読後の感想としては、著者は内容をタイトルの「15分」に無理やり合わせようとしている感じがした。参考になる点は多々あるが、15分という長さにこだわる必要はないと思った。自分に適した時間の長さに合わせて実行したら使えると感じた。
はじめに
15分というのは微妙な時間である。携帯で遊ぶには長過ぎるし、読書をするには短過ぎ
る。だから15分程度の時間ができると何となく持てあまして、結局何もせずに終わって
しまうことが多い。
この15分を有効活用するように心がけるべきである。
糸川英夫博士の言葉→「屑の時間をダイヤモンドに変える」
① 一時間で10ページ進められる問題集があるなら、15分で2ページする
② 読書で区切りがいいところでないと読んだ気がしないと言わず、15分で本を閉じてしまう細切れ読書にする。
③ 一週間に一度、一気に片付けるのではなく、毎日15分ずつ片付ける。
・一日15分が一年で90時間になる!
15分間で何ができるか?
文庫本なら10~15ページ読める。
参考書なら数ページは読み進める。
国語辞典の読書 → 一時間ぶっ続けで読むのは苦痛であるが、一回5分で一日三回くらいなら意外と面白く読める。
新聞のコラムを書き写す。
・TO DOリストを作る
通常のTO DOリストではなく、細切れ時間を有効活用するTO DOリストである。
5分、10分、15分の欄を作り、それぞれの欄に「やるべきこと」を書きこんでいく。
例: 5分欄 「国語辞典の読書」「英単語を1つ覚える」「方程式を1つ覚える」
10分欄 「読書」
15分欄 「問題集の問題を解く」
・DID DOリストを作る
「やったことリスト」のことで、寝る前や翌朝に今日(昨日)できたことをリストアップしてみる。
・時間は三通り「瞬発型」「集中型」「つれづれ型」
① 30分ほどの「瞬発型」
② 2時間前後の「集中型」
③ 半日程度の 「つれづれ型」
細切れ時間は、一見すると効率が悪いようであるが、心理学的にみても大きなメリットがある。
人間には、複数の情報を見たり聞いたりした場合、最初と最後の情報が一番印象的で、記憶に残りやすい。これを「初頭効果」と「終末効果」という。
つまり、勉強時間を細切れにして何度も繰り返すと、そのたびに初頭効果と終末効果が得られ、勉強時間を増やすよりもかえって記憶が強化される可能性が高くなる。
・会社で勉強する法
社内には、毎月さまざまな雑誌や書籍を購入している部署があるから、時間がある時に片っ端から目を通すようにする。特に注意するのは、自分では絶対に購入しないような雑誌や書籍である。
株の世界に「人の行く裏に道あり花の山」という言葉がある。これは、「人が行かない裏道にこそ、きれいな花が咲いている」つまり、他人と同じ行動をしていては利益は得られない意味である。これは、読書にも同じことが言える。みんなが読んでいる雑誌や書籍ばかり読んでいても抜きん出ることはできない。一歩先を行くためには、みんなが読まないような業界紙や、あまり知られていない本や雑誌も読まなければならない。
・脳の反応速度を歩く習慣で鍛える
普段何も考えずに歩いている。だから歩くのは簡単と思いがちであるが、実は歩くという行為には、脳の多くの部分の協調性が求められる。脳の協調性は、神経細胞のネットワークが迅速でスムーズに働かなければ実現しない。
つまり、ウォーキングをするということは、脳の協調性を鍛えているのと同じである。
「ウォーキング=時間の浪費」という考え方は間違い。
語学番組や語学講座のCDなどをiPod等に録音して、それを聞きながら歩けば、
「ウォーキング=勉強時間」になる。
・街の中に書斎を作る
インターネットカフェはお勧めである。
営業マンの中には、インターネットカフェで仕事をしている人が意外に多い。コーヒー飲み放題で、パソコンも使い放題だから、パソコンで仕事がすんでしまう人にとっては最高のオフィスである。
街を歩いていて、思い付いたことや気になったことがあったら、近くのインターネットカフェに飛び込んですぐに調べるという使い方もできる。
・語学放送をBGMにする
