わたしの脳という臓器の演算能力

不可能なことを現実のようなリアリティをもって再現する
わたしの脳。すなわち夢。

この世にもう存在しないあの人のことを再現する。
感触。
手の感じ。
匂い。
声。
すべてがリアルに再生する。
しかも、その矛盾にわたしは気が付かない。

これを創出するために、わたしの脳はどれほどの演算をおこなっているのだろう？
ホログラフィックに背面や足の裏までも再現しているのだろうか？
ソラリスの海のようなものなんだろうか。

目が覚めてしばらくは幸せな感覚が残っていたけれど。
この世界にはあの人はいない。