メイサと7人の外国人たち

アラサー元お水とキャラの濃い外国人達の冒険記

トイレに連れ込まれた話②

2019-04-19 23:03:33 | アイアン
「何してるの!?」



私は小声でそう訊ねたが、アイアンはただ、大丈夫大丈夫!と繰り返して、鍵をかけた。
1人用のトイレは狭くて、体の大きなアイアンと一緒に入ると窮屈だった。
彼はすぐに私を抱きしめ、またキスし始めた。



「んんー!!」



一応ジタバタしてみたが、こんなデカイ男には勝てない。
イケメンとキスできてラッキーくらいに思うことにした。
が!!
アイアンは当然、それ以上を望んで私を連れ込んでいるので、キスしながら其処彼処を触りだした。



えーとどうしよう

これは良くないな

うーん



考えながら適当な対応をしていると、



「メイサ、バッグここに置いて」



と指示してきた。
私の手が気になったらしい。
私確かにこのままではどうしようもないので、バッグを置いたが、
彼は私のマキシワンピを捲ろうと必死だ。




「ちょ、ちょっと待ってよ。ダメだってば」




と止めると、彼は私を抱き締め、そのまま持ち上げた。




「キャ!何して…んん!」




また唇を塞がれ、そのままワンピを捲らんとした。
なるほど、私の身動きを取りづらくしたわけか。
悪いけど、好きじゃない男に強制されるのは好きじゃないのよ!



「ちょっと!下ろしてよ(怒)」



と注意すると、意外と大人しく下ろしてくれた。
が、当然攻防戦は終わらない。
暴力を振るうでもナイフで脅すでもなく、アイアンはただひたすら攻防戦を繰り広げた。
なるほど。
犯罪者じゃないけど、ただのスケベなわけね。






私が思ったのは……






いや………ちょっと待て。

あんたはカッコいいよ。

めっちゃタイプだし私は性欲も強いよ。

別に気にする相手もいないよ。(咲人なんか知らん!)


だけど………………





トイレでヤれる女だと思われるのは絶対ダメだろ!




それは女の沽券に関わるだろ!
っつーか、安く見積もってんじゃねぇよ!!




と一念発起し、私に口付けていた彼をゆっくり壁に押しやった。
彼は上気した顔で肩で息をしていたが、
私が真剣な面持ちでまともに拒絶したので、大人しく離れた。
私は冷静に話し始めた。




「Excuse me? Is this a standard way here?
If it’s so, I don’t like it.
聞きたいんだけど…これはこの国のスタンダードなの?
もしそうなら、私は好きじゃないわ。」



アイアンは、えっと、NO...と答えた。



「If it’s not...... it means you found me an easy girl who can have sex in a toilet, right?
もしそうじゃないなら……
つまり、あなたは、私をトイレで一発ヤれる簡単な女だって思った、そういうことね?」




アイアンは途端に目を見開いて両手で口を覆った。
ヤバイ!か?しくった!か?
どっちでもいいけど、とにかくあたしは



「I HATE IT!!!」
「それは大っ嫌いなんですけど!?」





と、めっちゃ怒った顔でお伝えした。
アイアンはすぐに弁解を始めた。




「ごめんよメイサ、怒らないで!俺決して、そんなつもりじゃ……」

「いい?あたしアンタのこと可愛いと思ったし、良いヤツかなーって思ってたわ。
でもアンタがあたしのことそんな風に思ってるんだったら
金輪際アンタのことそんな風に考えてあげられないわよ!!」

「違うんだ!俺君のこと安い女だなんて全く思ってないよ!ただ君がセクシーすぎて……」



マキシワンピだっつってんだろ!!




「怒らないでメイサ!」

「怒らせたのはアンタだろー!!」

「しーっ!!人が聞きつけるよ!」

「アンタが私をこんなんにしたんでしょ!!!」




フガー!!と怒る私に、アイアンはひたすらペコペコと謝り続けた。
今でも思うのだけど、コイツが本当の悪人でなくて本当によかったと思う。
十分失礼で危険な状況だったけど、結局無事だったんだもの。
そして、こんだけペコペコ平謝りしたんだもの。
いや謝ればいいってもんでは…(笑)
アイアンは言った。




「メイサ、俺、戻らなきゃ。カバン置きっぱなしなんだ」

「じゃ戻れば」

「一緒に行こう?」

「イヤだよ。行けよ。」

「……ねえ」

「行ーーーけっ。」




アイアンは仕方なくトイレを出て行った。






そして私は





ついに





便座に座ることができた。





はああああああ、やっとだよ!
トイレまで長げぇよ!!




続きます!