山梨の花を探して、楽しんで

山梨の豊かな自然に育まれている植物、特にその季節に咲く花について書いてます。

山梨県の絶滅に近い植物について

2022-02-07 12:46:00 | 貴重な花
山梨県のレッドデータブックによると、
県内ではすでに絶滅したと考えられる種で飼育や栽培下でのみ存続している種を「野生絶滅」としています。
2018年版では、ラン科のサルメンエビネ、サギソウ、トキソウ、そしてキク科のフジバカマの4種。
昔の本に書いてあったカイサカネランなどは入っていなかったので、選定にはなにか別の基準もあるのかもしれません。

それに一番近いのが絶滅危惧I類、特にIA類でごく近い将来における野生での絶滅の可能性が極めて高い種と定義されています。また中には情報があまりなく、「評価するだけの情報が不足している種」を情報不足(DD)というカテゴリーに分類されていました。このカテゴリーのもの中にはもしかしたらもう絶滅なものもあるかもしれません。
なんとか生息地を見つけたいものです。

レッドデータブックを見ると絶滅危惧IA類中にはメッシュ(10km四方範囲)が1で分布が偏っているものがあります。たぶん実際には三次メッシュ(1km四方)で管理されているようなのでメッシュ1でも生息地が多数あるのかもしれませんが近い場所というのはやはり環境変化などの影響を一緒に受ける可能性があり絶滅のリスクも高いと感じます。
そういった種も生息地を見つけたいものです。

今年、このような見つけたい植物のリストをつくり、過去の生息情報やネットの情報を蓄積していくことにしました。
私一人ではとうてい見つけることができないのでそのうちのいくつかについてはここで集めた情報をつづっていきたいと思います。同じ思いをお持ちの方  よろしくお願いします。


キランソウの仲間たち

2022-02-05 10:42:00 | 似てる花の見分け方
今日のお題はこれ春の定番キランソウの仲間です。
まだまだいっぱいお題があるけど、春の花を先に学習しようと思います。





キランソウの仲間はシソ科キランソウ属になります。
山梨には
「山梨の植物誌」には
カイジンドウ  山梨県絶滅危惧II類、環境省II類
キランソウ
ジュウニヒトエ
ニシキゴロモ   山梨県絶滅危惧IB類
の4種が載っていました。

ネットなどでは
ツルカコソウ                山梨県絶滅危惧IA類、環境省II類
ツクバキンモンソウ
タチキランソウ
ジュウニキランソウ
を見かけました。ここまでにして学習していきます。

まず絶滅危惧種のツルカコソウは八ヶ岳の登山口周辺の道で時々目にしていました。
結構伸びているので明らかにこれだけで見分けられました。今回調べたら下のものはその変種のケブカツルカコソウというそうです。毛のないものに会ってみたいものです。





同じようなカイジンドウは偶然撮影していました。雰囲気は似てますが直立して葉っぱが違います。

ジュウニヒトエも花が花穂になっているので簡単に見分けられると思ってましたが、今回自然交雑種のジュウニキランソウを見て悩んじゃいました。実際よく母種2つが近くで咲いてますから交雑種ができても不思議はありません。
ただ花の白いのはジュウニヒトエでよさそうです。中には淡紫色もあるそうです。まだ会えてません。

大変なのはるり色の花のキランソウ、タチキランソウ、ジュウニキランソウです。
タチキランソウは最近まで知りませんでした。リニアの環境アセスメント評価書をみる機会があってはじめて知りました。それまでは慣れてしまって適当に撮影してたのに急に花のアップを撮り始めたのは昨年4月からです。すみません。
お題の二番目がるり色の花です。
タチキランソウの特長は花の上唇が直立し2〜3mmあって2裂することだそうです。ネットでみかけるのはこん
点でした。
原色牧野植物大図鑑@1996の絵を比較すると茎の色や伸び方に違いがあり、タチってそういう意味からなんだと納得できます。また葉柄付け根の色や雰囲気も違いますし、タチは花を輪生状につけるとあります。またよく違いのポイントとなる毛ですが、キランソウは全体に白い毛があると書かれていました。「野に咲く花」では縮れた毛という表現です。タチは花冠の裂片の外側に縮れた毛とだけ書かれてました。
余談ですが「野に咲く花」にはモモイロキランソウが載ってました。これも会って見たいです。

さてお題の二番目です。
白い毛がたくさんあり、花も輪生ではないのでキランソウだと思われますが、上唇が長く直立しているのでタチでもよさそうです。そこで旧版「日本の野生植物」@1982をみるとタチにも「全体に長い白毛がある」と書かれてました。キランソウには「全体に多細胞の縮れた毛」とあるので毛の様子は差別ポイントになりそうです。
お題の二番目は長い白い毛だと思われますので花の特長も合致しているタチキランソウとみなしました。
見分けポイントは花の特長と毛の様子でした。
またジュウニキランソウはネットでは花穂が立ちあがり、全体に縮れた毛と書かれてました。手元の図鑑には写真や記載がありませんでした。このお題の写真は違いますが今度見かけたときにじっくり違いを確認したいと思います。

残りの最初のお題はシロバナです。
ニシキゴロモとツクバキンモンソウのどちらかということになります。
「旧版日本の野生植物」によれば、花冠上唇が短く1mmくらいで半円形となるものがツクバだと書かれていました。逆にニシキゴロモは上唇はやや長く直立して2裂するとありました。キランソウとタチの違いのようですね。ちなみに錦衣は葉が紫色を帯びて美しいからなんだそうです。この葉の特長が差別ポイントと思ってましたが違ってました。
さてお題です。
上唇はないんじゃないってほど短い。これはツクバキンモンソウで良さそうです。過去の写真を探していってニシキゴロモらしいものを見つけたら追加でアップしておこうと思います。

個人の覚書を最後まで見ていただいてありがとうございました。
間違いがあれば是非ご指摘ください。