デパートや書店のほとんどでBGMが流れている。音楽を止めるとどうなるか。買い物をしている人たちは何となく不安を覚え、そそくさと店を出ていくそうだ。また、流れ作業など単純労働が行われている作業場でBGMを流すと、能率がアップするという研究結果がある。BGMは意外なほど脳や心に影響を与えるものである。
これほどの影響力を持つBGMを勉強に利用しない手はない。
家で作業している時、読書をしている時にNHKラジオ等で放送している語学番組を流す。BGMだから集中して聞く必要はない。
iPod等に好みの語学番組や語学講座のCD等を録音して、通勤時に聴く。この時も、番組に集中することはなく、本を読みながら、車窓を眺めながら聴くだけでいい。そのかわり「一度聴いたら終わり」ではなく、何度も何度も同じ番組を聴くようにする。最低でも10回は聴く。すると、知らぬ間に耳になじむ単語や文章が出てくるようになる。
「門前の小僧習わぬ経を読む(毎日見聞きして慣れていれば、知らず知らずのうちにそれを習得できてしまう)」のことわざ通りである。
・テレビやラジオの講座は続けることに意義がある
毎年4月から5月にかけて、テレビやラジオ講座のテキストがベストセラーになるそうだが、せいぜい三カ月で売上は激減するという。つまり、ほとんどの人が三カ月前後で挫折してしまうのである。挫折した人は、まじめに取り組み過ぎたために逆に三カ月坊主になってしまったのである。
ということは彼らの逆をやれば長続きできる。つまり「あまり頑張らないで気楽にやる」ことだ。
ノートを必死にとるのはやめて、講師の言うことだけを見聞きする。わからないことがあったら、テキストをもう一度確かめればいいし、どうしてもノートを使いたいなら、メモやポイント、または○×を書き込む程度にする。30分程度の講座なら、強く印象に残ったことを一つ書くだけでも構わない。
最近ではハードディスクレコーダー等の録画機器が普及したため、「録りためて後でまとめて勉強する」という方法もあるが、「録っただけで安心して、結局は見ない」というケースは意外と多い。
もし、どうしてもリアルタイムで見る時間がない時は、絶対に2本以上番組をためないこと。録画した番組はその日のうち、または翌朝出勤するまでに必ず見るようにする。こうすれば、見ないまま講座がたまってしまうこともない。
・買わない方がいい本もある
本を買って後悔することはめったにないが、ただし例外がある。それは参考書である。
例えば何かの試験を受験する予定があるとする。まだまだ時間があると思って安心していると、あっという間に数カ月を切ってしまう。こんな時によく見られるのが、参考書を何冊も買い込むという行動である。
たくさん参考書を買い込む人に限って、それで安心してしまう傾向がある。本棚にズラリと並んだ参考書を見て、勉強した気になってしまうのだ。
参考書はめったに買わない方がいい。ベストな参考書を一冊だけ買う。それ以上は絶対に買わないようにする。そしてその一冊だけを何度も何度も繰り返し読むのである。
どんなに難しいことが書いてあっても、15分もあれば1ページは進むことができるはず。そうして少しずつ読破していく。
読み終わったら、最初からおさらいをして、最終的には参考書の内容をすべて覚えるくらいにする。ここまですれば、たいがいの試験はパスするであろう。
・頭のいい参考書、問題集の選び方
① 著者の名前や肩書で選ばない
② 重厚長大は避ける
分厚い参考書は重くて持ち歩くのに不便で、苦労して持ち歩いたとしても、通勤時間やちょっとした待ち時間に手軽に開くという気持ちにならない。
③ 過去問題がたくさん掲載されていること
④ 答えに解説がついていること
試験で同じ傾向の問題が出るといっても、そっくりそのまま同じ問題が出るとは限らない。過去問題を丸暗記するのではなく、「なぜその答えになるのか」という理由や理論を理解することが大切である。理解するためには、答えの欄にしっかりとした解説がついている問題集を選ばなくてはならない。
