルが特徴。
まさに美声の持ち主であり『天使の歌声』と称されるほど。
楽曲の構成も上手く、生々しいオルタナティブロックにジェフ・バックリィの美しい歌声が合わさり高揚感を生み出しています。

本作はリリース当初は中々売れませんでしたが、現在では90年代の最高のアルバムの一つとして評価されています。

悲しいことにジェフ・バックリィは1997年に川での事故により死亡してしまいます。享年30歳という若さでした。

【トラックリスト】
1. Mojo Pin
2. Grace
3. Last Goodbye
4. Lilac Wine
5. So Real
6. Hallelujah
7. Lover, You Should've Come Over
8. Corpus Christi Carol
9. Eternal Life
10. Dream Brother

Mojo Pin
オープニングを飾る幻想的な楽曲

Grace
タイトル曲となるオルタナティブロック。後半のシャウトはロバート・プラントかのよう。

Last Goodbye
開放感のあるオルタナティブロック

Hallelujah
レーナード・コーエンの代表曲のカヴァー。感動的な名演となっています。

Dream Brother
アルバムの最後を飾るオリエンタルな雰囲気の楽曲。最終部分の歌詞「世界は永久に周り、波に洗われる砂の中で眠る」が印象的です。


Grace
Graceとは「優雅さ」や「恵み」、「猶予(期間)」といった意味


【和訳】
月がとどまってくれと尋ねる
雲が僕を連れ去ってしまうまで
僕の番がくる、死ぬことは怖くない

消えゆく声で愛を歌う
でも彼女は泣いている
時を刻む音に

炎の中で待っていて…

そして彼女は僕の腕の中で泣いている
悲しみの中明るい光へ向かい歩いている
ワインを飲もう、僕らも明日には死んでしまうかもしれない
愛する人よ

雨が降りしきる
僕はその時が来たことを悟る
僕に思い出させる、残して去ってしまう痛みを

炎の中で待っていて…

そして僕の名が溺れてゆくのを感じる
知ることは簡単だけどキスによって忘れていくのも簡単で
行くのは怖くない、でもそれはあまりに遅い

炎の中で待っていて…



【音楽アルバム紹介】沈香学(2023) - ずっと真夜中でいいのに。

2024-01-05 21:00:00 | ・2020年代(邦楽)
音楽ユニット、ずっと真夜中でいいのに。の3rdアルバム。

前作との違いはラップが入っていたり、よりファンキーでさらにポップな内容に仕上がっています。また流行りのシティポップからの影響も感じます。

しかし、そんなポップなサウンドとは裏腹に1stを彷彿させるような自己否定的な歌詞が合わさって心に突き刺さるサウンドとなっています。

これまで以上にハイライトが豊富であり「花一匁」、「残機」、「猫リセット」、「綺羅キラー」、「あいつら全員同窓会」、「消えてしまいそうです」、「ミラーチューン」など名曲多数。

総評としてずとまよ。の最高傑作と言える内容であり、現代人の虚しさや孤独感を受け止めつつ背中を押してくれる傑作と言えます。
間違いなく2023年のベストアルバムであり、人生に疲れたときに聴きたい作品です。

【トラックリスト】
1. 花一匁
2. 残機
3. 猫リセット
4. 綺羅キラー(feat. Mori Calliope)
5. 馴れ合いサーブ
6. あいつら全員同窓会
7. 夏枯れ
8. 袖のキルト
9. 不法侵入
10. ばかじゃないのに
11. 消えてしまいそうです
12. ミラーチューン
13. 上辺の私自身なんだよ


花一匁
【歌詞一部抜粋】
負けて嬉しい 花一匁
寂しさに強い 処方箋欲しいよ
柄にないことばかり たらたら溢して
早起きの夜も頑張りすぎは良くないので
健康でいられますように



あいつら全員同窓会
【歌詞一部抜粋】
どんな名言も響かない僕から
何も生まれはしないけど
目に見える世界がすべてじゃないって
わかりたかっただけ




【音楽アルバム紹介】HARVEST(2003) - Dragon Ash

2024-01-04 13:46:54 | 音楽アルバム(邦楽)
Kj(降谷建志)率いる日本のロックバンド、Dragon Ashの5thアルバム。

Dragon AshはGrateful Daysのヒットによりお茶の間にヒップホップを届けたアーティストの一つ。

本作は降谷建志の長期間の葛藤の末に生まれた作品です。実際、本作がリリースされるまで「音楽をやめる」などインタビューで発言していました。

従来の激しいミクスチャーロックはそのままで優しく柔らかな楽曲も収録されており、トータルアルバムとして聴かせる構成になっています。

オルタナ、ヒップホップ、ハードコアパンク、フォークなどバラエティに富んでいることも特徴であり最後まで飽きさせません。また、歌詞もこれまでと違い内向的で自己の内面に向き合ったかのような内容となっています。

