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新型コロナウィルスの影響でいろんなイベントが中止に追い込まれる中、正月行事の由来を知りたくなりました。
神奈川県立歴史博物館で「かながわの正月」の特別展を開催中です。
展示室に入るとまず「歳神様」を祀る立派な祭壇(見出し写真)がしつらえられています。
1つ1つの飾り物には、それぞれ縁起物として、作法があるようです。
正月には白い器を使うのですが、高価な磁器は手に入らないので、青竹の皮を剥いで器の代用としています。
注連縄(しめなわ)は、日常、右綯いで作るのを、左綯いで作ります。
火は、大晦日の夕方に古代のやり方(舞錐・まいぎり)で点火して3日まで昼夜灯し続けます。
水は、元旦の寅の刻(午前4時ごろ)に井戸から汲みます。
上写真の赤丸の位置には、子孫繁栄を願って磨臼(すりうす)に杵を入れて置かれています。
「入れて回せば、粉(こ=子)ができる」ということ、なかなかウンチクがありますね。
荒神様(台所の神・火の神)には、鍛冶によって造られる道具のミニチュアが飾られます。
置き方も、火事を鎮める意味で「水」をかたどっています。
松の内・七草粥を食べると、次は道祖神祭りが始まります。
冬が終わり、春へと向かう節分に続く行事で、地域によって違いがあるものの、子どもが主人公になるお祭りのようです。
藁や正月飾りなどを使って道祖神を祀る小屋を建て、子どもたちが集まるコミュニティーの拠点とします。
その小屋を基地として家々へ回って御祝儀などをもらう、資金稼ぎ的な要素のあることが特徴的です。
ハロウィンではありませんが「アクマッパライ」といって、魔除けの赤いものを身につけて家々を回り、道祖神の札や石を売ったり、賽銭を出さないと石を投げると脅したりと、いろいろなパターンが紹介されています。
新婚の家にあがり「子宝に恵まれますように」と子どもたちが唱えると、子どもたちが持ってきたオマラサマを嫁がさすってから祝儀をもらうという風習のあるところも、つい最近まであったようです。
モンスターペアレンツ問題が学校運営を悩ませている世の中を反映しているのか、このような風習が途絶えるのは残念といえます。
もっと大らかな世の中であってほしいなと思いますね。
ほかにも、凧揚げや羽子板、門松の後に立てる入道様・へのへのもへいさんなど、興味深いものが展示解説されています。
年末年始は、1月4日まで休館。展示は1月24日まで。
喫茶ともしびの期間限定メニューは「ゆかりごはんにおでん」です。
いいですねぇ。
年が明けたら行ってきます。
ペコリ
それとも・・・
レベル4で、外出自粛すると、
いろんなこと考えちゃいますね。