抱きしめたまま、アイアンは息も荒く呟いた。
「メイサ……俺、もう、行かなきゃ……」
私は彼の首に腕を絡ませた。
「ダメ」
「Dame?No?」
「ダメ、行かないで…
アイアン……」
私が彼の名前を呼ぶたび、アイアンはもっと強く私を抱きしめた。
どうしたの、なに、と答えながら、自分が求められることに満足そうだった。
「メイサ俺本当に行かないと……」
「行っちゃヤダ」
「仲間に会う前に車返さなきゃいけないし。バロカーに怒られるよ。
今度はもっと長い時間借りてくるから、ワッ!」
耳を舐められた途端、アイアンは声を上げて苦しそうな顔をした。
「メイサ!ダメだって!」
「ヤダ」
「ちょっ、ほんと……あっ」
ダメダメ言いながらもアイアンは全然止めないし、
私も彼を引き止めるかのように強く抱きしめていた。
「もっと長くいて欲しいの」
長い攻防戦(そんなに防してなかったが)の後、そう呟くと
アイアンはいつも通りの軽い笑顔で
「そう出来たらと思うよ」
とウソをついた。
仲間たちとシアターに行くのは本当らしく、私の目の前でトークアプリを操作した。
グループトーク内で彼は、少し遅れるかもと送っていた。
それをひったくって、ねぇ本当に男友達なの?
なんて聞けない関係がもどかしかった。
こんなの想定外だけど、あんな風に沢山笑いあって、ちょっと嬉しくなるキスをした後で、
なんだか私は
ちょっと悲しい顔でその画面を見つめていた。
あーうん、本当にただのグループトークだったけど。
ま、いーや。
あたしがどんなにしょんぼりしてよーと、
この現状は想定内だしね。
こんなもんだ。
「ふぅ」
私がため息をつくのと同時に、送るよとアイアンは言った。
私はわざと家から3本は離れた通りを指定した。
続きます。
「メイサ……俺、もう、行かなきゃ……」
私は彼の首に腕を絡ませた。
「ダメ」
「Dame?No?」
「ダメ、行かないで…
アイアン……」
私が彼の名前を呼ぶたび、アイアンはもっと強く私を抱きしめた。
どうしたの、なに、と答えながら、自分が求められることに満足そうだった。
「メイサ俺本当に行かないと……」
「行っちゃヤダ」
「仲間に会う前に車返さなきゃいけないし。バロカーに怒られるよ。
今度はもっと長い時間借りてくるから、ワッ!」
耳を舐められた途端、アイアンは声を上げて苦しそうな顔をした。
「メイサ!ダメだって!」
「ヤダ」
「ちょっ、ほんと……あっ」
ダメダメ言いながらもアイアンは全然止めないし、
私も彼を引き止めるかのように強く抱きしめていた。
「もっと長くいて欲しいの」
長い攻防戦(そんなに防してなかったが)の後、そう呟くと
アイアンはいつも通りの軽い笑顔で
「そう出来たらと思うよ」
とウソをついた。
仲間たちとシアターに行くのは本当らしく、私の目の前でトークアプリを操作した。
グループトーク内で彼は、少し遅れるかもと送っていた。
それをひったくって、ねぇ本当に男友達なの?
なんて聞けない関係がもどかしかった。
こんなの想定外だけど、あんな風に沢山笑いあって、ちょっと嬉しくなるキスをした後で、
なんだか私は
ちょっと悲しい顔でその画面を見つめていた。
あーうん、本当にただのグループトークだったけど。
ま、いーや。
あたしがどんなにしょんぼりしてよーと、
この現状は想定内だしね。
こんなもんだ。
「ふぅ」
私がため息をつくのと同時に、送るよとアイアンは言った。
私はわざと家から3本は離れた通りを指定した。
続きます。
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