Dragon Ashの代表作は『Viva La Revolution』ですが最高傑作は間違いなく本作だと思いますし、私も繰り返し聴いたお気に入りのアルバムです。

【トラックリスト】
1. ntro
2. House of Velocity
3. Posse in Noise
4. Revive
5. United Rhythm feat.43K,EIG
6. Byakuya
7. morrow
8. Landscape
9. Art of Delta
10. Mob Squad(RITMO ACELERADO RMX) feat.PASSER,HUNTER,黒兄,ONO-G
11. Episode 4 feat.SHUN,SHIGEO
12. Massy Evolution
13. Day 6
14. Fantasista
15. Canvas
16. Gymnopedie #1
17. Harvest


Fantasista
2002FIFAワールドカップのテーマソングとして使用されたので、耳にしたことがある方もいるかもしれません。


【音楽アルバム紹介】Born to Run(1975) - Bruce Springsteen

2024-01-01 11:31:46 | ・1970年代(洋楽)
僕は自分のロックンロールの過去が一瞬のうちに目の前を通り過ぎて行くのを見た。そして僕は大変なものを見たんだ。僕はロックンロールの未来を見た。

アメリカのシンガーソングライター、ブルース・スプリングスティーンの3rdアルバム。上記のフレーズは音楽評論家ジョン・ランダウが残した有名なコラムの抜粋。

本作は1974年のベトナム戦争終結と1976年のアメリカ建国200周年の間に挟まれてリリースされた作品となっています。

戦争は終結したが虚無感と閉塞感が漂っていた当時のアメリカ。そのような状況では建国200年なんて虚しいと民衆は感じており、特に帰還兵に顕著でした。

そのような状況の中ブルース・スプリングスティーンは「俺の手を取って約束の地を見に行こう」、「走るために生まれてきた」と訴えました。
しかし、ただ熱血なだけではなく挫折や孤独についても歌っておりその対比がアルバムに深みをもたらしています。

"人生は挫折と絶望に溢れているが希望を持って前進しよう、俺たちは走るために生まれてきたのだから"と力強く背中を押してくれる作品。

総評としてロックの感動が詰まった名盤の中の名盤と言える作品です。

【トラックリスト】
1. Thunder Road
2. Tenth Avenue Freeze-Out
3. Night
4. Backstreets
5. Born to Run
6. She's the One
7. Meeting Across the River
8. Jungleland

全曲素晴らしいですが「Thunder Road」、「Backstreets」、「Born to Run」、「Jungleland」は心揺さぶる名曲。


Born to Run



【和訳】
昼、俺たちは汗水たらして働く
逃げていくアメリカの夢を追って
夜、俺たちは高級住宅街を駆け抜ける
自殺機械(自動車あるいはバイク)に乗って
ハイウェイ9号の檻から飛び出す
クロムの車輪、エンジンをふかし町境を超える
この町は君の背骨を引き裂いてしまう
死の罠、自殺の話
若いうちに抜け出さなきゃ
俺たちのような浮浪者は
走るために生まれてきたんだから

ウェンディ、中に入れてくれ、友だちになりたいんだ
君の夢、将来を守りたい
ベルベットのリムに君の足を乗せて
俺のエンジンにしがみつけ
二人ならこの罠を突き破れるかもしれない
倒れるまで走ろう、二度と戻らない
俺と一緒にこの罠線の上を歩いて欲しい
俺はただの怯えた孤独なライダーだけど
どんな感覚か知りたいんだ
愛がどれだけ激しいかを知りたい
愛が真実かを知りたい

大邸宅の反対側
半導体飛行機が大通りで唸り声を響かせる
女はバックミラーで髪を梳かし
男は格好良く見せようとしている
遊園地は殺風景に図々しく浮かび上がっている
若者たちが霧の海岸に集まっている
今夜俺は路上で君と死にたい
永遠の口づけを交わしながら

ハイウェイには夢破れた英雄で溢れている
最後の疾走のチャンス
今夜は皆、逃走中だ
しかし隠れる場所なんてない
ウェンディ、君と一緒ならこの悲しみの中でも生きていける
君を愛そう、俺の魂の熱狂をもって
いつの日か、いつだかは分からないが
俺たちはあの場所に到達するだろう
本当に望んでいるあの場所に
日の当たる中を歩くだろう
でもその時まで俺たちのような浮浪者は進まなくては
走るために生まれてきたんだから