名盤まとめブログ

ジャンル問わず名盤をまとめていくブログです。私は音楽ゲーム愛好家でもあり、音ゲー曲もまとめるのでぜひ聴いてみて下さい♪

【音楽アルバム紹介】My Lost City(2012) - cero

2024-05-14 20:00:00 | ・2010年代(邦楽)
日本のバンド、ceroの2ndアルバム。

ceroのメンバーは以下の通り
高城晶平(ボーカル、ギター、フルート)
荒内佑(キーボード、サンプラー、コーラス)
橋本翼(ギター、コーラス)

サウンドはポップだけど実験的で、どこかアングラな雰囲気がある事が特徴。フリッパーズ・ギターやフィッシュマンズ、キリンジに通ずるものがあり、一般的なポップスとは一線を画す作りとなっています。

本作はコンセプトアルバムであり、海に浮かぶ船に乗る主人公の目線から描かれた歌詞となっています。

トランペットの音が印象的な「マウンテン・マウンテン」、民族的な「マイ・ロスト・シティー」、Walk On the Wild Sideをオマージュした「cloud nine」、ポップな良曲「スマイル」、最ハイライトとなる「Contemporary Tokyo Cruise」、底抜けに明るいけど不思議と切ない「さん!」など印象に残る曲が多数。
そしてアルバム最後の曲「わたしのすがた」でマイ・ロスト・シティーとは何だったのか判明します。

アルバムを聴き終わった後の感覚は、映画を見終わった"感動"と"興奮"のあとにやってくる"虚無感"に近いものがありゾクゾクします。私はしばらくこのアルバムのことが頭から離れず、繰り返し聴いていました。

総評として2010年代を代表する邦楽名盤の一つです。
音楽をアルバム通して聴くことの面白さを思い出させてくれる傑作と言えるので、ぜひ聴いてみて下さいね。

【トラックリスト】
1. 水平線のバラード
2. マウンテン・マウンテン
3. マイ・ロスト・シティー
4. cloud nine
5. 大洪水時代
6. 船上パーティー
7. スマイル
8. Contemporary Tokyo Cruise
9. roof
10. さん!
11. わたしのすがた


cloud nine


【歌詞一部抜粋】
いよいよ雨が降り出して透明傘の上空は暗く
その雷鳴はファラオサンダース
ワイルドサイドは遥か嵐の向こう…


Contemporary Tokyo Cruise


【歌詞一部抜粋】
いかないで、光よ わたしたちは ここにいます 巻き戻して

【音楽アルバム紹介】漂白脱兎(2019) - Blanc Bunny Bandit

2024-05-12 19:05:28 | 音楽アルバム(邦楽)
コナミデジタルエンタテインメントによるメディアミックス企画『バンめし♪』から生まれたバンド、『Blanc Bunny Bandit』の1stアルバム。

『バンめし♪』とは「バンドでめしを食べるのは大変なこと。」の意味。

Blanc Bunny Banditのメンバーは以下の通りであり、全員フィクションの登場人物となっています。
栗花落 夜風(CV:楠木ともり) - ギター
吉廻 千代(CV:高橋未奈美) - キーボード
黒川 亜理紗(CV:安井咲希) - ベース
百武 もなか(CV:田中貴子) - ドラムス


『バンめし♪』の舞台は岐阜県郡上市(旧八幡町)であり、タイアップしている郡上八幡エリアでは彼女たちのイラストを見ることが出来ます。
なかなかニッチなメディアミックス企画で知名度はほとんど無いと思うのですが、曲がめちゃくちゃ良くて個人的に結構聴きました。ビター・エスケープ、シンクロフィッシュ、箱庭のエチュードの3曲は特に良い。

一部音楽ゲームにも収録されている曲もあるので、興味があればぜひ遊んでみて下さいね。

【トラックリスト】
1. ビター・エスケープ
2. シンクロフィッシュ
3. 箱庭のエチュード
4. たたえよ!絶対覇権アリーシャ帝国
5. おにぎりディスコ
6. 漂白脱兎
7. 全力ドラマティック
8. アバンギャルド・バンドガールズ
9. ひふみで湯~とぴあ♨
10. 奥美濃八萬歌
11. 脱出序幕
12. 待機セヨ
13. 白兎タイム
14. シンクロフィッシュ (本部放送ver.)
15. 箱庭のエチュード (本部放送ver.)
16. たたえよ!絶対覇権アリーシャ帝国 (本部放送ver.)
17. おにぎりディスコ (本部放送ver.)


ビター・エスケープ
作詞/作曲/歌唱はバンド『カラスは真っ白』のメインヴォーカルを務めた「やぎぬまかな」



シンクロフィッシュ
作詞/作曲は「やぎぬまかな」、ヴォーカルは栗花落 夜風(CV:楠木ともり)



箱庭のエチュード
作詞/作曲はバンド、『POLLYANNA』で活躍する「斎藤モトキ」と「飯島快雪」、ヴォーカルは吉廻 千代(CV:高橋未奈美)。印象的なピアノのメロディは飯島快雪氏による演奏です。


【音楽アルバム紹介】Ela E' Carioca(1997) - João Gilberto

2024-05-06 12:45:46 | 名盤(ジャズ)
ブラジルのギタリスト、ジョアン・ジルベルトがメキシコ滞在中に録音したアルバム。邦題で『彼女はカリオカ』というタイトルがついています。
ジョアン・ジルベルトはアントニオ・カルロス・ジョビン等と並びボサノヴァを生み出したとして知られる人物。

