自然にゆだね、ゆっくりと『仕事が遊び、遊びが仕事』
になりゃせんかなぁ
心ここに在らず。人目には、既に長野県に飛んでいるらしい。実は今春、私が高校生の頃に漠然と描いていた「信州の田舎暮らし」がようやく叶おうとしているのです。
丹波篠山の低山に囲まれた田舎から、夏休みにひとりで北アルプス槍・穂高に登りに来てから、もう30数年が過ぎた。
その間の20歳代はひたすら洋菓子の修行で明け暮れ、遊びを封印したままに過ぎ去った。30歳代はその独立開業と基礎作りを<msnctyst w:st="on" addresslist="28:兵庫県三田市;" address="兵庫県三田市">兵庫県三田市
</msnctyst>でおこない。3人の子供達が2年ずつの山村留学を終えた40歳代。そして今、ようやくおとずれた50歳半ばの出番に向けて、Iターン計画を作り始めた。
スローライフの田舎暮らしは恐らくは名ばかりで、ハードになるであろうと想定。それに備えてマラソンで身体をつくりつつ、必要以外は何もせず密かに体力を温存してきた。45歳、鹿児島から稚内へ列島縦断を徒歩75日の旅。47歳、移動を原付カブで日本100名山登山を肉・卵無しの自炊100日間。これらも少年期の夢の続きだった。
その後は春夏1ヶ月間の山村留学短期リーダーなどを続けて、ただ今は徐々に仕事の現場を離れる慣らし運転の期間というわけだ。
美麻(みあさ)暮らしに至ったのは
山村留学に子供を出した訳や20年前に会社をおこし、近い将来の信州での生活を考える今となって、
一貫しておもう事は三つの回帰です。
『自然・生命への回帰』『文化・歴史への回帰』『広く浅くの人間関係よりも、心を伴った仲間との交流』への回帰です。
それらをこの歳になってみて、仕事・子育てを通じて、心底に望むようになってきていた。
我々を取り巻く社会もそれを可能にする手段と程度はあるにせよ、更に強くその回帰を欲しているようにおもう。
同時にそれは我々に経済性と物質中心生活を優先させた結果に成就したものは何であったのか?という疑問をも投げかけられてもいる。
バブル期に浮かれ、さらには「感動」という名の青い鳥をひたすら追い求めて、様々のところを旅してきた旅人の終着ではないかともおもえる。
結局のところは回り道をしたけれど、廻りまわって気が付けば「足下に恵みあり」という結論付けと認識をする時期に差し掛かったということではないかとおもう。
それを今、Back to JAPAN(故郷帰り)ではないかと問い、自分自身のこれからの暮らしに位置付けをしようとしているのかも知れない。
身の丈に合った、美麻(みあさ)暮らしとは
『暮らしが仕事、仕事が暮らし』は陶芸家河井寛次郎の言葉である。人間国宝の真摯な生活ぶりは似合うはずも無いが、まずは肩の力を抜いた気張らないリラックスさを提案する家づくりからはじめてみようではないか・・・。
断熱性は一般住宅の6~8倍という環境にやさしい「藁の家」(ストロー・ベイル・ハウス)をつくろう。藁は現地の美麻で調達したいと考えたが結局は那須高原産となった。衣装ケース大の稲藁のブロックを11トン車で2杯。それを8段に積み上げて壁にする。外壁は漆喰で仕上げる。全体の雰囲気は信州&英国民家風にしよう。ホントは茅刈りもして、茅葺きにしたかったが工期と予算の都合で断念だ。建築材料は自然素材にこだわり、極力石油製品を使わないでおこう。ロハス(LOHAS)のS(サスティナブル=持続可能な)にこだわって、地球にダメージの少ない建物にしたいな。
生活ぶりは石窯・薪で光・火・水・木・土をテーマに電気の使用も照明も最小限にとどめよう。
そして、泊まってもらえる部屋も用意して、セルフビルドの家づくりに携わってくれた人達らと、非代替えの自然さの強調された空間で、老いるまで?憩える機能として作り上げていきたいなぁ。
でも、建物は決して大きくはない。小屋の延長で建坪は15.5坪の半地下、二階建てでいこう。人間にとって住むことの意味を追求してきた巨匠建築家ル・コルビュジエが、最小限のスペースの中での快適さを自分の身体を使って確かめたという、南仏の簡素な休憩小屋のように・・・。
現地で生きる術は
そこでは飛びっきりのスぺシャルティーコーヒーで自家焙煎の珈琲をつくり、通販と週末は現地で試飲できるように開放しよう。
Q「でも雪深い冬にお客さんはどうしたらいいの」A「除雪された道に車をすてて、常設のポストから、おもむろに長靴を取り出して、歩いてたどり着くのって、どうかな」(物好きしか来ないな)
Q「平日は何をしているの?」
A「ブルーベリーの栽培農家もしたいなぁ。さらにはピザ用トマトの栽培。小麦など地元素材にこだわった、石窯ピザやバームクーヘンつくりもやりたいな」(随分とハードライフですね)
Q「ブルーベリーって、作るの難しくないの?」
A「詳しくはわからないな、これからお勉強です」
どこまで本気と疑われるようなチッピリの破天荒さですが、先ずはひとりで出来る範囲から気負わずにスタートをしよう。
『お帰りなさい。そして力を貸してください』『WELLCOME VILLAGE 』を合言葉に唱えながら・・・。
助けに来てくれる人を待とうかな。
スキー靴をはじめて履いたのも山村留学の親子スキーがきっかけだった。子供のおかげで信州にご縁をいただき、元気で仕事も遊びもして、多くの人を楽しませたい。
時代はスローライフ、スローフード、アースライフ、エコライフ、グリーンツーリズム、エコツーリズム、地産地消、地縁性特化、身土不二、などなどのカタカナ・漢字が盛りだくさんだ。でも、いかに実践するかとなると選択肢も狭まる。
しっかりと小さな専門店の顔をもつ空間で、より質の高い商品で、本物性を追求すれば人は探してでも来てくれると信じる。(ホントかな?少し不安もあるが・・・)
出来ない理由を並べるよりも、どうしたら出来るのかを考えつつ。自分の得意分野で好きな事をして、ひとりずつでいいから身近な人を喜ばせて、あげられたらいいかなぁと・・・。