メイサと7人の外国人たち

アラサー元お水とキャラの濃い外国人達の冒険記

研究対象にされて…

2018-08-15 01:48:18 | 咲人
「ま、残念ながら?今のところ俺の日本語レベルは最低だからな。
君と会話の練習ができるレベルじゃないんだよ。
でも数週間もすれば質問したい事や、やりたい事でいっぱいになるはずだから、その時お返ししてくれれば良いよ 」



私は、まぁあなたがいいならいいけど…と呟いた。
Why not?と言う声がまたエラそうだ。



「それに俺は君と話すのが好きだしね」

「(でしょうね…)なんで?」

「面白いからだよ。俺は人間は好きじゃない」




は?




「大抵の人間はものすごく退屈だ。
出会って一言二言話したらもうそれだけでうんざりする。
あいつらみんな兄弟か何かみたいに同じ考えで同じ事を言う」

「わからんでもないけど」

「10人会ったら、俺は8人とはもう話したくない。20%の人間にしか興味が持てないんだ」

「へえ。さいですか…」




でも君は他の人間と全然違う。
と、咲人は饒舌に続けた。




「君と2度目に話した時、君は日本人は心の周りにドアがたくさんあるって言っただろ。
あれはすごく面白かった。
あんな表現をする人間に会ったことがない。」



マジで?



心の扉って表現、結構日本人にとっては馴染みがある気がするんですが…




「俺は君をもっと分析したい。どうしたらそのドアが全部開くのか知りたい。
君はすごく興味深い研究対象なんだよ」



と、人のことをラットか何かのように言った。
ぶ、ぶんせき……。
私はフンと鼻息をついた。




「研究した後はどうするの?レポートか何か提出してくれるわけ?」

「君が欲しいならするけど?」

「オッケー死ぬほど楽しみにしてる。ま、あなたができればの話だけどね」



自分に負けず劣らずエラそうな物言いなのに、咲人は楽しそうに聞いていた。
彼と話し続ける私も私だが、彼も彼でよくこんな女と話し続けてるなと思った。
やっぱり変だな。←お前もな
まぁ研究したいから話してるならそれはそれでいいか。




「あなたがいいならそれでいいわ。私はただあなたのことケアしただけだから」

「何で俺のこと気にしたの?」

「当たり前じゃない?私はあなたに楽しく勉強させてもらってるわ。
楽しいと思える相手のことは、同じように楽しいか気にかけるべきだと思うけど?」




咲人はなるほどと唸った後、一言つぶやいた。




「可愛いね」









いや、そんなんならへんかったわ。





「は?!可愛い?!あんたバカにしてんの?」

「いやいやいやそういう意味じゃないよ」

「じゃー何なのよ」

「ただそう思ったからそう言っただけだよ」




あっそ、と鼻息をついた。
咲人は相変わらず楽しそうだった。
よくわかんない人だわ…。




変人咲人との物語、まだまだ続きます。






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