この作品は再発盤でありオリジナルは1970年の『João Gilberto En Mexico』というアルバムです。オリジナルと異なる点は曲順とアルバムタイトルが変更されていることであり、「Trolley Song」がアルバムの最後になっています。

この作品はとにかくジョアンのギターと歌声が際立っており、純粋とも呼べるボサノヴァを聴くことが出来ます。

とても滑らかで心地よいサウンドなんですが、じっくりと耳を傾けてみると、場面ごとにギターのパターンがコロコロ変化していることに気付かされます。
ここにジョアンのマジックが仕掛けられており、聴けば聴くほど発見があって彼が天才と呼ばれる所以です。

オープニングを飾る「De Conversa En Conversa」、アルバムタイトルとなった「Ela E' Carioca」、囁やくようなジョアンの歌唱が印象的な「Esperanza Perdida」、ギターと歌が絡み合う名曲「Astronauta」、美しい「Eclipse」、ノリの良い「Trolley Song」など聴きどころ多数。

余談ですがオリジナルの『João Gilberto En Mexico』という作品はプレミアがついており、メキシコ盤のLP(MONO/STEREO)は凄まじい価格となっています。
なのでよっぽどのコレクターでもない限り、再発の『Ela E' Carioca』がオススメです。

【トラックリスト】
1. De Conversa En Conversa
2. Ela E' Carioca
3. O Sapo
4. Esperanza Perdida
5. Joao Marcelo
6. Farolito
7. Astronauta
8. Acapulco
9. Besame Mucho
10. Eclipse
11. Trolley Song

Ela E' Carioca



【音楽アルバム紹介】日本人(1973) - ファーラウト

2024-05-04 18:23:11 | ・1970年代(邦楽)
日本のプログレバンド、ファーラウトの唯一のオリジナルアルバム。

ファーラウトは宮下フミオと頭脳警察の左右栄一を中心として結成されたバンド。本作はゲストに喜多嶋修と山中明(ジョー山中)をメンバーに加えて作成された作品です。
宮下フミオはその後、ファー・イースト・ファミリー・バンドを結成することなり、ファーラウトはファー・イーストの前身となったバンドであると言えます。

本作はレコードA面とB面でそれぞれ1曲づつという大作志向のアルバムとなっています。
サウンドは禅/瞑想といった東洋的なイメージにサイケデリック/プログレッシブロック/ハードロックが合わさったような曲調であり、静と動がハッキリしたゾクゾクするような内容となっています。

「Too Many People」の緊張感漂うヘヴィなギターリフは一度聴いたら忘れられないほど。そしてアルバムタイトルとなった「日本人」は東洋的なメロディで始まり、エモーショナルでブルージーなギターソロが展開された後、急に読経が始まりリスナーの度肝を抜いてきます。

総評として邦楽史上最強のサイケデリック/プログレッシブロックアルバムであり、今までの邦楽ロックに対するイメージが覆るレベルの大名盤です。ぜひお聴き下さい!

【トラックリスト】
1. Too Many People
2. 日本人


Too Many People



日本人


【音楽アルバム紹介】螺鈿幻想(1986) - Pageant

2024-05-03 17:48:00 | ・1980年代(邦楽)
日本のプログレバンド、ページェントの1stアルバム。
アルバム名の読みは『らでんげんそう』。

本作『螺鈿幻想』レコーディング時のメンバーは以下の通り。
中嶋一晃(Gt,Vo)
永井博子(Vo,Key)
宮武和広(Flute,Gt)
長嶋伸行(Ba)
引頭英明(Dr)

ページェントは中嶋一晃を中心に、永井博子をヴォーカルに迎えて結成されたバンド。

日本的な湿っぽさも備えつつ、しっかりとプログレしているのが良い。ページェントの魅力は複雑なプログレ的な展開に、永井博子の湿っぽく艷やかなヴォーカルが乗るところです。
全曲名曲と言っていいほど完成度が高く、特に『螺鈿幻想』、『ヴェクサシオン』、『木霊』、『エピローグ』は必聴です。

また、女性ヴォーカルのプログレバンドというのは珍しく、永井博子の迫力のあるヴォーカルがプログレサウンドにきっちりとハマっており唯一無二の高揚感と陶酔感を生み出しています。
トラック5の「セルロイドの空」のみ中嶋一晃がヴォーカルをとっています。悪くはないのですが、ややインパクトに欠けます。全て永井博子のヴォーカルで統一されていたほうが一貫性があり気持ち良いのでこの点だけ残念です。

トラック1の『螺鈿幻想』は作詞作曲ともに永井博子であり、トラック3〜5は中嶋一晃が作詞作曲を担当しています。
トラック2『ヴェクサシオン』とトラック6の『エピローグ』は作詞が永井博子、作曲が永井博子となっています。

ニッチな作品ですがサブスクで配信されているのでぜひ聴いてみて下さいね。聴きやすくも奥深くて、本作で日本のプログレにハマるきっかけになるかもしれません。

余談ですがアルバムジャケットが素晴らしく、息を呑むほど美しいと個人的に思います。

【トラックリスト】
1. 螺鈿幻想
2. ヴェクサシオン
3. 木霊
4. 夜笑う
5. セルロイドの空
6. エピローグ


螺鈿幻想



木霊