徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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書評:有川浩著、『誰もが知ってる小さな国』(講談社)

2018年07月13日 | 書評ー小説:作者ア行

本日2冊目の本。やはり日本語だと読むのが速すぎて何冊買っても足りない感じです。これでも書評を書くことでスピードを落としてはいるのですが。書評を書かなかった頃はそれはもう次から次へと。。。。

さて、『誰もが知ってる小さな国』はコロボックルのお話しです。佐藤さとる氏が戦後生み出した『コロボックル物語シリーズ』の継承作品とのことで、本人からのお墨付きももらっています。実は私は『コロボックル物語シリーズ』のほうは読んだことがないので、今度そちらを読んでみようと思いました(こうしてまた読みたい本が増える...)

主人公は日本全国を旅するはち屋(養蜂家)の息子ヒコ。小学校3年の夏に北海道で同業者の娘ヒメと出会い、またコロボックルのハリーと秘密の友達になります。コロボックルが登場するまでに随分はち屋についての説明が多く、それはそれで興味深いのですが、「コロボックルは?」という期待になかなか答えてくれないので、ちょっとじれったい感じがするかもしれません。

作中で佐藤さとるの『コロボックル物語シリーズ』が何度も言及されていて、コロボックルもその本に出合ってびっくりして大騒ぎになったとあって、素敵なオマージュだと思いました。途中でコロボックルを危機にさらすような事件が起き、成り行きが不安になりますが、もちろん丸く収まるので、概ねしあわせな気分で読めるお話です。最後に明かされるはち屋とコロボックルのご縁の輪が見事ですね。そのしあわせな世界観にほっこりしました。


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