絵と文 遠藤 ケイ/かや書房・69ページ目
変遷は世の常とはいいながら、そうした手仕事が生きのびていける世の中でなければならないと思うのだが、それが抗えないものなら、せめていまのうちに職人の生き様や手仕事の技を描きとめておこうと、あちこちたずね歩いている。ボクの対象は人間国宝とか無形文化財といった人たちではなく、どこの町にもかつてあった市井の職人たちである。
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本の目次には、
春=田植え、ワカメ、海女めがね、養蜂、川しらす漁、マンボウ、エンガ、鯛釣り、枝打ち、海士
夏=房総の捕鯨、コンニャク、漁師料理、アワチドリ、へったおし漁、桶屋、小揚げ、ウナギ捕り、農鍛冶、潜水夫、水なます、竹笊
秋=稲刈り、ウツボ、山椒、朝市、サメ、人形師、大漁旗、アケビ、めいろう士、トウミ、見突き漁、茅葺き屋根
冬=炭焼き、キンメ漁、筵編み、アンコウ、森林伐採、ハバノリ、木取り、魚の顔、ヤンゴメ、野菜屑漢方薬、水、もちつき、船祝い、注連縄
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都会暮らしの人が自然の風景に囲まれたところで田舎暮らしたいと憧れる方は、メタ坊も含めて、多いのではと思います。
でも、自然は優しいこともあれば厳しい面もあり、田舎は都会とは全く違う不便さと隣り合わせの生活を受け入れながら暮らさなければなりません。
この「田舎暮らしの民俗学」の著者・遠藤ケイさんも憧れて房総半島は鋸南町の山麓へ移り住み、さまざまな知恵を身につけ、イラストと文にしています。
もともと小さいころから百姓暮らしを見て、またちょっとだけ手伝ったこともあり、メタ坊にしてみると「そうそう、そうだった」と懐かしく読ませていただいた訳ですが、田舎暮らしを受け入れる人懐っこさと度量がなければ、そうそう安易に立ち入れる世界ではないので、自分に合った場所を早いうちから時間をかけて探すことをおすすめします。
>>>「100ページ目のことばたち」由来
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