暗記するのなら、解説の方を暗記すること。読み終えて理解するのに15分程度かかるくらいの詳しい解説が載っているものを選ぶとよい。
・自分だけの人名録を作る
自分で人名録を作るというのは、自分が主人公になって物事を考えるためにたいへん有効である。
直接交際がない人や有名人、あるいは外国人でもどんどん記入していく。
本を読んで感動した時、素晴らしい映画に出会った時、展覧会や画集でたまたますてきな絵に出会った時など、その都度、作家や監督、俳優、アーティストの名前を記録していく。
毎日寝る前に15分ほど時間を作り、「今日はどの人を付け加えようか」と考えるのもいい。
・集めるだけでも立派な勉強だ
何かを集めてそのことに詳しくなれば、立派な専門家である。つまりコレクションは専門家になるための勉強といえる。
コレクションとは、物置や机の引き出しをガラクタでいっぱいにすることではなく、「私の博物誌」を作ることである。
・旅行に「テーマ」を持たす
旅行に行く時も、何かテーマを決めて「プラスワン」の旅行を目指すのもいい。
ただ街を歩き、写真を撮ってくるだけでなく、建物の中を見せてもらったり、お年寄りに話を聞く。それをパソコンに入力して資料を作る。
旅行に行く時は、15分でもいいからその土地の紹介記事や本を読み、そこに何があるかをあらかじめ知っておくとよい。
・尊敬する人を真似てみる
美術の授業はたいてい模写から始まる。優れた先人の作品を忠実に模写していると、絵を描く基本ができあがっていく。この基本技術をしっかりと身につけられた人だけが、独自のテクニックや独創性を加えることを許される。
目標とする人をみつけたら、その人を徹底的にコピーする。服装から立ち振る舞い、食事の嗜好まで真似てみる。
毎日15分くらい、しぐさを真似することから始める。するとその人の考え方や仕事に対する意識まで、理解できるようになる。
かなり、上手に真似できるようになったら、自分の望みやカラーを加えてみる。
・フリーペーパーで情報力をアップする
フリーペーパーには普段読んでいる週刊誌や新聞では得られない情報が詰まっている。
自分の視野を広げるためにとても有効である。
できるだけマイナーなフリーペーパーを探すように心掛ける。
・出会った本はパッと買う
待ち合わせ時間にまだ余裕がある時は、書店で過ごす。15分ほど書店にいるだけで、いろいろな知識を頭に詰め込むことができる。
イギリスの作家ベネット「何でもいいから本を買いたまえ。買って部屋に積んでおけば、読書の雰囲気が作り出される。外面的なことだが、これは大切なことだ」と言っている。
・「関係ない」と思う本にこそ大切な情報が
書店でいつも同じ棚ばかり見ていると、同じ傾向の本だけの「井の中の蛙」になってしまう。
・頭がいい人の「読書術」
相当なことが書いてありそうな本でも、本当に大切なことは、わずかしか書かれていない。たいていの本は「まえがき」か「あとがき」を読み、目次、見出しを見れが用が足せる。
・読書のコツは面白いところでやめること
普通の小説やビジネス本は読み始めても、キリのいいページに栞を挟み、「また明日にしよう」「帰りの電車の中で読もう」となってしまう。しかし、忙しくなったりすると、電車の中でも自宅に帰っても、すぐに眠気が襲ってきて読書どころではなくなる。こうしてバッグに入れっ放しにされた本は、一週間もたつと、読みかけのまま本棚に戻され、「積読本」に化けてしまう。
「積読本」にもそれなりのメリットはあるが、せっかく途中まで読んだのに、途中から積ん読になってしまうのはもったいない。
積ん読にしないためのテクニックは、「面白いところで読み終える」ことである。普通は面白いところにかかると、どんどん読み進んでしまうが、そこでグッとこらえて栞を挟み、本を閉じる。
谷(つまらないところ)で読書を止めるから積読本ができてしまうのである。
このテクニックは記憶にも有効であることがわかっている → 「ツァイガルニク効果」人間には、達成された完了課題より達成されていない未完了課題の方が記憶に残りやすいという心理がある。
・新聞は奇数ページに注目する
