めるつばうのおもうこと

めるつはミーム機械としてばうを目指します。

『夜明けの縁をさ迷う人々』

2008-12-09 15:28:09 | book
小川洋子。好きな作家のひとり。
夜明けの縁ってどのへんだろう?
わたしがおもうのはあの辺。
うすうすと明け始めてでも太陽の気配はまだ遠く。

しかし暗闇ではないところ。
曖昧な。眼も夜用から昼用へシフトしていないので
ちょっぴり幻惑ぎみ。
わたしは野球が嫌い。理由は簡単で選手がきれいでない。
特にお尻。でかい。イチローだけは別格だけど。
でも小川洋子はそこそこ好きらしく「博士の・・」でも野球の話題は
出てくる。唯一野球話題が出ても読める小説は小川洋子だけだろう。

全体はやはり物に対するフェチというか拘泥する部分というか。
わたしとしては大好きな。
要素的にブラックな部分もあるけれどそれもすき。

『銀山の狩猟小屋』の獣はどんなんだろう。こういうオチは楽しい。
物事は白や黒では決定できない。

『涙売り』は痛いそうでダメ。わたしが指の関節を砕いたことがあるから
なんだけれど、どーにも・・。痛いし。つねったりじゃだめなの?
とか思ってしまった。でも関節の音というのは面白い。
とあるダンサーが”関節ひとつひとつまでの内部の状態を知る”ことが
重要だといっていたけれど、そういった意味でも身体の中の音は面白い。

『教授宅の留守番』の脅迫的な贈り物、お祝いの増殖はなさそうでありそうで
なさそうなところがいいな。たしか中山可穂も賞をとったら花に埋もれてという
ことを何かのあとがきで書いていた。

小川洋子はなんでこいうったなんでもないようなもの、でも心にひっかかるもの
に対する立ち位置が独特なんだろう。そしてそこへの拘りも。そこがわたしの
感覚に呼応するらしく、馴染んでしまう。


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