石兎の風流日誌

日常に考えた事を俳句・短歌で綴る。

路地・・・

2009-12-06 01:51:23 | 日記
 小学校低学年の頃、細い路地の多い住宅地に住んでいたのだが、今又、細い路地の多い住宅地に住む事に成って、私は、路地歩きを楽しんでいる。
 
 夕方の日課で有るジョギングを行なっている市の陸上競技場には、車が行き交う主要道路の歩道を使って行くのだが、陸上競技場からの帰路は、全くフリーの時間と決め私は、住宅地の細い路地をさ迷い歩く。私は、歩き足りない時には、家の近くまで来ていても、家とは反対方向の路地へ足を向けて、家から遠ざかる。
 
 いやはや、その気になれば、家に近付いたり遠ざかったり、何時までも、迷路をさ迷い歩く事が出来るのだ・・・・路地は無限軌道だ。


   『 路地を行く 気持ちはドラマ 年の果 』

   『 しんみりと さ迷う路地の 年の暮 』        石   兎

那覇マラソン

2009-12-05 00:04:13 | 日記
 秋口より、マラソンの季節に合せる様に俄ランナー達で運動公園は盛況になる。
 
 毎年の風景だが・・・運動公園の陸上競技場外周にて準備運動をしていたら、競技場から出てきた五,六人の二十代後半と覚しき男達が、熱気と高揚感を辺りに発散させながら、バイパスの歩道を宜野湾方面に向かって走り去って行った。グループで那覇マラソンに参加する人達は、それと解る集団エネルギーを放出している。いや、全く、大した元気と遣る気だ。

 彼等の後姿を見詰めながら、私は何故か十回連続で那覇マラソンに出場したと言っていた六十代の男の言葉を思い出した。

 「十年間で体が、ぼろぼろになったよ。連続出場は体に悪い・・・・」

   『 那覇マラソン 参加前から 舞い上がる 』

   『 一年の 締め括りと言う 那覇マラソン 』

   『 近付けば 近付く程に 騒がしい  那覇マラソンの 参加者達 』

   『 年々に 弥増す人気 那覇マラソン 』                   石  兎

師走・・・イベント月

2009-12-02 23:21:09 | 日記
 十二月に入り、今年もラスト一ヶ月になった。この十二月と言う月は、若者達にとってはクリスマス・大晦日の二大イベントの有る重大な月のようだ・・・・次の書く事は、私が市の運動公園で聞いた二十代前半と覚しき娘達の会話だ。

M 「 ハルカ、今日は何日だっけ 」
H 「 今日は十一月二十八日よ 」
M 「 はぁ、一年が経つのって、早いね 」
H 「 何、如何したのミキ。心配事でも有るの 」
M 「 別に心配事じゃないけれど・・・・ハルカは、クリスマス如何するの 」
H 「 クリスマス・・・クリスマスは、友達とパーティーよ 」
M 「 友達って、彼の事 」
H 「 はは、二人だけのパーティーじゃないよ。彼の家に大勢集まって、わいわいやるのよ。ミキは、クリスマス予定入って無いの 」
M 「 う、うん。恥ずかしいけど、予定入って無いのよ 」
H 「 ふふ、ミキは奥手だね。早く彼作らないと、クリスマスも大晦日も一人で過ごす事になるわよ 」
M 「 ああ、十二月って嫌な月だよ。ハルカ、私もハルカ達のパーティーに参加させてよ 」
H 「 ははは、ミキに予定が無いなら、内のパーティーに参加するしか無いじゃん 」
M 「 ああ、ハルカ助かったよ 」

 いや、全く、恋人のいない若者にとっては、十二月は、試練の月のようだ。


  『 遂に来た 年の終わりの 十二月  最早結果を 受け入れるのみ 』

  『 あれこれの 思いを胸に 十二月 』                      石   兎

気鬱の対処法・・・

2009-12-01 03:00:10 | 日記
 私は、気分が、最低に落ち込んだ時には、時代劇小説や歴史小説を読む事にしている・・・年の瀬になって気持ちがどん底に落ち込んできたので、久し振りに、子母澤寛の新撰組物の三部作の一つで有る「新撰組物語」を読み出してみた。
 
 作中、沖田総司の最後の日々と黒猫の話は、実にドラマチックだ・・・沖田総司は、京都から逃げ帰って、江戸の千駄ヶ谷池橋尻の植木屋平五郎の納屋に隠れていたのだが、病気はもう最後の段階まで進んでいた。死ぬ三日程前に俄に元気になった沖田は、庭に出て黒猫と出会うのだ。そして、その日と次の日に、黒猫を切ろうとして切れずに、二日目には、「ああ、ばあさん、俺ァ斬れない、俺は斬れない」と叫んで納屋に転げ込んで最早起き上がれなくなるのだ。
 沖田総司は、黒猫を切れない程腕前が落ちた事を嘆いたのか、それとも、人切りだった自分の気力が黒猫でも切れない程衰えた事を嘆いたのか・・・私は、沖田総司が、無造作に人を切っていた侍としての自分から、死ぬ前に、ただの人の良い青年に返ったのだと、思いたい。

 激動の時代を駆け抜けていった青年達に思いを馳せる・・・私なりの対処法だ。


   『 黒猫も 餌貰いに来る 冬の庭 』

   『 霜月や 私憤公墳 綯交ぜに 』         石    兎