新聞はすべてのページに目を通すのではなく、奇数ページ(一面を含めた左ページ)に注目するようにする。右開きにできている新聞は、目につきやすい左ページに重要な記事を集中しているから。
偶数ページには、記事より広告が多いことに気付く。
三面は「総合面」と言われ、一面につぐ重要なページである。ここでは記事のタイトルと前文(新聞の世界では「まえぶん」と読む。見出しの次にある記事の内容が要約されている短い文)だけを読めばいい。
・積ん読をバカにしてはダメ
2005年のNHK放送文化研究所の調査で、平日に読書をしている人はわずか18%で平均時間は1時間9分であった。この読書には漫画や雑誌も含まれているから、書籍を読んでいる時間はこの数字よりもかなり低いと予想される。
本棚に読んでいない本が増えた時は、本棚としっかり向き合って、15分ほどかけて積ん読中の本をあれこれ並べ替えてみるといい。
今までのまとめ方にとらわれず、自己流の並べ方、組み合わせ方をしてみる。
本を並べ替えることは、単なる気まぐれのように思えるが、実はかなり高度な知的作業なのである。
・本のタイトルが読めるようにしておく
本が増えてくると、二段三段に積み重ねたり、横に寝かせて重ねてしまう場合がある。こうすると本のタイトルが見えなくなってしまう。
その時は「まあ、いいか」と思うが、数日後、数か月後に見つけるのが困難になる。
並べる時にちょっとだけ手間をかけてタイトルが見えるようにしておけばよい。
本が多過ぎて、どうしても前後に並べなければ収まらないなら、月に一度ずつ、前の本と後ろに隠れている本を取り替える習慣をつけるとよい。
・パンフレットやPR誌を活用する
一度手に取ったパンフレットやPR誌は自宅や会社に持ち帰ってファイリングした方がいい。
パンフレットやPR誌が貴重な理由は、
① 雑誌や書籍とは比べ物にならないほど、多額の製作費がかけられているから、貴重な情報が詰まっていることが多い。普段はめったにインタビューに応じない著名人をPR誌で見かけることも珍しくない。
② ページ数があまり多くなく、写真が多用されている。文字数が少ないから訴求したい点がズバリ書かれていて15分もあれば読み終えることができる。
・感情表現は記憶力をアップさせる
記憶は何かを読んでから、わずか30分で40%も忘れてしまう(エビングハウスの忘却曲線)が、それを引き止める手段が「書くこと」である。
その時に感情表現を加えて書くと、自分に関係したことに変化する。こうすると記憶の強化がより促進される。
何としても覚えたいこと、諳んじなければならないことがある時は、これにプラスして、書き込んだ文章を15分間復唱し続ける。そうすれば30分で40%消失にはならないであろう。
・手書きの日記が勉強になる
日記を長続きさせるコツは気張らないこと。その日にあったことを探して書こうとするから追い詰められてしまう。そこまで深く考えず、その日に会った人の名前を書くだけでもいい。天気や気温、目についたことを2、3行書くだけでも十分である。このくらい気楽な気持ちでやれば長続きする。
・絵は記憶力を倍増させる
人の記憶は考えている以上に淡く、瞬く間に失われてしまう。だから、大切なことをメモやノートに書いてもすぐに忘れてしまうことがある。
こんな時は、ノートや手帳にメモる時に絵を描くようにする。絵は下手でもいい。
絵も一緒に描くと、驚くほどに忘れない。
はじめに
15分というのは微妙な時間である。携帯で遊ぶには長過ぎるし、読書をするには短過ぎ
る。だから15分程度の時間ができると何となく持てあまして、結局何もせずに終わって
しまうことが多い。
この15分を有効活用するように心がけるべきである。
糸川英夫博士の言葉→「屑の時間をダイヤモンドに変える」
① 一時間で10ページ進められる問題集があるなら、15分で2ページする
② 読書で区切りがいいところでないと読んだ気がしないと言わず、15分で本を閉じてしまう細切れ読書にする。
③ 一週間に一度、一気に片付けるのではなく、毎日15分ずつ片付ける。
・一日15分が一年で90時間になる!
