チェーホフは『桜の園』などで知られる戯曲作家ですが、実は推理短編小説も書いていたようで、この江戸川乱歩編『世界推理短編傑作集1』の3番目に収録されています。
1885年10月6日、S郡第二警察分署長の官房にプセコーフという技師が、主人である「マルク・イワーヌヴィッチが殺された」という知らせをもたらすところから話が始まります。
捜査を担当するのはニコライ・エルモラーエヴィチ・チュビコフ予審判事とその助手兼書記のデュコーフスキィ。
予審判事はやる気があるのか疑わしい感じで、若手の助手のヒントや提案に対して口汚くののしり、「自分の仕事だけをしろ」「余計な口をはさむな」というようなことばかり言うのですが、自分の捜査を進めているのかどうか作中では言及されていません。推理を進めているのはもっぱらデュコーフスキィの方で、現場に残されていた珍しい安全マッチやを手掛かりに事件を追います。
「なーんだ」とちょっとがっかりするような、ほっとするような、そういう感じのオチです。
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