2012年6月29日、ラ・ロシェル(La Rochelle)を出発し、イル・ドレロン(Île d'Oléron)島へ向かいました。
イル・ドレロン島に行く途中にロシュフォール(Rochefort)という街があります。ラ・ロシェルのライバルでもあり、17世紀にフランス最大の造船所の立地として整備されました。毎年300隻以上の帆船が進水していたとか。18世紀以来海軍武器庫の立地でもあります。
ロシュフォールの海岸から引き潮の時だけ通れる道を通って小さな島(イル・マダム、Ile Madame)に行くことができます。
海岸から島まで意外と距離があり、道もところどころ歩きにくいところがあって、往復したらかなり疲れました。
その後、イル・ドレロン島へ。泊まったホテルはレ・ジャルダン・ドレロン(Les Jardins d'Oléron)という二つ星ホテル。ダブルルーム二人で一泊64ユーロ。朝食は一人8ユーロ。4年後の現在でも値段は変わっていないようです。ホテルというよりはペンションという感じですが、アットホームで清潔感のある感じの良いところでした。
このイル・ドレロン島はフランスでコルシカの次に大きい島です(長さ60㎞、幅は最も広いところで15㎞)。長くきれいな砂浜、砂丘、松林…そしてカキの養殖所(写真は翌日の2012年6月30日のもの)。
遠くに見えるのはロシュフォールのフランス海軍基地を守護するための要塞フォール・ボワヤール(Fort Boyard)。ナポレオンの指揮下で、1801年に着工しましたが、引き潮の時しか工事ができないことと、砂州に運び込んだ岩塊が自らの重さで砂州に沈み込んでしまうこともあり、1809年には工事中止。1837年に英仏関係がまたしても緊張したのを機に工事が再開されました。1847年に土台が完成し、10年後の1857年に要塞が完成。工事期間はトータル28年ですが、同じものを現在立てるとしたら、もうちょっと速く完成するのでしょうか?現代でも大きな建設プロジェクトは大抵予定よりも時間がかかり、予算を超える費用がかかるものですが…
上から見るとコロセウムを楕円にしたような奇妙な建物(写真はドイツ語版ウィキペディアより)。本当にイギリスに対する防衛に役立ったのかは不明。
こちらはカキの養殖村。周りは自然保護区のシト・ド・フォール・ロワエ(Site de Fort-Royer)。カモメが幅を利かせています。
次に訪れたのが野鳥の湿原(Marais aux oiseaux)。タカやフクロウなどの猛禽類以外は基本放し飼い。なぜか亀もたくさんいました。
野鳥の湿原を回った後はサン・ピエール(St-Pierre)という地区のル・フォラン(Le Forum)というレストランでディナー。前菜は当然カキ。ボリュームたっぷりで、ダンナもご満悦。
翌日7月1日はオレロン城の1630 ー 1704年に建設された要塞(Citadelle du Château d'Oléron)へ。天気は漸く快晴。
要塞を出るとすぐに大陸へ向かう橋があります。次の目的地はボルドーでしたが、そこへ行く途中で、光の海岸(コート・ド・リュミエール)南端であるジロンド川河口のあるロワヤン(Royan)に寄り道しました。
海水浴場となっているジロンド川北岸は砂浜が2㎞にも及んでいます。豪華なホテルやショッピングモール、遊歩道など、割と贅沢に整備されたリゾート地です。
ロワヤンは、19世紀から20世紀初頭にかけてボルドーからの富裕層や作家、芸術家などが集まりました。エミール・ゾラは海岸の写真を撮り、ピカソはカフェ・デ・バンを描きました。それらは記録の中でしか残っていません。なぜなら、第二次世界大戦中にドイツ軍と上陸した連合軍の間で激しい戦闘が行われ、町の85%が破壊されてしまったからです。
それでもいくつかアールヌーボー風の家が残っています。
ボルドー編に続く。