15分間で何ができるか?
文庫本なら10~15ページ読める。
参考書なら数ページは読み進める。
国語辞典の読書 → 一時間ぶっ続けで読むのは苦痛であるが、一回5分で一日三回くらいなら意外と面白く読める。
新聞のコラムを書き写す。
・TO DOリストを作る
通常のTO DOリストではなく、細切れ時間を有効活用するTO DOリストである。
5分、10分、15分の欄を作り、それぞれの欄に「やるべきこと」を書きこんでいく。
例: 5分欄 「国語辞典の読書」「英単語を1つ覚える」「方程式を1つ覚える」
10分欄 「読書」
15分欄 「問題集の問題を解く」
・DID DOリストを作る
「やったことリスト」のことで、寝る前や翌朝に今日(昨日)できたことをリストアップしてみる。
・時間は三通り「瞬発型」「集中型」「つれづれ型」
① 30分ほどの「瞬発型」
② 2時間前後の「集中型」
③ 半日程度の 「つれづれ型」
細切れ時間は、一見すると効率が悪いようであるが、心理学的にみても大きなメリットがある。
人間には、複数の情報を見たり聞いたりした場合、最初と最後の情報が一番印象的で、記憶に残りやすい。これを「初頭効果」と「終末効果」という。
つまり、勉強時間を細切れにして何度も繰り返すと、そのたびに初頭効果と終末効果が得られ、勉強時間を増やすよりもかえって記憶が強化される可能性が高くなる。
・会社で勉強する法
社内には、毎月さまざまな雑誌や書籍を購入している部署があるから、時間がある時に片っ端から目を通すようにする。特に注意するのは、自分では絶対に購入しないような雑誌や書籍である。
株の世界に「人の行く裏に道あり花の山」という言葉がある。これは、「人が行かない裏道にこそ、きれいな花が咲いている」つまり、他人と同じ行動をしていては利益は得られない意味である。これは、読書にも同じことが言える。みんなが読んでいる雑誌や書籍ばかり読んでいても抜きん出ることはできない。一歩先を行くためには、みんなが読まないような業界紙や、あまり知られていない本や雑誌も読まなければならない。
・脳の反応速度を歩く習慣で鍛える
普段何も考えずに歩いている。だから歩くのは簡単と思いがちであるが、実は歩くという行為には、脳の多くの部分の協調性が求められる。脳の協調性は、神経細胞のネットワークが迅速でスムーズに働かなければ実現しない。
つまり、ウォーキングをするということは、脳の協調性を鍛えているのと同じである。
「ウォーキング=時間の浪費」という考え方は間違い。
語学番組や語学講座のCDなどをiPod等に録音して、それを聞きながら歩けば、
「ウォーキング=勉強時間」になる。
・街の中に書斎を作る
インターネットカフェはお勧めである。
営業マンの中には、インターネットカフェで仕事をしている人が意外に多い。コーヒー飲み放題で、パソコンも使い放題だから、パソコンで仕事がすんでしまう人にとっては最高のオフィスである。
街を歩いていて、思い付いたことや気になったことがあったら、近くのインターネットカフェに飛び込んですぐに調べるという使い方もできる。
・語学放送をBGMにする
デパートや書店のほとんどでBGMが流れている。音楽を止めるとどうなるか。買い物をしている人たちは何となく不安を覚え、そそくさと店を出ていくそうだ。また、流れ作業など単純労働が行われている作業場でBGMを流すと、能率がアップするという研究結果がある。BGMは意外なほど脳や心に影響を与えるものである。
これほどの影響力を持つBGMを勉強に利用しない手はない。
家で作業している時、読書をしている時にNHKラジオ等で放送している語学番組を流す。BGMだから集中して聞く必要はない。
