先々週の土曜のこと。
切断機の刃を支えるベアリングが壊れてしまっている。
グーグルストリートビューより拝借。
刃の左右で軸へ固定する六角穴ボルトの左側が無く、
右側だけで固定されている。
ココナツ殻を切って植え込み材を作っていた妻が私を呼ぶので出ると、深刻そうな顔をしている。
「どうしたの?」と尋ねると、黙ってココナツ殻の切断機を指す。
切断機の刃を支えるベアリングが壊れてしまっている。
購入して十年近く使うと刃が折れてしまい、バンコク近郊のメーカーへ持ち込んで刃の交換とオーバーホールをやったのが5年半前。
2年前に今回壊れたベアリングのカバーが外れたので、フューチャーボード(プラ段ボール)へ強力両面テープを貼って押さえ込んで誤魔化していたが、とうとう壊れてしまった。
刃の故障時はウドンタニの農業機械製作所へも問い合わせたが、あまりやりたくない(自信が無い?)様子だったので、バンコク近郊の製造元まで持ち込んだが、修理費が1万2千バーツ強で旅費が7千バーツ強と合わせて2万バーツ近く掛かった。
最近は不況で売上がさっぱりだし、8月9月は特に売れない時期。
「何でこんな時に壊れるかな〜?」と妻と見つめ合う。
植え込み材のココナツ殻を購入すると輸送コストが嵩むので生産原価は数割上がり、バンコク近郊産との価格競争に勝てなくなるし、生産している植物は土へ植えられず、ココナツ殻が一番安い植え込み材なので、機械を修理する以外の選択肢は無く、修理が済むまで生産出来ないので、修理を急がなければならない。
近くの集落へバイクや農業機械の修理をされるお店があり、私がやる草刈り機の修理はこのお店で見て学んだこと。
グーグルストリートビューより拝借。
ココナツ殻切断機でも、数年前にW掛けしてあるベルトがどうしても外れず、交換を手伝って貰った事があり、その時に「壊れたら直します」と言われたのを思い出した。
お店へ行くと「直す」と言われた店主は不在だったが、一緒に働かれる弟さんが居られたので相談すると「持って来て」と言われる。
我が家でココナツ殻切断機を置いているのは自宅前の倉庫(元店舗)で、駐車場より階段で3段高くなっているのでピックアップトラックをバックで付けると倉庫の床の高さとトラックの荷台の高さが近く、ブロックと板でスロープを作れば切断機を車へ乗せるのは大人3人で可能で、私と妻と娘の3人で苦労せずに積載。
お店では店主の弟さんとインターンの学生の6人で荷台へ掛けた木のスロープを滑らせて降ろした。
「明日は日曜で休むけど、月曜には終わります。」と聞いて、電話番号を交換して帰宅。
それから待っても待っても電話は無く、植え込み材が無いので農園の生産は止まったまま。
木曜に買い物の帰りに店の前を通りながら見ると未だバラバラ。
依頼から一週間経った土曜の朝に「終わりました。」と電話が来た。
妻とお店へ行くと、壊れたベアリング以外に劣化したのが3つ交換されており、摩耗が激しいギアを作るのに時間が掛かったそうだ。
全てのベアリングへ注油してあった。
試運転すると音が静かになったのに驚いた。大丈夫そうなので請求書を貰うと、代金は1590バーツと格安。
私の車の荷台へスロープを掛け、降ろした時と同じ6人がかりで押し上げようとするが、重くて上がらない。
お店へは重量物積載用に柱へアームが付けてあり、ジャッキで引き上げて車へ積める準備がしてあるが、私の車は荷台の屋根がアームの邪魔をして使えず、店主のトラックへ積んで自宅へ送って貰った。
自宅でもう一度試運転をして確認していた妻が「あっ!これ、ネジが無いよね?」と言うので見ると…、
刃の左右で軸へ固定する六角穴ボルトの左側が無く、
右側だけで固定されている。
妻を店へ連れて行って店主へ言わせると、作業場の箱からボルトが見つかり、長い六角棒レンチを借りて私がつける事になった。
帰宅して床へ転がると機械の下からボルトを入れて締め付ける。
起き上がると試運転で飛び散ったグリスが腕や服についているのに気が付いて閉口。w
気を付けて見ると機械の上蓋を留めるボルトにワッシャの入れ忘れがあったりするが、次々と来店のあるお店で若い学生らしき人達を指導しながら幾つも並行作業で修理していく多忙な店主なのである程度は仕方無いだろう。
一度に1つの事しか出来ない私から見るとスーパーマンの様な人だ。
日曜に妻がピックアップトラック1台分のココナツ殻を切断したが、機械の動作がスムースになって刃の回転数が上がったらしく、今までは混在していた切り損ないが無くなり、今までより細かく切れているそうだ。
近くで安く修理してくれる人が居て、本当に助かった。
切断機は直しながら末永く使えそうだ。