iPod等に好みの語学番組や語学講座のCD等を録音して、通勤時に聴く。この時も、番組に集中することはなく、本を読みながら、車窓を眺めながら聴くだけでいい。そのかわり「一度聴いたら終わり」ではなく、何度も何度も同じ番組を聴くようにする。最低でも10回は聴く。すると、知らぬ間に耳になじむ単語や文章が出てくるようになる。
「門前の小僧習わぬ経を読む(毎日見聞きして慣れていれば、知らず知らずのうちにそれを習得できてしまう)」のことわざ通りである。
・テレビやラジオの講座は続けることに意義がある
毎年4月から5月にかけて、テレビやラジオ講座のテキストがベストセラーになるそうだが、せいぜい三カ月で売上は激減するという。つまり、ほとんどの人が三カ月前後で挫折してしまうのである。挫折した人は、まじめに取り組み過ぎたために逆に三カ月坊主になってしまったのである。
ということは彼らの逆をやれば長続きできる。つまり「あまり頑張らないで気楽にやる」ことだ。
ノートを必死にとるのはやめて、講師の言うことだけを見聞きする。わからないことがあったら、テキストをもう一度確かめればいいし、どうしてもノートを使いたいなら、メモやポイント、または○×を書き込む程度にする。30分程度の講座なら、強く印象に残ったことを一つ書くだけでも構わない。
最近ではハードディスクレコーダー等の録画機器が普及したため、「録りためて後でまとめて勉強する」という方法もあるが、「録っただけで安心して、結局は見ない」というケースは意外と多い。
もし、どうしてもリアルタイムで見る時間がない時は、絶対に2本以上番組をためないこと。録画した番組はその日のうち、または翌朝出勤するまでに必ず見るようにする。こうすれば、見ないまま講座がたまってしまうこともない。
・買わない方がいい本もある
本を買って後悔することはめったにないが、ただし例外がある。それは参考書である。
例えば何かの試験を受験する予定があるとする。まだまだ時間があると思って安心していると、あっという間に数カ月を切ってしまう。こんな時によく見られるのが、参考書を何冊も買い込むという行動である。
たくさん参考書を買い込む人に限って、それで安心してしまう傾向がある。本棚にズラリと並んだ参考書を見て、勉強した気になってしまうのだ。
参考書はめったに買わない方がいい。ベストな参考書を一冊だけ買う。それ以上は絶対に買わないようにする。そしてその一冊だけを何度も何度も繰り返し読むのである。
どんなに難しいことが書いてあっても、15分もあれば1ページは進むことができるはず。そうして少しずつ読破していく。
読み終わったら、最初からおさらいをして、最終的には参考書の内容をすべて覚えるくらいにする。ここまですれば、たいがいの試験はパスするであろう。
・頭のいい参考書、問題集の選び方
① 著者の名前や肩書で選ばない
② 重厚長大は避ける
分厚い参考書は重くて持ち歩くのに不便で、苦労して持ち歩いたとしても、通勤時間やちょっとした待ち時間に手軽に開くという気持ちにならない。
③ 過去問題がたくさん掲載されていること
④ 答えに解説がついていること
試験で同じ傾向の問題が出るといっても、そっくりそのまま同じ問題が出るとは限らない。過去問題を丸暗記するのではなく、「なぜその答えになるのか」という理由や理論を理解することが大切である。理解するためには、答えの欄にしっかりとした解説がついている問題集を選ばなくてはならない。
暗記するのなら、解説の方を暗記すること。読み終えて理解するのに15分程度かかるくらいの詳しい解説が載っているものを選ぶとよい。
・自分だけの人名録を作る
自分で人名録を作るというのは、自分が主人公になって物事を考えるためにたいへん有効である。
直接交際がない人や有名人、あるいは外国人でもどんどん記入していく。
本を読んで感動した時、素晴らしい映画に出会った時、展覧会や画集でたまたますてきな絵に出会った時など、その都度、作家や監督、俳優、アーティストの名前を記録していく。
毎日寝る前に15分ほど時間を作り、「今日はどの人を付け加えようか」と考えるのもいい。
・集めるだけでも立派な勉強だ
何かを集めてそのことに詳しくなれば、立派な専門家である。つまりコレクションは専門家になるための勉強といえる。
コレクションとは、物置や机の引き出しをガラクタでいっぱいにすることではなく、「私の博物誌」を作ることである。
・旅行に「テーマ」を持たす
旅行に行く時も、何かテーマを決めて「プラスワン」の旅行を目指すのもいい。
ただ街を歩き、写真を撮ってくるだけでなく、建物の中を見せてもらったり、お年寄りに話を聞く。それをパソコンに入力して資料を作る。
旅行に行く時は、15分でもいいからその土地の紹介記事や本を読み、そこに何があるかをあらかじめ知っておくとよい。
・尊敬する人を真似てみる
美術の授業はたいてい模写から始まる。優れた先人の作品を忠実に模写していると、絵を描く基本ができあがっていく。この基本技術をしっかりと身につけられた人だけが、独自のテクニックや独創性を加えることを許される。
目標とする人をみつけたら、その人を徹底的にコピーする。服装から立ち振る舞い、食事の嗜好まで真似てみる。
毎日15分くらい、しぐさを真似することから始める。するとその人の考え方や仕事に対する意識まで、理解できるようになる。
かなり、上手に真似できるようになったら、自分の望みやカラーを加えてみる。
・フリーペーパーで情報力をアップする
フリーペーパーには普段読んでいる週刊誌や新聞では得られない情報が詰まっている。
自分の視野を広げるためにとても有効である。
できるだけマイナーなフリーペーパーを探すように心掛ける。
・出会った本はパッと買う
待ち合わせ時間にまだ余裕がある時は、書店で過ごす。15分ほど書店にいるだけで、いろいろな知識を頭に詰め込むことができる。
イギリスの作家ベネット「何でもいいから本を買いたまえ。買って部屋に積んでおけば、読書の雰囲気が作り出される。外面的なことだが、これは大切なことだ」と言っている。
・「関係ない」と思う本にこそ大切な情報が
書店でいつも同じ棚ばかり見ていると、同じ傾向の本だけの「井の中の蛙」になってしまう。
・頭がいい人の「読書術」
相当なことが書いてありそうな本でも、本当に大切なことは、わずかしか書かれていない。たいていの本は「まえがき」か「あとがき」を読み、目次、見出しを見れが用が足せる。
・読書のコツは面白いところでやめること
普通の小説やビジネス本は読み始めても、キリのいいページに栞を挟み、「また明日にしよう」「帰りの電車の中で読もう」となってしまう。しかし、忙しくなったりすると、電車の中でも自宅に帰っても、すぐに眠気が襲ってきて読書どころではなくなる。こうしてバッグに入れっ放しにされた本は、一週間もたつと、読みかけのまま本棚に戻され、「積読本」に化けてしまう。
「積読本」にもそれなりのメリットはあるが、せっかく途中まで読んだのに、途中から積ん読になってしまうのはもったいない。
積ん読にしないためのテクニックは、「面白いところで読み終える」ことである。普通は面白いところにかかると、どんどん読み進んでしまうが、そこでグッとこらえて栞を挟み、本を閉じる。
谷(つまらないところ)で読書を止めるから積読本ができてしまうのである。
このテクニックは記憶にも有効であることがわかっている → 「ツァイガルニク効果」人間には、達成された完了課題より達成されていない未完了課題の方が記憶に残りやすいという心理がある。
・新聞は奇数ページに注目する
新聞はすべてのページに目を通すのではなく、奇数ページ(一面を含めた左ページ)に注目するようにする。右開きにできている新聞は、目につきやすい左ページに重要な記事を集中しているから。
偶数ページには、記事より広告が多いことに気付く。
三面は「総合面」と言われ、一面につぐ重要なページである。ここでは記事のタイトルと前文(新聞の世界では「まえぶん」と読む。見出しの次にある記事の内容が要約されている短い文)だけを読めばいい。
・積ん読をバカにしてはダメ
2005年のNHK放送文化研究所の調査で、平日に読書をしている人はわずか18%で平均時間は1時間9分であった。この読書には漫画や雑誌も含まれているから、書籍を読んでいる時間はこの数字よりもかなり低いと予想される。
本棚に読んでいない本が増えた時は、本棚としっかり向き合って、15分ほどかけて積ん読中の本をあれこれ並べ替えてみるといい。
今までのまとめ方にとらわれず、自己流の並べ方、組み合わせ方をしてみる。
本を並べ替えることは、単なる気まぐれのように思えるが、実はかなり高度な知的作業なのである。
・本のタイトルが読めるようにしておく
本が増えてくると、二段三段に積み重ねたり、横に寝かせて重ねてしまう場合がある。こうすると本のタイトルが見えなくなってしまう。
その時は「まあ、いいか」と思うが、数日後、数か月後に見つけるのが困難になる。
並べる時にちょっとだけ手間をかけてタイトルが見えるようにしておけばよい。
本が多過ぎて、どうしても前後に並べなければ収まらないなら、月に一度ずつ、前の本と後ろに隠れている本を取り替える習慣をつけるとよい。
・パンフレットやPR誌を活用する
一度手に取ったパンフレットやPR誌は自宅や会社に持ち帰ってファイリングした方がいい。
パンフレットやPR誌が貴重な理由は、
① 雑誌や書籍とは比べ物にならないほど、多額の製作費がかけられているから、貴重な情報が詰まっていることが多い。普段はめったにインタビューに応じない著名人をPR誌で見かけることも珍しくない。
② ページ数があまり多くなく、写真が多用されている。文字数が少ないから訴求したい点がズバリ書かれていて15分もあれば読み終えることができる。
・感情表現は記憶力をアップさせる
記憶は何かを読んでから、わずか30分で40%も忘れてしまう(エビングハウスの忘却曲線)が、それを引き止める手段が「書くこと」である。
その時に感情表現を加えて書くと、自分に関係したことに変化する。こうすると記憶の強化がより促進される。
何としても覚えたいこと、諳んじなければならないことがある時は、これにプラスして、書き込んだ文章を15分間復唱し続ける。そうすれば30分で40%消失にはならないであろう。
・手書きの日記が勉強になる
日記を長続きさせるコツは気張らないこと。その日にあったことを探して書こうとするから追い詰められてしまう。そこまで深く考えず、その日に会った人の名前を書くだけでもいい。天気や気温、目についたことを2、3行書くだけでも十分である。このくらい気楽な気持ちでやれば長続きする。
・絵は記憶力を倍増させる
人の記憶は考えている以上に淡く、瞬く間に失われてしまう。だから、大切なことをメモやノートに書いてもすぐに忘れてしまうことがある。
こんな時は、ノートや手帳にメモる時に絵を描くようにする。絵は下手でもいい。
絵も一緒に描くと、驚くほどに忘れない。